怪・その36
「灯りをともしたいのに」


偶然なのか、
自分でも良くわからないのですが、
怪談話を聞いた後の様な怖さを
突然、感じることがあります。

「ああ洗面所へ行くの何だか怖い」
というような程度なのですが、
その怖さの中でも
寒気がするようなのが、時々あるのです。

そういう時に
その感じがする場所に行って
電灯のスイッチを入れると、

ほぼ必ずバチバチッと音がして
光が強く点滅し
そのままぷつっと切れてしまうのです。

小学生の頃は
自分の部屋で同じように感じる事があり、
初めての時は本当にびっくりして
恐怖に固まりました。

ただでさえ何だか
今日は部屋に行くのがすごく怖い‥‥
と、背筋が凍るような思いでいるのに、

そんな気持ちを吹き飛ばしてくれる筈の灯りが

バチバチ飛び散るようにして切れたので、

もう、ほんとうに怖かったです。

母親の元に逃げ、
話をしても相手にされず
しつこいと怒られつつも
何度も一緒に行ってくれるよう説得し、
再び母親と部屋に行きました。

今度は母親がスイッチを入れると
何事もなく点灯するのが
また怖かったです。


もうすぐ二十歳になります。

最近はないなと安心していたら、
この間、洗面所で同じことがありました。

しかも、やはり
電灯は壊れたのではなく
その時だけ切れた様でした。

(みや)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-08-26-FRI