日常に溶け込み、さりげないのに存在感がある服。
どんなスタイルと合わせても違和感なく、
主役のアイテムを引き立ててくれる服。
そう、Yoliの服は、名脇役。
いままで、あるようでなかった、
あたらしい役割の服です。
このブランドを立ち上げたのは、
菊地春香さんという女性。
そこに、「ほぼ日」でもいつもお世話になっている
スタイリストの髙品逸実さんが参加して、
服づくりを始めました。
おふたりの出会い、
そしてブランドの立ち上げ、服づくりのことなど、
たっぷりお話を聞きました。
>菊地春香さん プロフィール
>髙品逸実さん プロフィール
[前編]出発点は
「いいインナー、ないかな」。
- ――
- 「Yoli」は、2021年に立ち上げた
ブランドですね。
そもそも、おふたりのお付き合いは、
どんなふうに始まったんですか?
- 髙品
- 私がスタイリストのアシスタント時代に、
菊地さんが勤めていたお店に、
よく、リースに行っていたんです。
何年ぐらい前かな? 10年くらい?
- 菊地
- そう、10年くらい前かな。
- 髙品
- 個人的にもお店によく行っていて、
ちょっとお話するようになって、
そこからごはんを食べに行ったりとか。
- ――
- おふたりでやってみよう、というのは、
どんなところから?
- 菊地
- そもそもは、私なんです。
主人が、小さなヘアサロンをやっているんですね。
そこで、ご縁があった方のつくられてるものとか、
ケアにまつわるものを取り扱っていたんです。
私はそこを手伝っていたんですけど、
どうしてもインナー系をやりたかったんです。
でも、男性が店主のヘアサロンで
インナーを売るのは、
あまりしっくりこなくて、
「う~ん」って言ってたんです。
- ――
- 最初は、インナー。
内側に着るもの、だったんですね。
どうしてインナーを?
- 菊地
- やっぱりね、服が好きなんですよ。ふふふ。
前の職場で扱ってた服って、
パッと見てかわいいと思う、
1枚で着たらすごくハッピーになるような、
ドレスとかワンピースが多かったんですね。
いわゆる主役の服。
だけど、それに合わせるものっていうのが、
いつも安定しなかったんです。
販売を経験してて思ったんですけど、
本当に、一人ひとり、違うんですよ。
体形も違えば、持っている服も違うし、
感覚も違うから、
たとえば、あるワンピースを
同じようにかわいいと思って買っても、
人それぞれ、着方は違う。
でも、そのなかで、
「こういう服に合わせる、
ちょっと中に着るものが欲しい」って
探してるお客さまがすごく多かったんです。
- ――
- ああ、実際にお客さまが。
- 菊地
- そうなんです。
「インナー、入れないの?」って。
だからその頃から、いつも探してましたね。
「いいインナーないかな、いいのないかな」って。
みんなが買いやすくて、いいインナーって、
ずっと探してはいるけど、なかなかなくて。
だったら、もう、オリジナルを
つくったらいんじゃないかっていうところから、
はじまったような感じですね。
ただ、ものづくりって簡単なことではないですし、
ちょうどそのとき、私自身が、
子育て中心の生活だったこともあって、
どうしてもできない範囲がすごく多くて、
そういうことを彼女に話して、
「ちょっと手伝ってもらえないか」っていうところから、
はじまった感じでした。
シンプルブラウス(アイボリー・1) 12,100円(税込)
シルクパンツ(ホワイト・2) 30,800円(税込)
シルクラップスカート(ホワイト・2) 36,300円(税込)
- ――
- そういうお話を菊地さんから聞いたとき、
髙品さんは、どう感じたんですか?
- 髙品
- 菊地さんとは長い付き合いですし、
たぶん、一緒にやったら
おもしろいことができるんじゃないかな、と。
それからスタイリスト業にも
いい影響が生まれるんじゃないかなと思って、
私が関われるところで
お手伝いさせていただくことになりました。
どんな服にも合う、名脇役に。
- ――
- 今、Yoliのラインナップは
インナーに限らず、ですよね。
服づくりは、どんなふうに進めているんですか?
- 髙品
- 基本はふたりで相談をして、
すり合わせてっていう感じです。
- 菊地
- 話していると、
「こういうワンピースに合わせて、
こんなパンツが履きたいよね」
みたいなワードがよく出てくるんですよ。
- 髙品
- そうですね。
- 菊地
- いろんな服が着たいけれど、
服も、それを着る人も、それぞれ個性が違うから、
どんな方の生活にもストンと溶け込むような、
そんな服が欲しかったっていうところはありますね。
そういう意味で、私たちの間では
「二番手の服」って、ずっと言ってるんです。
シンプルブラウス(ブラック・1) 12,100円(税込)
シルクパンツ(ブラック・2) 30,800円(税込)
シルクラップスカート(ブラック・1) 36,300円(税込)
- ――
- 主役の服があって、それを支える存在‥‥。
どんな主役でも引き立ててくれそうですね。
- 菊地
- きっかけはインナーでしたけど、
1枚で着ても、どう着ても自由っていう
そういうアイテムが多くなりました。
でもやっぱり、何かに合わせるものとして
考えてるような気がしますね。
- ――
- 「ほぼ日」の社内でも、何人か着ていて、
下に着ているのがチラッと見えたときとかに、
「あ、かわいい」って気がつくんです。
しかも、その人がいつも着ている服が、
ぐっと格を上げたように見えるんですよね。
生き生きしてたり、すこし色気があったり。
実際に着てみると、肌触りもよくて、
なんだかすこし優雅な気分にもなって。
おのずと所作もきれいになるような。
そんな服ってなかなかないなあと思います。
(つづきます)
2022-07-11-MON