怪・その30
「お見送りした夜」


看護師として働いています。
あれは、いつ頃だったでしょうか‥‥。

初回の入院からずっと関わってきた患者の
○○さんが亡くなり、
お見送りをした夜、不思議な体験をしました。

夜間にお見送りをした
その○○さんの部屋は個室だったので、
空き部屋になっているはずです。

しかし巡視のとき、その部屋を通った際に、
「あれ?」と違和感を感じました。

ドア、開いてる。

夜間、ほかの患者さんが、
間違ってドアを開けたのかな? と、
その時は中を確認して、特に気にせずドアを閉めました。

巡視は基本的に2時間ごとに行うのですが。

あれ‥‥

さっき、ドア閉めなかったっけ? わたし。

そう、また、ドアが開いていたんです。

しかも、少し。10センチ弱。
先ほどと同じでした。

勢いよく閉めてしまった反動だったのかな?と、
今度は確実に閉めました。

閉まったドアを確認して、巡視をしました。


そして、2時間後。

また、開いていました。


あ、これは○○さんがまだいるな、と思いました。
恐怖感は不思議とありませんでした。

部屋に入り、

「○○さん、ご家族が待ってますよ。
 お家で過ごされてはいかがですか」

と声をかけました。

その方は普段からドアを少し開けて、
看護師が巡視するのを見ているような、
そんな方だったのです。

そして、ドアを閉めました。


その後、朝までドアが開くことはありませんでした。

無事にお家に帰れたのだと思います。

(ちゃこ)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-08-22-MON