広島に帰ってから事あるごとに
東京への未練を口にしてきた私に
両親はやれやれといった感じで
「そんなに東京に行きたいなら行っていいよ。
自分のお金でなんとかするなら止めない。」
と、言っていました。
記憶する限り、私は両親に自分がすることに対して
否定や反対をされた覚えがありません。
きっと言いたいことは山ほどあるはずなのに
「こうあるべき」や
「こうしないといけない」といった風に
意見を押し付けてくることはまずありませんでした。
(冗談めかして言うことはたまにありますが)
それは無関心ではなく、
私の意見を尊重し、信頼してくれているからだと思います。
前提として責任は自分で取れ、です。
自分の意見を押し付けずに相手を信じることの方が
よほど勇気がいることだと思います。
我が親ながらすごいなと感心します。
そして今回ほぼ日の塾に参加出来たことで
思考の垢が取れてクリアになったことがあります。
どうやら私は場所に囚われすぎていました。
世界は広いし、
場所を限定しすぎるのはもったいない。
そして大事なことはどこにいるのか、ではなく
何をするのか、ということです。
どうせ悩むならそこを真剣に考えた方がいい。
ただこの言葉だけを提示されても
「そりゃそうだ」
くらいにしか思わなかったかもしれないけど、
自分でしつこく考えたからこそ
言葉が腑に落ちるようになりました。
長くアンバランスだった心ここに在らず状態が
ようやく一箇所に重なってきた感覚です。
友人の多くも日本各地、
あるいは海外までに散り散りになり、
それぞれの地で悩みながらも楽しそうに
生活している話を聞くと本当に励みになります。
会いたい人たちがいる東京にはこれからも
定期的に通えたらいいなと思います。
新感線から富士山を見ると、
昔通っていた予備校で囁かれていた
「行きに富士山が見れたら大学に受かる」
ジンクスを思い出します。
結果見られても落ちたし、
見られなくても受かったけど、
やっぱり今でも見られたら良いことがある気がしています。

最後に、現在90歳になったおばあちゃんは
前よりは歩くのも大変そうになったし、
いろいろと忘れることも増えたけど、
「きよしくん」のコンサートのことは
絶対に忘れません。元気です。
部屋には東京を訪れた際に撮った写真を
大切に飾ってくれています。
その写真が私とのツーショットではなく
「きよしくん」のポスターと一緒に
映った写真なのは多少気になりますが…
また一緒に東京に行くのは難しいかもしれないけど、
近くに住んでいるのでもっと会いに行こうと思います。
楽しいことや好きなことに貪欲で、
手先が器用で、よく食べて飲んで、
行動力のあるかわいいおばあちゃんは
これからもずっと憧れの存在です。
なかなか落ち着かない孫でごめんね。
暖かい目で見守って。
今年も一緒にお花見に行こうね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。