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高校時代から20年来の付き合いですが、
今日初めて、大久保くんの生業である音楽の話、
しかも恋にまつわる音楽の話を聞こうと思います。
- 大久保
- そういう話するの初めてかも。
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- 恋にまつわる音楽の話?
- 大久保
- うん。
- ――
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それは楽しみ。
アナといえばラブソングだし。
- 大久保
-
でもあんまり「ラブソング」って思ったことないかも。
「喪失の歌」って感じ。
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お、ちょっとそのあたりも聞かせてください。
でもまず聞きたいのは、
いつから恋の歌を書いているかということです。
- 大久保
- もうね、初めて書いて以降、ずっと恋の歌。
- ――
- 初めてというのは?
- 大久保
-
初めてアナとしてオリジナルを書いたのが
高校1年生、16歳だから‥‥。
- ――
- もう20年書き続けている!
- 大久保
- うん。で、その最初が初めての大失恋で。
- ――
- え? 大失恋をきっかけに書いたということ?
- 大久保
- そう。
- ――
- 初めての大失恋で「曲書こう」とかよく思えたね!
- 大久保
-
(笑)
でも今聞かれて思ったけど、
そのときにすごい喪失感で
「なにかしないと消化できずに曲にした」
っていうのが根っこになってて、
そこからずっとそのやり方になってるのかも。
立ち直り方というか、悲しみ方というか。
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- 原体験だ。
- 大久保
- そうかも。
- ――
-
それで「喪失の歌」。
その大失恋で曲はどのくらい書いたんですか?
- 大久保
-
最初の曲を作ったのが16歳で
21、22歳くらいまでその子のこと書いてる。
- ――
- 引きずり続けてる!
- 大久保
- そう。
- ――
- その子とは復活せず?
- 大久保
-
一回復活した、高3のとき。
でも高校卒業して連絡が途切れて‥‥。
- ――
- 再びの失恋。
- 大久保
-
そう。でもその連絡が途切れたときに作った曲で
デビューした。
- ――
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ウソみたいなドラマチック。
ちなみに復活したときはきっと
すごく嬉しかったと思うのだけど。
それで曲は?
- 大久保
- 作ってないね。
(つづきます)