- 祖母
-
あとね、個人のお宅に事務所の電話で
投票をお願いする電話をかけるよ。
- 私
- そんなこともやるの?
- 祖母
-
でもねえ、マニュアルがあるの。
「今度立候補させていただく、~ですけど。
ええ、がんばっておりますので。」
(おばあちゃんがとても良い声で実演)
- 私
-
すごいなあ(笑)。
選挙って本当に大変そうだけど
お手伝いは、どんな人がやるの?
- 祖母
-
このごろはね、若くなった。
だいたい30代。
子どもを朝送り出して、
子どもが帰ってくるまでやるの。
- 私
-
え!その人たちもお給料は出ないんだよね。
忙しいのに、なんでやるの?
- 祖母
- 楽しいんじゃない?
- 私
- 選挙、楽しいの!?
- 祖母
-
楽しいというか。
人前に出るのが好きなんじゃない?
PTAの役員もやっとる、言っとったもん。
- 私
-
じゃあさ、立候補者は選挙楽しんでいるの?
本当は選挙いやな人いないの?
- 祖母
-
楽しんでると思う。
人前でしゃべることが好きなんやね。
おばあちゃんもそうやけど。
- 私
-
選挙って、
人前に立つことが好きな人の集まりなのかな。
- 祖母
-
そうそう。
マイク持って手が震えるなんて人はいないよ。
- 私
-
今の若い人たちって、人前に立つことこと
好きじゃない人が多いから
あんまり政治家になれそうな人がいないね。
- 祖母
-
でもね。どこからか湧き出てきて、
えーあの人がー!?っていう人もおる。
そういう人も、選挙に出たらハキハキ喋りだすの。
- 私
-
選挙って不思議なパワーがあるんだね。
当選すると、どんな感じなの?
- 祖母
-
当確するとね、
「皆さん有り難うございます。
バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」
って。3回バンザイ言えばいいのに、
何回も言い続けるの(笑)。
そしたらすぐに、テレビが来るから
おばあちゃんは写りたくないで
すぐ隠れる。

- 私
-
(笑)。
落選するとどうなの?
- 祖母
-
落選のところはね、
落選が決まると、立候補者が
みんな応援してくださったのにごめんなさい、と謝るの。
そうすると、応援しとるね、
一般の人、泣く!!
大の男が、泣く!!
- 私
- 泣くんだ。
- 祖母
-
そのくらい一生懸命だったんやなと思う。
本当にその人のために
応援してたんだろうなということが、ああいうとこでわかる。
- 私
- おばあちゃんは開票前から、当選するかわかる?
- 祖母
-
わかる。
みんなの噂とか、新聞とかでね。
でも本人は一生懸命マイクで訴えてるから
あんたねえ、多分落ちるのに声枯らして、
体壊したらいかんよ、と思うけど
本人は一縷の望みを持ってるんやろうね。
- 私
- 本人はわかってるのかな?
- 祖母
-
たぶん、わかっとる。
でも次の選挙のときのために、
あの人はいいかげんだよ、って言われないために
真面目にやるんだよ。
落選の次の日に、演説する人もいるしね。
これから勉強やり直しますってね。
- 私
-
そうなんだ。もう、次を見ているんだね。
おばあちゃん、次も手伝うの?
- 祖母
-
おばあちゃん今それどこじゃないのよ。
お寺で司会やらなきゃいけないのよ。
それが、原稿作らなきゃいけなくて‥‥
以後、しばらくおばあちゃんの忙しい話
・お寺の会長交代の原稿つくる話
・おばあちゃんの新しい習い事「群読」
・すでにウォーキング、コーラス二箇所の習い事をしてる話
(つづきます)