『細川家の至宝』編

最終回 ねえ、どれがいちばんよかった?
シェフ
これでいちおう、ひととおりですね。
シノダ
はい、駆け足でしたけど、展覧会をひととおり。
やえ
何度も言っちゃいますけど、
やっぱり音声ガイドがよかったですよね。
モギ
解説を聞けば聞くほど、
知れば知るほど、そこにある展示品の‥‥。
シノダ
味わいが増す。
山下
会場に貼ってある解説も、
ちゃんと読んだほうがいいです。
やまかわ
ぜんぶで2時間くらいたのしめますよね。
シェフ
濃密な2時間を。
モギ
あとね、図録。図録も買ったほうがいい!
これが2500円っていうのは驚異だよ。
シェフ
本を作ったことがある人ならわかりますが、
このクオリティで、ありえない価格です。
モギ
かなり読み応えもあるんですよ、これ。
家に帰ってからじっくり読めば、
ああ、あれはそういう物だったのか‥‥
と、さらにたのしめる。
山下
そんな感じでたっぷり楽しんで、
どれがいちばんよかったですか?
やえ
え、いちばんを決める?
モギ
あたしね、
さっき遠慮して言わなかったんだけど、
実はこれがいちばん好きだった。
銀人立像
中国河南省洛陽金村出土
中国河南省洛陽金村出土
中国 戦国時代 前5~前3世紀
東京 永青文庫蔵
やまかわ
あ、これかわいかった。
第二部にあったやつですよね。
モギ
そう。たたずまいがかわいいの。
シェフ
いちばんは、なんだろう‥‥。
やっぱり能面かな。
価値観が変わったのは能面なんです。
能面 翁
室町時代 15世紀
東京 永青文庫蔵
シノダ
すごい存在感でした。
山下
ぼくはあれです、
第二部がはじまってからの絵。
シェフ
白隠。
蓮池観音像 白陰慧鶴筆
江戸時代 明和4年(1767)
東京 永青文庫蔵
山下
じわじわとおもしろくて。
みっちゃんはどうですか?
やまかわ
わたしは、懐中日記が。
懐中日記 江戸時代
宝暦11年(1761)~天明5年(1785)
東京 永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
シェフ
あれ、よかったよね。
すてきな文房具って感じで。
やまかわ
グッときました。
シノダ
わたしは‥‥ほんとに困っちゃうんだけど、
鎧かな‥‥。
黒糸威二枚胴具足 細川忠興(三斎)所有
安土桃山時代 16世紀
東京 永青文庫蔵
シェフ
解説もおもしろかったし。
シノダ
馬具もあったじゃないですか、近くに。

時雨螺鈿鞍
鎌倉時代 13世紀
東京 永青文庫蔵
やまかわ
鞍(くら)ですね。
やえ
シノダさん、この鞍をみながら
「うちのより大きい」
ってつぶやいていました。
山下
うちのより?(笑)
モギ
あるんだ、鞍が(笑)。
シノダ
いや(笑)、あと兜もね、うちにある兜‥‥。
シェフ
うちに兜がある?
山下
あ、うちにもありますよ。
シェフ
あなたの話は聞いてません。
山下
五月人形の兜。
プラスチックでオルゴールもついてます。
シェフ
そういうのじゃないの。
シノダ
兜はね、ちっちゃいんです。
私くらいでけっこうキツい。
やまかわ
かぶったんですね(笑)。
シノダ
いまの標準的な男性には入んない。
山下
ちっちゃかったんですね、昔の日本人は。
シノダ
能の衣装とかああいうのもぜんぶ、私サイズ。
シェフ
‥‥能衣装がある家(笑)。
それも、着てみた?
シノダ
着てみた。
高校の演劇会で使っていいかって親に聞いたら、
ダメって言われました。
シェフ
そ、それはダメでしょう。
山下
やえさんは? なにがいちばんでした?
やえ
わたしは‥‥
自分の物を見る目がいちばん変わったのは、
唐三彩ですね。

