アイコン
山田真哉の「みんなの、これから」
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(100万部突破)の
著者、山田真哉さんは、公認会計士、29歳。
しかも専門分野は会社法。
山田さんの考える、これからの会社とは、日本とは?
これからのことについて、
たくさんお話をおうかがいしてきました。
意外な素顔も、チラホラ見えます。

※聞き手は「ほぼ日」菅野が担当します。
プロフィール
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回
第10回 いちばんになれるときを逃さない。
   
── 山田さんは
8月にLLPを設立されて、
第1号を取られましたね。
※LLPとは、
 リミテッド・ライアビリティー・パートナーシップの略で、
 有限責任事業組合のこと。
 2005年8月1日に民法組合の特例として施行された制度。
 企業や専門家の共同事業向きとされる。
 くわしくは、経済産業省のこちらのサイト
 ごらんください。
山田 一番をとるというのは、
ビジネスの王道ですからね。
一番手、最大手、第1号、を
取れるチャンスがあるなら、
取ったほうがいいんです。
── 「とりあえず」でいいから。
山田 ええ。「取っておこう!」でいいんです。
どうなるかは後で考えればいい。
「ほぼ日」は、
ネット新聞界ではナンバー1、
最大手でしょう。
ネット界にメジャー級のコンテンツを出した
最初のメディアでもありますし。
── 時期は早かったかもしれませんね。
山田 すごく有名で、
媒体としての箱をちゃんとつくっていて、
だいたい、楽しそうですよ。
職場が楽しそうだというのがいいですね。
── ありがとうございます。
山田さんは、これからの日本が
どういうふうになっていけばいいと思われますか?
山田 このまま行けばいいんじゃないでしょうか。
もっとよくなろうとか、
いまの状態が悪いから一回清算して
新しいものをつくろうという考えが
人間の本能としてあると思うんですが、
いまの日本の世のなかがそんなに悪いとは
僕は思っていないんです。
職業選択の自由があって、
言論の自由があって、戦争がなくて。
このままいけばいいな、と思います。
── 日本、けっこううまいことやってるじゃん、と。
山田 そうそう。
貧富の差も、それほど激しいわけではないし。
リセットしなきゃいけないほど
いまの時代はそんなに
ダメだとは思わないです。
── これからも、紆余曲折しながらも、
おおむねよくなっていくといいですね。
山田さんは、起業家としては、
とりわけ堅実な道を
歩んでいらっしゃるようなかんじがします。
山田 もともと経営者をやりたくて
やってるんですけれども、
僕はすごく堅実です。
僕くらいの業務規模では、
従業員が2〜3人いないと変なんですよ。
でもいまは、僕と妻だけでまわしています。
アルバイトもいますが、学生アルバイトで、
時給1500円ですごく優秀な人を集め、
1人で3人分くらい
働いてもらっています(笑)。

でも、僕がめざしたいのは、
糸井重里事務所みたいなところですね。
そういう会計事務所をつくりたいです、
起業家としては。
── どういう部分でそう思われるんですか?
山田 やっぱり、
「利益を生み出すということに囚われずに
 利益を生み出す」が、理想です。
正直な話、
利益を生み出そうと思って生み出すのは、
誰でもできるんですよ。
でも、思わずに利益を出すというのは、
ある種、達人の技ですからね。

それはやっぱりトップの力量ですよね。
トップひとりがちがうだけで、
まったく変わりますからね。
それは大企業であってもそうです。
── 「ほぼ日」にいて、
世のなかの価値のようなものが
少しだけ変わっていっているのかもしれない、
ということを感じることは、あります。
山田 企業が社会に対して
いろんな働きかけをするのも、流行ですから、
「うちのコミットメントは社会のために
 こういう動きを‥‥」
などと、たくさん目標を
あげたりする会社も多いです。
けれども、それもどうなのかな、と
思ったりします。
時代が変われば、そういうことも
変わっていくべきものでしょうし。

自由に動いて、利益を生み出して、
それが何かしら社会のために役立ってるという
糸井重里事務所はすごく理想ですね。

では、ビル・ゲイツになりたい方3名に、
『図解 山田真哉の 結構使える!
 つまみ食い「新会社法」』

をプレゼントしましょう。
── みなさん、いま、ビルになれるときですよ。
山田 はやいうちにはじめればはじめるほど、
お金は増えていきますから、
はやめに読んでくださいね。

じゃ、サインを入れますね。
ええと、「ほぼ日」と書いたほうがいいですね。
あれ? 「ほ」ってこれでいいんだっけ?

