HOBONICHIつきのみせ。
惠谷太香子さん
01

はだかでいるよりも
気持ちいい下着をつくりたい。
惠谷太香子さんのお話(前編)

生理の日も、そうじゃない日も
気分よく過ごしたい。
心地よいものを身につけるだけで、
ずいぶんと身体も気分も
ラクになるような気がします。
毎日を気分よく過ごすための
アイデアをたっぷりつめこんだ、
「つきのみせ」をはじめます。
オリジナルのブラやサニタリーショーツ、
締めつけのないリラックスウェア、
デリケートゾーンをケアするアイテムなど、
どんな日も一緒に過ごしたくなるような
アイテムをそろえました。

発売は、10月16日(金)午前11時。
ラインナップについてのくわしいお話を
ひとつずつ紹介していきます。

毎日を気分よく過ごすには、下着はとっても大事。
とくにサニタリーショーツは、
ウエストゴムや生地、防水布など、
こまかなつくりの違いで使用感が変わります。

わたしたちは、
どんなブラやサニタリーショーツがほしいんだろう?
まずはじめに思い浮かんだのは「心地よさ」。
着用感が気持ちいいものがほしいと思いました。
あとは、着ていて「うれしく」なるもの。
元気になれる、かわいいデザインもかかせません。
機能的にも、漏れやムレなど安心できるものがいい。
‥‥などなど、要望はつきません!

こうした要望を一緒に叶えてくださる方は、
惠谷太香子さんしかいないと思いました。
惠谷さんは「女性の一生をストレスフリーに」
というテーマで、下着をデザインされています。
その下着はとっても心地よく、
デザインもエレガントなんです。

惠谷太香子さん

惠谷さんは美術大学で染色を学んだのち、
ブライダルファッションデザイナーの桂由美さんに師事。
パリのオペラ座衣裳室で勤務した際に
基礎(ファンデーション)である「下着づくり」の
大切さを知ったそうです。
帰国した後、下着メーカーの商品開発を経験後、独立。
大手ファストファッションメーカーの下着部門の
立ち上げメンバーもつとめました。
現在は、日本の「オーガニック素材」の
先端をはしる豊島株式会社と組んだ
下着ブランド「cohan」や、
シルクの肌着ブランド「ma.to.wa」(マ・ト・ワ)
などのデザイン・開発に携わっています。
「白いシャツをめぐる旅。」
「weeksdays」など
たびたび「ほぼ日」でもご一緒しています。

「96年にフランスのライセンスで、
オーガニックコットン素材の
トータルブランドを立ち上げ、
ベビーやマタニティなど、
さまざまなシチュエーションに合わせた
下着を開発してきました。
いつか、女性がつらいときでも
気分が明るくなれる下着をつくりたいと、
思っていたんです!

目指したのは
『はだかでいるよりも、気持ちいい下着』。
寝具づくりで肌触りをチェックするために、
わたし自身、家では基本裸族。
でも、震災など突然の災害に備えると、
そうもいかなくなりました。
それで、はだかで過ごしていたときよりも、
もっと心地いい下着をつくりたいと思いました」

できあがったものは、まさに、
『はだかでいるよりも気持ちいい下着』。
肌当たりがやさしく、
よくのびる生地なので締めつけをあまり感じません。

生地の画像

「すべて、素材は
『TENCEL™ (日本語商標:テンセル™)繊維』(※)という、
天然繊維素分子を生かした、
精製セルロースを使用しました。
木材パルプからつくられる自然由来の繊維で、
環境にやさしいエコ製法でつくられています。
また、伸び縮みするポリウレタン糸を混合しており、
とっても伸びが良く、保湿性、吸湿性、速乾性
にも優れています。
洗濯を重ねても、
気持ちよく身体にフィットするようになります」

※TENCEL™及びテンセル™はLenzing AGの商標です。

シンプルだけど、
よく考えられたブラ

「生理の日はもちろん、ふだんもつけたくなる、
うれしいブラやショーツをお願いします!」
とむずかしい要望をお伝えしました。
完成したブラをみて、
「ファーストブラから出産、授乳、歳を重ねても
ずっと着られるブラになったと思います」と惠谷さん。
シンプルな見た目のブラですが、
こまかいところまでデザインがつきつめられています。

ブラ写真
▲つきのブラ ¥6,930 (税込)