三彩宝相華文三足盤
中国 唐時代 7~8世紀
東京 永青文庫蔵
やえ
今まで見てたのは何なの? みたいな。
シェフ
なるほどー、
やっぱりそれぞれが沸いたやつだね。
山下
あと、ぼくは第一部よりも
第二部のほうがおもしろかったかな。
モギ
あたしは第一部のほうが好きだった。
シノダ
わたしも断然、第一部です。
圧倒的に第一部。
モギ
「歴史好き」にとっては、
第一部なんでしょうね、きっと。
山下
ぼくは第二部に入って、フッと楽になった。
モギ
そうそう、明るい感じ。
山下
近代のものが多いから、
今につながる親しみやすさを感じたし。
シェフ
今につながると楽なんだね。
息ができるんだね。
山下
うん。
シノダ
なるほどね~。
モギ
おもしろかったなあ。
両方の雰囲気がぜんぜん違うので。
シェフ
ほんと、そうでした。
シノダさん、最後になにかいかがです?
シノダ
わたし?
シェフ
はい、せっかくですので。
シノダ
ええと‥‥そうですね、
細川さんのお話をうかがったり
この展覧会をみていて思ったのが、
細川家というのは
いわゆる権力みたいなものから
遠いところで脈々と続いてきた
おうちなんだなあ、ということです。
たとえば江戸時代だったら
徳川家に近いところで
徳川家に反するようなことはやっぱり言えない。
そういう権力から、
細川家はわりと自由だったんだと思いました。
山下
江戸から遠いですもんね、熊本。
シノダ
うん。
だから、筋の通ったことをちゃんと言える
家風になっていったのかな?って。
こうやって数々の宝物を
集めて記録し続けるって、自由ですよね。
モギ
うん。
名家であるっていうことと、
遠くにいるっていうことと、
害をなさないということで、
細川家は物が言える立場にいながら、
わりと自由に振る舞えたんでしょうね。
シェフ
暴君じゃないし。
シノダ
うん。
やまかわ
熊本藩って、なんかいいですねー。
いいお殿様だったんですね。
山下
だって! あれですよ?
ぼくは中学のときに
一家で夜逃げしたんですけど
その夜逃げ先が、熊本だったんです。
モギ
でた、山下の夜逃げ話(笑)。
山下
そのとき、熊本の人たちが
どれだけやさしかったか‥‥。
火の国・熊本はすばらしい土地です!
シェフ
えー、山下の夜逃げ話にならないうちに、
感激団、このへんでおしまいにいたしましょう。
シノダ
みなさん、ぜひ足をお運びくださいねー。
モギ
音声ガイドをお忘れなくー。
山下
さ、最後にひとつだけ。
シェフ
なんですか、夜逃げ話はいいですよ、もう。
山下
展覧会場の下の売店の、
あんみつがおいしいので、こちらもぜひ!
やえ
そう、歩き疲れたところに甘いものが最高!
山下
あんみつをおいしくいただく
めがね姿のモギナオコちゃんと。

モギ
おい、山下、なにをする。
山下
やまかわみちこさんの写真でおわかれしまーす。

やまかわ
あーー、わーーーー!
山下
お疲れさまでしたー!
(おわりまーす)
2010-05-28-FRI

前へ

いままでの感激団。「細川家の至宝」編

今回の感激団メンバー
darling 山下 やえ
モギ シノダ やまかわ

東京国立博物館 特別展
『細川家の至宝』
-珠玉の永青文庫コレクション-
平成22年(2010)
4月20日~6月6日(日)
くわしくは、こちら

会期:平成22年(2010)4月20日(火)
          ~6月6日(日)
場所:東京国立博物館・平成館
    アクセスはこちら
時間:午前9時半~午後5時 
   金曜日は午後8時まで開館。
   土・日・祝日は午後6時まで。
   いずれも入館は閉館の30分前まで。
   毎週月曜日休館。
観覧料:こちらをご覧ください。



細川護煕さんと糸井重里の対談も ぜひ、あわせてお読みください。





いままでのほぼ日感激団
























鴨とアヒルのコインロッカー

メタルマクベス

五右衛門ロック

キサラギ

大徳川展

自虐の詩

クワイエットルームにようこそ

朧の森に棲む鬼