── ひらがなが、
書けなくなってますか?
山田 たまにないですか?
── 漢字はありますが、ひらがなはあんまり‥‥。
ほんとうに、今日はたくさん勉強になりました。
ありがとうございました。
(おしまい)

これで、今回の山田真哉さんのお話は終わります。
ご愛読ほんとうにありがとうございました。
このページのご感想や
山田さんへのメッセージを
ぜひpostman@1101.comまでお送りください。

◆おたよりコーナー◆

みなさまからいただいた
山田真哉さんへのメッセージをご紹介します!


 礼を承知で申し上げますが、
 「数字を扱っている人が、
  こんなにもわかりやすく色々なことを
  説明できるなんてすごい!」
 というのが、率直な感想です。
 私自身、経理を担当しており、
 社員へいかにわかりやすく“数字”なるものや、
 それと関係する“会社の姿”というものを
 伝えようかと悩みます。
 山田さんのおっしゃることは、
 本当にわかりやすくて、
 それでいてかつその方はとっても賢い
 公認会計士であるというのだから。。。
 私もがんばって前進して行きたいです。
 (T)

 ほぼ日のデリバリー版で
 「29歳の公認会計士」っていうのを見て
 「え?あの『さおだけ屋』人ってそんな若いの???」
 という好奇心だけで連載を読み始めました。
 弟と同い年‥‥。
 本当に面白かったです。びっくりです。
 早速手始めに『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を
 読もうと思いました。
 (サエコ)

 田さんの「さおだけ屋」
 ずっと気になってました。
 公認会計士さんというと石橋を叩いてわたるような
 堅実な方というイメージだったのですが、
 山田さんの就職後すぐにその会社を辞めたという
 エピソードを読んで
 「え?マジで?」と拍子抜けしました(笑)
 でもその後の自分のやりたいことを
 するための分析力や行動力が素晴しいなと思います。
 (m)


 田さんの本は、女子大生会計士を二巻まで
 →さおだけ屋、と読んだのですが
 非常に面白く、財務会計の勉強に対する
 モチベーションアップに繋がって、
 とても役になってます。
 こういう本を通して、「お金」を意識して
 生活していく人が増えると面白いなぁと思っています。
 (t)

 年4月に就職することが決まっている大学生です。
 この連載を読んでいて、
 社会人になってから受け取ってゆくであろうお給料を、
 一体どのように使ってゆけばよいのやら‥‥と
 ちょっと不安になってしまいました。
 それにしても、山田さんのスパッとした話口には
 清々しささえ感じます。
 言葉だけを見ると、かなりグサグサと
 刺さってくるように感じるのですが、
 その一つ一つが的を得ていてブレがないので、
 なんだか「あっぱれ!」なのです。
 (N)




表紙写真山田真哉さん著の
『図解 山田真哉の 結構使える!
 つまみ食い「新会社法」』

直筆サイン本プレゼントに
当選されたみなさんを発表します。

伊藤さま
山川さま
会計士のタマゴさま

以上の3名さまが当選されました。
おめでとうございます!!

来年施行される会社設立のための法律を
やさしくわかりやすくまとめたこの新著、
ぜひ、書店などでお手に取ってみてくださいね。



2005-10-05-WED
前へ
   
いままでの「みんなの、これから」
2005-09-21 第1回 震災以降は、どうしても急いでしまうんです。
2005-09-22 第2回 自分で見切りをつけたからには。
2005-09-26 第3回 さおだけ屋も、国も、同じ。
2005-09-27 第4回 1年で使ったお金は1万円。
2005-09-28 第5回 お金はあるだけで増えていく。
2005-09-29 第6回 年収の3年ぶんの貯金がありますか。
2005-09-30 第7回 がんばってお金を使っても。
2005-10-03 第8回 ビル・ゲイツを探すための網を張る。
2005-10-04 第9回 その夢を叶えたいのなら。
感想のメールははこちらから!ほぼ日のホームへ友だちにこのページを知らせる
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved.