Hobonichi Striped-T Institute

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いよいよこれから、
「原点のボーダーシャツ」をつくりはじめます。


まずは、生地です。
ボーダー柄というのは、
無地の反物を染めてつくるわけにいかないので、
まずはオリジナルのボーダー生地を、
編み立てる必要があるんです。


でも、一口にボーダーといっても、
全体に縞が入っている「総ボーダー」なのか、
それとも上下に余白がある「パネルボーダー」なのか、
また、縞の太さや、縞と縞の間隔(ピッチ)によっても、
ずいぶん印象が変わってきますよね。


井伊さん、「原点のボーダーシャツ」は、
どんなボーダー柄がいいですか?


「尾崎さんに見せてもらった
 ヴィンテージボーダーをベースにしたいので、
 それとおなじ『パネルボーダー』がいいですね」


これですね。



では、ピッチはいかがですか?


「オーバーサイズで着てもらいたいので、
 なんとなく、ゆったりとした幅が合う気がするけれど、
 ちょっといろいろ試してみたいですね。」


そこで、基準として、
「原点のボーダーシャツ」のヒントになった
ヴィンテージの「オーシバル」の縞の幅を測ってみました。


縞が8mm、白地が18mm。


これを基準にして、
パソコン上でつくったボーダーをプリントアウトし、
からだにあてて、実際に目で見ながら
微調整をしていきます。


「ピッチを、もっと広くしてみましょうか」と、井伊さん。



こちらは縞:地が、8mm:24mm。


こちらは、9mm:20mmです。


井伊さん、縞の部分は、ほんの1mmちがうだけなのですが
けっこう雰囲気がちがいますね。


「ほんとですね。意外にちがいますね。」


こんなふうにして、
1mm単位の調整を重ねること、約1時間。
自信のある声で、井伊さんが言いました。


「うん、これがいいと思います。」



井伊さんがえらんだボーダーのピッチは、
9mm:22mmでした。


白地の部分が広くて、ゆったりとした印象。
でも、縞の部分はそんなに太くないので、
甘すぎず、おとなっぽい感じです。
実際にかたちになったときが、今からたのしみです。

配色の候補を決める。

生地を編むためには、
ボーダーの配色も決める必要があります。


この段階では、まずは使ってみたい色を、
ピックアップします。


井伊さんがえらんだ6色は‥‥。



・フレンチブルー(2色)
・明るいブルー
・濃紺
・チャコールグレー
・黒(見本なし)
・白(見本なし)


これら6色について、まずは試験的に糸を染色します。
(これを、ビーカーテストといいます)
「ほぼ日」の服づくりでも、いつもやることですが、
なかなか思った通りの色に染まらなかったりして、
もどかしいんですよねー。


特に、今回ぜひチャレンジしたい「フレンチブルー」は、
「やや赤みがかった紺」ということで、
赤すぎると「紫」に、
青すぎると「ふつうの紺」になってしまいます。
そんなわけで、念のため、2つの色を選んでいます。
いい塩梅の色が出ますように!
染色した結果が出るのは少し先なので、
また、ご報告しますね。


さて、生地を編むには、もう1つ、
どんな糸をつかうのか、
つまり、素材を決めなければなりません。
次回は、「原点のボーダーシャツ」につかう
素材選びをレポートいたします!

井伊 百合子(いい・ゆりこ)

スタイリスト。
東京生まれ。
2004年文化服装学院アパレルデザイン科
メンズデザインコース卒業。
在学中よりスタイリスト ソニア パーク氏に師事。
2008年独立。
現在、「GINZA」や「装苑」などの雑誌や広告等、
幅広い媒体で活躍する人気スタイリスト。
「実際に使える」ことが、しっかりと考えられている、
ナチュラルで上品なスタイリングを得意としている。

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