「着心地が楽チンなのに、
胸の形がきれいにみえるものにしたくて
なんども改良を重ねました。

ノンワイヤーかつ生地もストレッチするので、
締めつけをあまり感じません。
でも、そうすると、
胸のお肉が背中に流れてしまいます。
バストの形をなるべくきれいにキープするために、
脇の両サイドにボーンを入れて
流れにくい構造にしました。
少し屈伸するボーンなので、カラダの動きにもなじみ、
身体にも食い込みにくくなっています。

ブラ写真

リラックス系の下着は
かぶるタイプのものが多いですが、
着ていると、伸びも気になってくる。
背中に2段3列のフックアイをつけることで、
伸びにくく、
アンダーバストの多少のサイズ調整も可能で、
長持ちしてきれいに着ることができます」

デザインもかわいらしく、
デコルテがキレイに魅えるように
胸元に色味がきれいなチュールをあしらって、
透け感を出しています。
色味はみんなで決めたもの。
色には心身のバランスを整える効果があると言われ、
ヨーロッパではカラーセラピーもメジャーです。

カラーラインナップ

「スモーキーなグリーンとグレイッシュなモーヴピンクの
組み合わせは、まさにトレンドカラー。
日本人の肌によくあいます。
ターコイズグリーンと華やかなピンクの組み合わせも
とってもきれいで、気分が明るくなると思います。
ベーシックカラーの黒とベージュはおさえつつ、
『赤色』はぜひ入れたい色でした。
東洋医学的に、丹田をあたためるには赤いものがいい、
と言われているのでぴったりの色ですよね」

量が多い人にも安心の、
スペシャルな防水布

ショーツはブラとおそろい。
オペラ座の衣裳室で学んだ
下着ファンデーションの立体設計パターンを生かし、
日本人の肌質、肉質を研究した惠谷さんのデザインは、
はき心地のよさを追求した
すばらしい立体パターンです。

ショーツ写真
ショーツ写真
▲ つきのショーツ【エヴリデイ】
¥3,630(税込)

「生理時期はむくみやすくなります。
そけい部のリンパ節の流れを滞らせないために、
前身の足繰りにはゴムを入れていません。
ウエストも一部にやわらかいゴムを入れて、
あとは生地のストレッチでお尻を包むような
デザインにしました。
ナプキンをしっかりホールドできて
快適に動ける立体構造になっています」

クロッチ部分の防水布は、じまんの素材。
日本にしかない技術でつくられたもので、
制菌効果、耐水性、通気性ともに
厳しい検査基準をクリアしています。

「デリケートゾーンは、
病気のことやニオイ、ムレなど
気になることがたくさんありますよね。
この防水布は、菌の増殖をおさえる
制菌加工がほどこされているため、
ニオイが軽減されます。
SEKという公的機関から
「オレンジ」の認証が取れています。
一般的な衣料品に施されている「青」よりは、
機能レベルがワンランク上の認証です。

また、防水加工の公的機関の検査データもかなり優秀で、
おりものや、すこしの尿もれが気になる日なら着用可能。
また、透湿性も高い数値が出ました。
防水性もあるのに、透湿性もある。
すごくおもしろい素材なんです」

ショーツ写真
▲(画像左)つきのショーツ【エヴリデイ】
¥3,630(税込)
(画像右)つきのショーツ【スペシャル】
¥3,960(税込)

ショーツは、
毎日穿きたくなる「エヴリデイ」(画像左)と
お腹周りをしっかり包む「スペシャル」(画像右)の
2種類を用意しました。
防水布が短い「エヴリディ」は、
生理ではないときにも日常的にはいていただけます。
とても気持ちのいい素材なので、
ふだんも快適に過ごせますよ。
「スペシャル」はおしりの後ろまで防水布をつけ、
量が多い人にも安心できるものにしました。
「気に入ったお布団なのに‥‥!」
というお悩みとも、オサラバ。
夜用ナプキンと組み合わせてぐっすり寝られそうです。

ショーツ写真

あえて白色の防水布を選んだのには、
おりものの色や量がいつもと違うときに、
気づきやすくするため。
おりものは「健康のバロメーター」とも言われます。
身体の変化に気づくことで、
体調管理に役立てていただきたいと願っています。
(くわしくは、後日のよみもので解説します!)

(次回は、ウェアのご紹介です。)