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LIFEのBOOK ほぼ日手帳

LIFEのBOOK ほぼ日手帳

ほぼ日手帳カバー「TS」シリーズは、
毎年、グラフィックデザイナーの佐藤卓さんに
選んでいただいた革で作っているカバーです。
候補に上がる革の種類は多いのですが、
卓さんはその中から迷うことなく
「これだ!」と、見事にひとつを即決してくださるんです。
卓さんは、ものを選ぶときに
どんな目線で、どのように選んでいるのでしょうか。
いつも持ち歩いているバッグの中身や、
デスクの上で使っている文房具を見せていただきながら、
お気に入りのものの選び方について、話を聞きました。

Profile
グラフィックデザイナー。
1979年東京藝術大学デザイン科卒業。
1981年に同大学院修了。
株式会社電通を経て、
1984年に佐藤卓デザイン事務所設立。
「明治おいしい牛乳」や
「ロッテ キシリトールガム」などの
商品デザインおよびブランディング、
NHK Eテレで放送中の『デザインあ』の総合指導や
『にほんごであそぼ』のアートディレクション、
21_21 DESIGN SIGHTの
ディレクターおよび館長を務めるなど、
多岐に渡って活動中。
www.tsdo.jp

第3回 バッグの中身、机の上。

――
さて、今日は卓さんがふだんから
どんな目線でもの選びをしているかを
見せていただきたいなと思っています。
ふだんお使いのバッグの中身や
デスクまわりに置いているお気に入りのものを、
紹介していただけますか。
佐藤
はい。持ってきましたよ。
ここに並べてみましょうか。
▲1.黒い革財布/2.ポーチ(USBケーブルやイヤホンを入れる)/3.オレンジ色のサングラスケース/4.リップバーム/5.ワイヤレスのイヤホン/6.楊枝ケース/7.携帯に便利な、USBケーブル/8.スマートフォン/9.黒革の定期入れ/10.ほぼ日手帳(カバーはTS2017 Black Domopack)
ーー
わあ、すてきです。
これらの持ち物も、やはり時間をかけずに
ピンと来たものをパッと直感で選んだんですか?
佐藤
はい、そうですね。
サングラスは、まさにそうでしたね。
バッグの中で探しやすいように、
ケースはオレンジ色にしているんです。
ーー
このイヤホンやUSBもスタイリッシュです。
佐藤
このUSBケーブルは
コードがバッグの中でからまったりしないから
すごくいいですよ。
グッドデザイン賞も取っていました。
ーー
やっぱり卓さん、イメージ通りと言いますか、
シンプルで無駄のないデザインで
なおかつ機能的なものを
選ばれている感じがします。
では続いて、デスクでお使いの
文房具などを見せてください。
佐藤
このあたりが、
デスクの上にあって、いつも使っているもの。
他にもまだありますけど‥‥。
長いことずっと、
ほとんど無意識で使っているようなものです。
▲1.特製のメモラック/2.碍子のペーパーウェイト/3.インクタイプの修正液/4.木製のペーパーウェイト/5.ロットリングのシャープペン/6.マグカップ/7.ぺんてるのサインペン/8.パイロットのVコーン/9.LAMYのボールペン/10.カッター
ーー
無意識で使っている、ということは、
先ほどの「直感」と同じように、
理屈ではなく、感じているものですね。
なんだか、かたちがおもしろいものばかりです。
佐藤
これは、碍子(がいし)といって、
電信柱の上にある、電線を止める所で使う道具なんです。
ハワイのアンティーク屋さんで
いろんな形のものをいっぱい見つけたんですよ。
――
碍子。はじめて見ました。
佐藤
一般に手に入るものではないんですけど、
たまに、古いものがアンティーク屋さんに並んでるんです。
きれいだし、ちょっと不思議な形をしていて、
大きさもいろいろあるんです。
これ、すごくおもしろいなぁと思って。
デスクで、書類のペーパーウェイトにしています。
ちょっとかわいいでしょう?
――
はい、かわいいです。
佐藤
そして、こっちはね、
刑務所で作られているものなんです。
――
刑務所で?
佐藤
以前、『刑務所良品―Made in PRISON』
という本を出している都築響一さんに、
刑務所内受刑者によって作られた製品の
販売会場へ連れて行ってもらったんです。
そこでは、刑を受けている方が
職人の指導を受けて、プロダクトを作ってるんです。
社会復帰するためのシステムなんですね。
そこで作られているものが、おもしろいんですよ。
あんまり「売らんがな」のデザインがないの。
――
ああ。
佐藤
すごくいいから、ぼく、びっくりしまして。
その中に、このペーパーウェイトがあったんです。
形がきれいでしょう?
――
はい、すごく。
アート作品のようです。
佐藤
これも、いくつも持っています。
ちょっと優しい感じがするし、
