12月になりました。
矢野顕子さんが「さとがえるコンサート」のために
日本にやってくる時期です。
(「さとがえるコンサート2013」の日程は
 12月4日、6日、8日です。くわしくはここを
矢野さんの音楽には、
「たべものとどうぶつの登場回数が多い」と、
お気づきの方、いらっしゃると思います。
それとも、ほかの歌い手さんが、
たべものやどうぶつのことを
あまり歌わないことが、そういえば不思議な気も‥‥?
矢野さんのCD『エレファントホテル』に誘われるように
ここでたっぷり糸井重里と話します。
いつも心にある友、どうぶつたちのことを。

矢野顕子さんのオフィシャルサイトはこちらです。

もくじ

2013-12-02-MON

2013-12-03-TUE

2013-12-04-WED

2013-12-05-THU

2013-12-06-FRI

2013-12-07-SAT

2013-12-08-SUN

2013-12-09-MON
ひとつめのどうぶつ ヒヨコ
いやぁ、アッコちゃんさ。
なぁに。
あわただしい日々じゃん?
(笑)いきなりなんなの?
年末が近いと必ずなる。
いっつも、こうなっちゃう。
ま、なるね。
そんなときに、こういう方々のことを思うわけですよ。

そうですね。
こういう動物たちの生態を見て、
自分がこの方々だったらどうするか。
そういうことを考えます。
たとえば「自分がハゲコウだったらどうするか」。
今日この場に、ハゲコウはいませんけども、
どうするか。
そりゃあ、ぼくは考えたことがありますよ。
あるんだ(笑)。
とくにハゲコウには注目しています。
千葉の動物園にも見に行ったことがあるくらいです。
アフリカハゲコウ、動物園から
一度逃げたことがあるんだよ
そうなの?
うん。でも、こんなやつが街の中にいたって、
動物園にいるような鳥とはわからないでしょ?
そうよねぇ。ハゲコウは
頭に羽毛がないんだけど、それは
「頭部を死体につっこんだときにつく
 バクテリアを直射日光で消毒するのにも
 都合がいい」
ということらしいよ。
都合がいい(笑)。

都合なんだって。
動物はたいてい、都合だよね。
そうね。
そういうところにわたしたちは
感動するんだよなぁ。
そこで、今回はこうして、
「矢野が歌ったどうぶつたち」というテーマで
数回の対談にしてお届けすることにしました。
そうだったの(笑)?
で、まずは今日は、ヒヨコ。
ヒヨコ。
歌いました。
「夢のヒヨコ」です。
でも、私が書いたのではありません。

(「夢のヒヨコ」は
 『エレファントホテル』に入っている曲なので
 今回の「さとがえる」のための紹介VTRがあります。
 矢野さんちの、ねこのチーズも登場します)

ぼくが作詞です。あなたは歌いました。
これはフジテレビの「ポンキッキーズ」のために
作った歌でしたね。
ヒヨコについて、思うことはありますか?
鳥類はこれまで、ふれあう機会が
それほどなかったので、あまり思いません。
この「夢のヒヨコ」には
「3000万人コドモがいたら
 なんでもできそうなきがするよ」
という歌詞が出てきますが、
わたしはいつもそこを歌うと
ヒヨコがそんなにいたらすごいことになるな、
と思っています(笑)。
そりゃ、まっきいろだね。
うん。数がいる強み。
ヒヨコにはそういうところがあるよね。
ぼくがこの「夢のヒヨコ」を書いたヒントには
じつは、谷川俊太郎さんの詩があるんです。
小学生たちがおしゃべりしてる詩なんですけれども、
その詩の中に、ヒヨコという言葉が
あったかないか、わからない。
子どもって、ヒヨコっぽいね。
うん。
谷川さんの詩から連想して、
小学生といえばヒヨコ。
「ポンキッキーズ」を見る人たちのことを思って
書きました。
ときどき、大人になった若者が
「あれ、好きだったです」とか
言ってくれるのがうれしいです。
アッコちゃんは、
どうぶつとか宇宙に関することには
たいてい興味があるよね。
ある。
だいたい、それで1日をすごしています。
小学生の男の子みたいだよね。
なんでみんなは、宇宙とかどうぶつとか、
アリンコの生態とかに興味がないの?
「不思議だなぁ」なんて、
わたしはとっても感心するんだけど。

とくに女の子は、そんなことより
人間関係に興味が行っちゃうんじゃないかな。
「好きかしら」「どう思ってるかしら」
「いけずだわ」とかね(笑)。
アッコちゃんは、人間関係に
興味がないんじゃない?
そんなことはない。
人間も好きなんだけど、
どうぶつがもっている魅力のほうが、
勝る‥‥っていうか。
だって、どうぶつは毎日のことが
直接「生死」に関係するでしょう。
そういうなかで、みなさん健気に、
いや、本人たちは
健気だなんて思ってないけど。
そうそう。
ただただ、まじめにね。
まじめに生きてる。
「ゆかいないきもの」とか
「へんなかたち」とか
わたしたちは勝手にカテゴリーをつけてしまうけど
本人たちはぜんぜん
へんとかゆかいとか思わずに、まじめに。
「どこがおもしろいんだよ?」と思ってる。
彼らからしたら
わたしたちのほうがよっぽどゆかいでしょう。
(明日につづきます)
イラストレーション:東久世
写真:松本昇大
2013-12-02-MON
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2013年12月4日(水)名古屋市芸術創造センター
2013年12月6日(金)NHK大阪ホール
2013年12月8日(日)NHKホール(東京)

矢野顕子さんが年に一度開催している
日本への里帰りコンサート「さとがえる」は、
今年、名曲ぞろいのアルバム『エレファントホテル』を
(糸井重里も詞3曲書いています)
音楽ユニットMATOKKUとともに
全曲演奏するというテーマにいどみます。
貴重な機会です。
ぜひみなさん、いっしょに行きましょう。
東京では、奥田民生さんがゲストです
(託児所もありますよ)。
コンサートのくわしい情報は、こちらをごらんください。

矢野顕子さんによる
「エレファントホテル」の全曲紹介が
動画で配信されています。
こちらからどうぞ!

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