高知、仁淀川の源流域でつくりました。

によどヒノキウォーターができるまで。

7月27日(金)
午前11時販売開始
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「生活のたのしみ展」で大好評だった、
「によどヒノキウォーター」。
日本一の清流と言われる高知・仁淀川の源流域で
自生するお茶やハーブをつかって
和のハーブティーをつくっている
tretreの竹内太郎さんがみつけた、
“和のリネンウォーター”です。

じつはこのアイテム、
仁淀に暮らし、仁淀のひとたちと交流するなかで、
竹内さんが“発見”したもの。
山のヒノキと、山の水。
できあがるまでのいきさつを、
竹内さんにおききしました。

もくじ

後編じっくり2年をかけて。

まずは高知県立大学の協力で、
成分の分析をしました。
大きな化学メーカーで開発をずっと手がけられて、
有名な商品を世に送り出してきた
渡邊浩幸(ワタナベヒロユキ)先生というかたが、
教鞭をとられているんですが、
先生、最初とてもきびしくて、
いきなり、「やめときなよ」でした。
というのも、こういう商品は、
100人単位のチームが1つの製品にかかわって、
商品テストも何百回何千回もやるのだと。

ただ、渡邊先生がぼくらのお茶を
とても気に入ってくださって、
またぼくらもしつこくお願いした経緯もあって、
「あのお茶をつくってる竹内さんが言うんだから、
1回テストしてみようか」
とおっしゃってくださったんです。

そこで先生の紹介で、検査機関で調べてみたら、
最初から、このヒノキ蒸留水には消臭の力があると、
ガツンといい結果が出たんですね。
化学製品は、嫌なニオイを香りや成分で包み込む
マスキングっていう効果なんです。
でも、時間が経ったら、
臭いがもどる場合もある。
ところがヒノキ蒸留水は、
におい成分を分解するんだという結果が出たんですよ。
それにいちばんよろこんでくださったのは
渡邊先生でした。

でもそこから、先生のおっしゃる
「商品開発はたいへんだよ」という世界に入りました。
たとえばヒノキ蒸留水は、とりはじめて何時間かで
成分が変わっていくことがわかったので、
どの時間のものがベストかを
分光光度計と消臭試験データを
つきあわせながら調べました。

最初の数時間はオイルの時間で成分がことなり、
また、ある時間を超えると体感的に香りがわるくなる。
なので、
香りと消臭効果の安定している時間でとりましょう、
というようなことを決めていくんです。
さらにその検体を一定時間、煮沸するとか、
37℃で長期間おいておくとか、
加速試験と苛酷試験をやって、
同じ検体をまた光度計にかけていく。
そうして
「あ、これだったら大丈夫だね」
というものができたら、こんどは
たとえば2年経過したあとに力があるか、
香りがどうかっていう体感的な官能試験をする。

想定したのは、都会で真夏40℃以上になる
マンションの部屋でした。
その家に1年間あっても大丈夫と言いたい、
と考えたんですよ。
お買い求めいただいてから1年以内にお使いくださいと。
その前にお客様の購入まで、
1年間ぐらい余裕があったら十分やろうと。
そんな想定の上、テストを重ね、なんだかんだ
製品化までに2年かかりました。

それから、「によどヒノキウォーター」は
「消臭の力がありますよ」
ということをうたっていますが、
じつは、抗菌力といえるレベルの力もあった。
ただ、耐久試験でブレがでるんですね。
なので抗菌・滅菌・殺菌は言わないことにしています。
たぶんそれを言えるものにするまでには、
まだまだ何年もかかるんじゃないかと思います。
また、将来的には、アウトドアミストも研究中で、
虫除け効果についても体感的にはあるんですが、
きちんと試験結果をとっていきたいと思います。
そのときは、香りのバリエーションもふやしたいですね。

そして、この商品は、よぶんなものを入れていません。
ふつうは安定剤を入れるんです。
でも「によどヒノキウォーター」はケミカルフリー、
エタノールフリーです。
エタノールはアルコールのにおいが鼻につくし、
乳化剤も、自然由来のものがあるけれど、
色が濁ったりする。だから何も入れたくなかった。
そのかわり「よく振って、1年以内にお使いください」
と言うことにしたんです。

そうして発売にこぎつけたのが2017年の8月でした。
地元、高知県内の料理屋さん、宿泊施設、
介護施設、病院などに採用をしてもらいました。
個人のお客さまは、ペットのいるご家庭、
ちいさなお子さんのいるご家庭が多いという印象ですね。

「生活のたのしみ展」でも販売をさせてもらい、
とても好評をいただいたことで、
ぼくらもずいぶん自信がつきました。
ボトルの素材、デザイン、サイズ、
まだまだいろいろ考えていきたいことはありますし、
いまはまだ、ぼくらが手作業で
ボトルに詰めているようなつくりかたですから、
できる数に限りがありますが、
こうして販売ができること、
ぼくらもほんとうにうれしく思っています。