もくじ
第1回はじまりは大失恋 2017-12-05-Tue
第2回彼女に怒って帰られる 2017-12-05-Tue
第3回悲しいうちに書いとこう 2017-12-05-Tue
第4回歌詞にメッセージ性はない 2017-12-05-Tue
第5回そういう体質 2017-12-05-Tue
第6回失恋の対価 2017-12-05-Tue

16歳の老犬と暮らしています。
春夏秋冬、いつでも歩き回っています。

恋を、音楽にささげた人。

恋を、音楽にささげた人。

担当・中川

第5回 そういう体質

――
30代になると恋をしない人が増えてきませんか?
大久保
そうね。周りはほぼ結婚してるしね。
恋のこと書いてて「まだ言ってるのか」みたいなのはある。
――
そこに感化されたりする?
大久保
でも、「まだ言ってるのか」みたいなことを
否定的に言われることはないからなあ。
「まだそういう気持ちなんだ」っていう感じだから、
僕は僕で「僕はまだこんな気持ちでいれるよ」
ってプラスに捉えてるし。
そこで変わる感情はないかな。
――
じゃあまだまだ恋愛してるわけだ。
大久保
してるしてる。
――
すごい‥‥。
大久保
常にしてるよ、やっぱ。
――
常に恋してるっていう状態がわからない、単純に。
大久保
(笑)
そういう体質なんだと思う。
――
この仕事だからっていうんじゃなくて、
大久保くん自身がってこと?
大久保
うん。むしろだからこの仕事をやってるような。
それを生かせる仕事をしてるから
今だって自信持って話せてるけどさ。
それがなかったら恥ずかしくて話せんよ(笑)。
――
(笑)
ちなみに大人になって変化したものはありますか?
大久保
30代になって、表に見えるワードは「恋」でも、
歌ってることはそこだけじゃなくなってきてる。
恋を通して、季節のこととか、人の行き交いとか、
記憶のこととか‥‥。
――
そういう変化をしていくんだ。
大久保
なんかでも、
ずっと同じことを歌ってるから何か変えたい、
みたいな部分もあってだけどね。
だからって無理に変えたりはしないけどさ。
ただ、ずっと悲しみの中で書いてたけど、
今は悲しみを俯瞰して、
悲しんでる様子とかを書けるようになったとは思う。
――
同じこと歌ってる、というのは
失恋では毎回同じ感情になるってこと?
大久保
結局はね。
でも最初は「なんだこの辛さは!?」で書くけど
何度目かになってくると「またこれか」ってのもあるし。
「確かにこれは辛いけど、これくらい経ったら
立ち直るんだろうな」っていうのもわかるようにはなるし。
――
そういう俯瞰した目線って
血を流した状態で書くのとは真逆な気がするけど、
そこはそれでいいの?
大久保
いや、まずは辛いときに書いて、
落ち着いてきたら俯瞰して書いてっていう。
何回も出汁が取れるみたいになってきてる(笑)。

(つづきます)

第6回 失恋の対価