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ほぼ日手帳

糸井重里

・これはもう小学生のときからだと思うけど、
 ぼくは、いろんな種類の友だちがいる人間で、
 「だいたいこういうグループ」みたいなのがなかった。
 地方都市の昭和年代の公立小学校だから、
 その地域の子どもが、まるまる同じ学校に通っていた。
 上流階級の子というのは、いなかったような気がする。
 前橋に上流なんてなかったよ、知らないけど。
 いまで言えば、中流の上とか中とか下とか。
 あとは、もうちょっと事情のある子も集まってた。
 なんたって、戦後3年というのがぼくの生まれ年だから。

 教育ママの子どもだとか、坊っちゃんだとか、
 やがてグレる子だとか、ずっと黙ってる子だとか、
 なんだかとにかく、みんなでやってたんだよ。
 そういう小学校時代の交友関係のまま、
 中学生になり、高校生になり、少しだけ大学生になった。
 いわゆる文系の友だち、体育会系の友だち、
 ませてるやつ、知識のすっごいやつ、ワルいやつ、
 それぞれにじぶんよりすごいところがあるので、
 だいたい「いいなぁ」と思って付き合っていた。 
 いいもわるいも、高いも低いも、まじめもふまじめも、
 まだまだ若いもののことだから、高が知れてた。

 思えば、ぼくの友だち関係というのは、
 大人になってからも、ずっと小学生時代みたいだ。
 たまに、どうしてそんなにいろいろなんですか、とか
 質問されたりもするけれど、じぶんでもわからない。
 まぁ、付き合っちゃいけない領域の人はいないし、
 どういうところにいても嫌いな人とは会わないから、
 ぼく自身にとっては、なんにも問題はない。
 それぞれ興味も話題もバラバラなのかもしれないが、
 同じような話ばかりしているより珍しいほうがたのしい。
 「へーえ、そうなんですか」と、何度も言ってるのが、
 いちばんおもしろいじゃないですか。

 Netflixの「ラヴ上等」を見終わって、
 なんだか友だちについて、いろいろ思い出していた。
 たしかに、ふだんは会わないキャストばっかりだったなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくは、「人生はあみだくじ説」だからね。角で曲がるんだ。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

12月27日(土)より、
更新時間は毎日11時になります。

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