おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1021
嫌わせてあげる勇気

人から嫌われるのはツラいね。

自尊心も傷つくし寂しい。

けどそんな時は、パッと手放して、
嫌わせてあげる、離れさせてあげる。
恨まず、尊重して、

ありがとう! さよなら! と。

そんなことは後になって思い返せば
何でもないことなんだ。
恐いのは、そんなことにとらわれて、
今、ここから始まる出逢いを逃すこと。

そこにカロリー使わないで、
つぎ行こう! つぎ!

……………………

先日、

あんまり詳しくは言えないんだけど、
長年の友人から、
「これは嫌われてしまったな」
と認めざるをえない決定的なことがあった。

その日一日はショックだった。

けど、つぎの日、ふと、
自分の中から湧いてきた言葉が、

「ありがとう」

自分でも、えっ、ってビックリして、
つぎの瞬間、

「さよなら。」

と湧いて出て、サッパリ手放せた自分に、
自分でも驚いた。

むかしの自分はこうではなかった。

“なんで” “どうして”と執着し、
相手を責めたり、
相手がひねくれているせいだと
自己防衛したり。

そこには、

全ての人に好かれていたい幻想、
誤解が解ければ好いてもらえる幻想、
素敵な自分に成長すれば嫌われない幻想、
があった。

表現教育の仕事を通じて、何千何万の人の
多種多様な人生と心の奥を見ていくうちに、
そんな幻想はふっとんだ。

私が、こうなりたいという理想に向かって、
一生かかって努力しても
到達できないほど素敵な人でも、
必ずといっていいほど、
人に嫌われて苦しんだ経験がある。

「好嫌」の感情はとても理不尽だ。

「善悪」ではない。
「正誤」でもない。

醜いから嫌われたと思った人が、
努力して美しくなったら、
「その美しさがイケ好かない」と嫌われたり。

視野が狭いと嫌われた人が、
広い視野を身につけて故郷に帰ってみたら、
古い習慣にとらわれた昔の仲間から嫌われたり。

できないといっては嫌われ、できすぎると嫌われ、
口が悪いと嫌われ、きれいなことを言いすぎると嫌われ、
気が利かないと嫌われ、出過ぎたまねをと嫌われ、
なんにもしないと嫌われ。

人間の嫌う感情は可笑しくて、愛おしい。

人は理不尽に嫌われる。一方で、
理不尽に自分を好いてくれる人にも出逢える。

そういう現実をたくさんたくさん知ると、
人から嫌われるという体験はあって当たり前なのだ。

「嫌われた=即、自分が悪い」
と自尊心を削る必要はないし、
かといって相手が悪いと決めつけることもできない。

時間がたって、余分なものが濾過(ろか)されて、
真実が残る、その時何が見えるか、
「待つ」しかないことも人生には多い。

冒頭から「嫌われた」と私は、
被害者のように言ってるけど、
じゃあ自分はどうなんだ? 

このとき、「自分は相手を嫌いか?」
という問いはワナだと私は思う。

「相手が私を嫌っても、私は好き」
と答えやすい。
私もそうだった。

でもこの「好き」は、
人を嫌う行為に苦しめられているから、
自分は人を嫌いたくないという反発だったり、
意地になっているだけだったりする。

だから、こう問うてみるといい。

「自分は、この人と一緒にいて楽しいか?」

私の場合、ガクゼンとするほど
はっきり答えが出た。
楽しくない。
笑顔がひきつっている。
すごく気をつかっている。

「ぜんぜん楽しくないのに、
なんでわざわざ一緒にいるんだろう?」

ポカンとした。

相手もそれを察してくれたんだと思うと、
相手の嫌う気持ちさえ、尊重できる。

嫌いだと思う人と、それでも
うまくやっていかなきゃいけないことは、
仕事をはじめ、人生ではたくさんある。
ならせめて、自分の自由になる時間くらい、
「楽しい」にまっすぐ向かって行って
いいではないか。

それでも勇気が出ない時は、
「手放してしまうと孤立するんでは」
という恐怖がある。

でも、そんなことはない。

その時は寂しいかもしれないけど、
あとから考えると本当に何でもない。

むしろ、その寂しさをバネに、
人とのつながりを求めて動くようになったり、
SNSを始めるなど出逢う機会を増やせたり。

結果、あとから考えると
そのあと出逢えた一人一人が貴重で、

「あのとき、もし執着して、
この人たちと出逢えていなかったら、
いま自分はどうなっていただろう」

と、そっちのほうが恐い、ゾッとする。

それでも手放せない時は、

いっかい相手のことを想い、
しっかり心の中でこう言ってみよう。

「ありがとう」

どこかなにか正直に感謝できる要素は
必ずあるから、そこをしっかり受けとめて、
“ありがとうー!” “ありがとうっー!”と、
何度でも気が済むまで言ってみよう。

ありがとうは不思議な言葉だ。
驚くぐらいサッパリ、執着を断てる。

嫌い返す必要なんてないし、
ましてや見返す必要なんて全然ない。

そんな気持ちを抱えて生きるのは、
カロリーつかう。

嫌わせてあげる勇気を持とう。

恨まず、尊重して、サッパリ手放して。

限りある人生、自由時間はさらに少ない。
出逢える人も、ともに過ごせる人も、数に限りがある。
自分の心が楽しむほうへ、

「一緒にいると楽しい人へ!」

気持ちもカロリーも向けていこう、
と私は思う。

※2021年11月17日(水)は休載します。

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お申込みはこちらから
https://001.webexpo.jp/exhibition/USS
●お問い合わせは
株式会社ウチダシステムズ フェア事務局
TEL:03-3537-0888
e-mail:ussfair2021@uchida-systems.co.jp
*「ほぼ日」に問い合わせないようお願いします。


お申込みはこちらから
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お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791  Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp


お申込みURL:https://forms.gle/CWB7PorRGe9BJkYx6 
お問い合せ先:北日本新聞就職情報センター(kinet) 
メールアドレス:kitanippon.kinet@gmail.com 
電話:076-445-3337(平日9:00〜17:00)「とやま就活」まで


【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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