さよならは、こんなふうに。 さよならは、こんなふうに。
昨年連載した
訪問診療医の小堀鷗一郎さんと糸井重里の対談に、
大きな反響がありました。
あの対談がきっかけとなって、
ふたりはさらに対話を重ね、
その内容が一冊の本になることも決まりました。



小堀鷗一郎先生は、
死に正解はないとおっしゃいます。
糸井重里は、
死を考えることは生を考えることと言います。



みずからの死、身近な人の死にたいして、
みなさんはどう思っていますか。
のぞみは、ありますか。
知りたいです。
みなさんのこれまでの経験や考えていることを募って
ご紹介していくコンテンツを開きます。
どうぞお寄せください。
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illustration:綱田康平
010 父の背中を越す日は来そうにありません。
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69歳の父は急性骨髄性白血病で
発覚から1ヶ月半の短期間で
病院で息を引き取りました。



父の去り際は一言で言うとあざやかでした。
母は約20年前に亡くなっていたので
ひとり暮らしが長かったのですが、
自分の最期を悟ってから
庭木の世話から配置薬の解約まで全て自分で手配。



「母の23回忌を一年前倒しでやろう」といい、
長男である弟に引き継ぎながら準備をしました。



外出時にご住職に、ことの次第を伝えて、
亡くなったらどうすればいいか書いたメモをこさえて
私に渡してくれました。
事態が急変したため、
急遽母の法事をキャンセルしましたが、
結果、母の法事を予定していた日が
父の葬儀になりました。
葬儀の規模、呼ぶ人はすべて事前の打ち合わせどおり。



「がんばりたくない、
抗わずに死にたい。
でも、がんばっちゃったらごめんね」
なんて言っていた父。
ほんとうに抗わずにあっという間に
母のいる世界に行きました。



「もっと迷惑かけてくれていいのに」って
いまだに思いますが、
あの父の背中を越す日は来そうにありません。



(ゆっく)
2020-11-16-MON
小堀鷗一郎さんと糸井重里の対話が本になります。


「死とちゃんと手をつなげたら、
今を生きることにつながる。」
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『いつか来る死』
小堀鷗一郎 糸井重里 著

幡野広志 写真

名久井直子 ブックデザイン

崎谷実穂 構成

マガジンハウス 発行

2020年11月12日発売


発行を記念して、
オンラインのトークイベントを行います。



日時:11/25(水)19:00

全国の紀伊國屋書店と紀伊國屋WEBで
『いつか来る死』を
ご購入くださった方に
お申し込みいただけます。
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申込方法や期間など、
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