もくじ
第1回はじまりは大失恋 2017-12-05-Tue
第2回彼女に怒って帰られる 2017-12-05-Tue
第3回悲しいうちに書いとこう 2017-12-05-Tue
第4回歌詞にメッセージ性はない 2017-12-05-Tue
第5回そういう体質 2017-12-05-Tue
第6回失恋の対価 2017-12-05-Tue

16歳の老犬と暮らしています。
春夏秋冬、いつでも歩き回っています。

恋を、音楽にささげた人。

恋を、音楽にささげた人。

担当・中川

高校時代に知り合って20年、
ずーーーーーーーーーーーーっと
恋の歌を作り、歌い続ける友人がいます。

「アナ」というバンドで
作詞作曲、ボーカルを担当する
大久保潤也くん。

彼の書く恋の歌はだいたいが失恋ソング。
ですがそこに描かれる風景は
とてもきれいで、だけど切実で。
失恋ソングにもかかわらず、
世界が美しく見えてくる。
そんな不思議な魅力があります。

けれども実際問題、
20年もの間、恋の歌を生み出し続けるというのは
かなりすごいことなのではないか‥‥。
その曲たちはどこから生み出されたのか、
そもそも恋の歌をどうやって書いてるのか、
ネホリハホリ聞いてみました。

プロフィール
大久保 潤也さんのプロフィール

第1回 はじまりは大失恋

――
高校時代から20年来の付き合いですが、
今日初めて、大久保くんの生業である音楽の話、
しかも恋にまつわる音楽の話を聞こうと思います。
大久保
そういう話するの初めてかも。
――
恋にまつわる音楽の話?
大久保
うん。
――
それは楽しみ。
アナといえばラブソングだし。
大久保
でもあんまり「ラブソング」って思ったことないかも。
「喪失の歌」って感じ。
――
お、ちょっとそのあたりも聞かせてください。
でもまず聞きたいのは、
いつから恋の歌を書いているかということです。
大久保
もうね、初めて書いて以降、ずっと恋の歌。
――
初めてというのは?
大久保
初めてアナとしてオリジナルを書いたのが
高校1年生、16歳だから‥‥。
――
もう20年書き続けている!
大久保
うん。で、その最初が初めての大失恋で。
――
え? 大失恋をきっかけに書いたということ?
大久保
そう。
――
初めての大失恋で「曲書こう」とかよく思えたね!
大久保
(笑)
でも今聞かれて思ったけど、
そのときにすごい喪失感で
「なにかしないと消化できずに曲にした」
っていうのが根っこになってて、
そこからずっとそのやり方になってるのかも。
立ち直り方というか、悲しみ方というか。
――
原体験だ。
大久保
そうかも。
――
それで「喪失の歌」。
その大失恋で曲はどのくらい書いたんですか?
大久保
最初の曲を作ったのが16歳で
21、22歳くらいまでその子のこと書いてる。
――
引きずり続けてる!
大久保
そう。
――
その子とは復活せず?
大久保
一回復活した、高3のとき。
でも高校卒業して連絡が途切れて‥‥。
――
再びの失恋。
大久保
そう。でもその連絡が途切れたときに作った曲で
デビューした。
――
ウソみたいなドラマチック。
ちなみに復活したときはきっと
すごく嬉しかったと思うのだけど。
それで曲は?
大久保
作ってないね。

(つづきます)

第2回 彼女に怒って帰られる