「アイデアのヒントを探しています」
やしまさんからそんな連絡をもらったのは、
2016年の3月末。
「まち中つながる展示会」の開催まで
1か月を切ろうとしていました。
そもそものはじまりは、
やしまさんが、自分のお店の企画として、
誰でも作品を置ける「レンタルボックス」を作って、
アーティストもお店に呼んでみよう、
と考えたことにありました。
この話を、町おこしの会に話してみたら、大うけ。
それならば、
いろんなお店に絵を飾って
まちも、アートも盛り上げていこうよ。
そんな雰囲気があっという間に生まれたのです。
その勢いにのって
いろんなお店にあいさつに行き、
1カ月たらずで、
作品を置いてくれるお店も目星がついたのでした。
えー、すごい。
もちろん、断られるお店もあったようです。
でも、なんだか流れにのってここまできた、
という感じがします。
まちのお店をアートギャラリーにしたい!
アーティストにとっては、
作品に感想をもらえる良い機会になるんじゃないかな。
何よりも、地元を元気にすること、
さらに、地域外のお客様も楽しめるものにしたい。
まるで雲をつかむようなことだけど、
と言いながらも、
とても楽しそうに計画を話すやしまさん。
ヒントを探している、というお話だったのに、
すでに、アイデアは詰まっていました。
あのお店で、こんなことをね・・・
という言葉をきくと、
まだ形になっていないのに、
その景色がぱーっ、と目の前に広がって見えたので、
私は「できます、絶対楽しいです」と
根拠もないのにただただ、うなずきました。
27のお店と、54作品が集まって、
「まち中つながる展示会」は始まりました。
区からも後援を取り付けることもできて、
大盛況となりました。
「ゼロをイチにする」ために必要なことは、
思いつきでも、完成した先のビジョンが見えていること。
それが、自分だけじゃなくいろんな人にもわかってもらえること、
関わる人みんなが楽しくなって、嬉しくなるようなこと。
そして、流れをつかんで、乗っていけることなのかもしれません。
(つづきます)