すごく使いやすいんですよ。
ーー
では、このマグカップは?
佐藤
これは青山で見つけたマグカップですね。
なんかすごく素敵だなぁと思って、
自分用に買ったものです。
毎朝これで、ミルクコーヒーをガブガブと(笑)。
質感がいいでしょう?
――
あ、これは「ARTS&SCIENCE」ですね。
佐藤
そうです、ソニア・パークさんのお店です。
これもまた、一瞬で気に入ってしまって。
少し傷はついたけれど、それも
なかなかいい味になってきています。
――
そして、卓さんの愛用文房具といえば、
ほぼ日手帳といっしょに使っている
ロットリングですよね。
佐藤
これはもう長年使っていて、
何本目かわからないくらい使い倒しています。
それから、ぼくはデザインを
パソコンではなく手描きでやるので、
修正液とか消しゴムは使います。
この、インクが出るタイプの修正液がいいんだよね。
これは、ぺんてるのサインペン。
黒と赤は定番ですよね。
水色のは、この間、『21_21 DESIGN SIGHT』で作った
オリジナルカラーのものです。
それから、これも気に入っているんですが、
LAMYのボールペン。
これも本当に名作で、素晴らしいと思います
あと、パイロットのVコーン。
これが何しろ使いやすいんですよ。
――
黒、赤、青の3色あるんですね。
佐藤
で、これは買ったものじゃないんだけど、
お気に入りのメモラック。
以前、武蔵野美術大学の図書館の
再建計画のデザインをしたときに、
テーブルや椅子なんかといっしょに
図書館用のメモ置きもデザインしたんですよ。
――
かっこいいですね。
何でできているんですか。
佐藤
鉄板に塗装している、シンプルな作りです。
武蔵美オリジナルなので、買えないんですが、
工場の人にお願いして、自分用にも作ってもらったんです。
要らなくなった紙をこのサイズに切って入れておいて、
僕はこれに、アイデアを描くんです。
――
デザインのアイデアを?
佐藤
そうすると、この大きさだし、
すごく気楽に描けるわけですよ。
新しい紙だと緊張するけど、
これは、どうせ捨てる紙だしね。
スタッフにメモを渡す時や
何かアイデアが浮かんだ時は
パッと紙を取り出して、ささっと。
シンボルマークなんかも、
こんなちっちゃい感じで描いたりしますよ。
ーー
本当だ、ちっちゃい。
佐藤
シンボルマークって、遠くから見るものだから
ちっちゃく見えるでしょ?
だから、ちっちゃく見たときにも、
ちゃんとアイデンティティがなきゃいけない。
実はただ大きく描けばいいって
いうわけじゃないんですよ。
ーー
このメモから、
卓さんのデザインが生まれるんですね。
今日は、いろいろな持ち物を見せていただきましたが、
卓さんの目線、そして直感で選ばれているものは、
どれも見応えがあっておもしろかったです。
あらためて、
ふだん使っているもの、選んでいるものを見て、
いかがでしたでしょうか。
佐藤
自分で使うものだから、
人目を気にせず自然に選んでいますが、
そういうものが並んだところに
個性みたいなものが
出ちゃうんだろうなと思いました。
「どうしても出ちゃう個性」が。
ちょっとはずかしいですね。
ほぼ日手帳オリジナルを
毎年使ってくださっている佐藤卓さん。
2017年の手帳の中身を
見せていただきました。
――
以前の「ほぼ日手帳公式ガイドブック」でも
取材させていただきましたが、
卓さん独自のスケジュール記入法が
印象的でした。
佐藤
こんな感じです。
毎週末に、次の週の予定を
1週間分、書き込んでいます。
――
わあ、すごい!
時間ごとに、線が引き出されていますね。
佐藤
全部、ぼくなりのルールがあるんですよ。
24時間の時間軸から線を引っ張り、
秘密の縦ラインの左側に時刻、
右側に予定を書くんです。
線を曲げるときはどの間隔で曲げるか、
線をのばすときはどこまでのばすか。
ルールにのっとって、書いています。
――
どの線も重ならないように、
きれいな間隔で引かれていますものね。
佐藤
線が重ならないように、方眼をうまく使って。
ときどき、引いた線が
自然といいかたちに出たりするのが
おもしろいなあと思います。
(おわります)
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今回、佐藤卓さんが選んだ革「バトラー」で作った
トートバッグ「バトラー/トート」を受注販売いたします。
受注期間は2017年9/1(金)午前11時~9/11(月)午前11時です。
くわしくはこちらのページをご確認ください。

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株式会社ほぼ日のロゴマークができました。佐藤卓✕糸井重里対談
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