- ――
- 30代になると恋をしない人が増えてきませんか?
- 大久保
-
そうね。周りはほぼ結婚してるしね。
恋のこと書いてて「まだ言ってるのか」みたいなのはある。
- ――
- そこに感化されたりする?
- 大久保
-
でも、「まだ言ってるのか」みたいなことを
否定的に言われることはないからなあ。
「まだそういう気持ちなんだ」っていう感じだから、
僕は僕で「僕はまだこんな気持ちでいれるよ」
ってプラスに捉えてるし。
そこで変わる感情はないかな。
- ――
- じゃあまだまだ恋愛してるわけだ。
- 大久保
- してるしてる。
- ――
- すごい‥‥。
- 大久保
- 常にしてるよ、やっぱ。
- ――
- 常に恋してるっていう状態がわからない、単純に。
- 大久保
-
(笑)
そういう体質なんだと思う。
- ――
-
この仕事だからっていうんじゃなくて、
大久保くん自身がってこと?
- 大久保
-
うん。むしろだからこの仕事をやってるような。
それを生かせる仕事をしてるから
今だって自信持って話せてるけどさ。
それがなかったら恥ずかしくて話せんよ(笑)。
- ――
-
(笑)
ちなみに大人になって変化したものはありますか?
- 大久保
-
30代になって、表に見えるワードは「恋」でも、
歌ってることはそこだけじゃなくなってきてる。
恋を通して、季節のこととか、人の行き交いとか、
記憶のこととか‥‥。
- ――
- そういう変化をしていくんだ。
- 大久保
-
なんかでも、
ずっと同じことを歌ってるから何か変えたい、
みたいな部分もあってだけどね。
だからって無理に変えたりはしないけどさ。
ただ、ずっと悲しみの中で書いてたけど、
今は悲しみを俯瞰して、
悲しんでる様子とかを書けるようになったとは思う。
- ――
-
同じこと歌ってる、というのは
失恋では毎回同じ感情になるってこと?
- 大久保
-
結局はね。
でも最初は「なんだこの辛さは!?」で書くけど
何度目かになってくると「またこれか」ってのもあるし。
「確かにこれは辛いけど、これくらい経ったら
立ち直るんだろうな」っていうのもわかるようにはなるし。
- ――
-
そういう俯瞰した目線って
血を流した状態で書くのとは真逆な気がするけど、
そこはそれでいいの?
- 大久保
-
いや、まずは辛いときに書いて、
落ち着いてきたら俯瞰して書いてっていう。
何回も出汁が取れるみたいになってきてる(笑)。
(つづきます)