丸パン+あんずジャム or ベリージャム

- あれ、いってみませんか?
「ガーデンハウス クラフツ」の、丸パン。
合いそうだと思って買ってきたんです。

- わぁ、おいしそう。

- このパンはやりかたがあるんです。
切り目をいれて、硬いままのバターを、
大きいまま、チーズみたいに挟むんですよ。
で、あえて「適当に塗る」。
そうすると口のなかのバラツキができて、いいんです。


- あれ、でも、このお店らしく食べるなら、
切り方はナナメじゃない?
売ってるのはナナメだった気がする。

- あれ、どっちだっけ?
すみません、忘れてしまいました。
‥‥でもナナメはナナメで良いですよね。
水平よりも、いっぱい挟めるから。

- では、ここにあんずジャムをかけて‥‥(ぱくっ)。
うん、旨い。
だけどもっとジャムを増やしてもいいかも。
全粒粉で、小麦の味に主張があるんで。

- そうですね。
このパンだとジャムもバターも、
ガンガンにつけられる。


- たしかにすごく味が濃いですね。
ジャム、なみなみのほうがおいしいかも。

- なみなみで、かつ、バターも舌の上に
固まりが乗っかるのがわかるぐらいな感じだと
トロッとしていいですね。
これはベリーも合いそうだなあ。
試してみます‥‥(ぱくっ)おお、合う。
ここは個人的には、ベリーのほうが好きですね。
強さがある同士の組み合わせ。

- たしかに、ここのお店で挟んでいる中身も
インパクト多めのものが多いですもんね。
味の濃い丸パンには、ベリージャム、いいかもですね。
コーンブレッド+あんずジャム

- ちょっと変わったものを食べてみたくて、
池田さんが持ってきたコーンブレッドを
いってみたいです。


- あ、コーンブレッド。いいですね。

- ちょっとあぶるのがおすすめです。
バルミューダで焼いたら絶対旨いですよ。

- へえー! じゃあ焼きますね。

- でも、ちょっと焼かないままのものも
食べてみたいですね。
(ぱくり)‥‥あ、ジャムつけて食べたら、
ぜんぜん違うものになった。おいしい。


- この組み合わせ、すっごく良いですね。
自分で持ってきましたけど、すごく良い。

- ちょっとキャロットケーキっぽい。
ほろほろっと溶けるのもおいしくて。

- そして、口のなかでだんだん、
とうもろこしの個性が出てくるんですね。
そういうおもしろさもあるという。

- コーンブレッドって、こんなにおいしいんですね。
知らなかったです。

- やばいでしょ?

- そしてここはあんずがいいかな。
このあんずジャム、ほどよいですね。
弱すぎず、強すぎず。
‥‥だけど、どうして合うんだろう?

- 要はアフタヌーンティーの感じ?
午後の紅茶を、スコーンじゃなくて
あえてコーンブレッド+ジャムで
食べる感じだと思うんですよ。


- なるほどね。

- コーンブレッドって、
アメリカの家庭で作るパンなんですよね。
パン屋さんで買うというより、自分たちで作るもの。
だから、ほんとにみんな家で
ジャムとかつけて食べてたと思います。

- ‥‥そしてまた、すごくいい香りが
してきたじゃないですか。

- コーンブレッド、焼けました!

- では、いってみましょう。

- (ぱくり)おいしいです。ぜんぜん違う。
カリカリ感もでてきた。

- 焼きたて、ちょっとザクッとなりますね。
香りもすごいし。おいしい~。


- 焼くと、もっと口どけが早くなる感じですね。

- これで紅茶とかコーヒーとかを飲むと、
至福な感じがするなあ。

- こちらのコーンブレッドは、どちらのものですか?

- これは、パレスホテル東京にある
「スイーツ&デリ」という有名なお店です。
コーンブレッドが定番なんですよね。
おいしいですよね。

- ほんとにおいしいです。
コーンブレッド+ジャム、すごい。
スコーン+あんずジャム

- この流れで、スコーンにいくのはどうでしょう?
ちょっと焼いて。

- いいですね。焼きましょう。
(時間が経ち、いい香りがただよって‥‥)


- 良いんじゃない? 食べてみよう。
あんずジャム、のせちゃいますね。

- ‥‥うん、旨い。
コーンブレッドのあとだからかもしれないけど、
口の中でとけていく感じがする。

- そうですね。そしてこの組み合わせだと、
スコーンが甘く感じます。

- ほんとだ、甘い。

- あんずジャムが、スコーンを引き立ててますよね。
‥‥あと、こちらもやってみませんか?
ブルーベリーのスコーンに、ベリージャム。


- なんと同じ種族を。

- それすごいですね。どうなるんでしょう?

- 神をも畏れぬ贅沢ぶりですよ。
「もういいじゃん」っていう話ですよね。
キャラかぶりしてますからね。
1つの番組の中に、オネエ枠が3人いるみたいな。


- オネエ枠が3人(笑)。

- ‥‥では、いただきます。

- どうですか?

- あの、おいしいブルーベリースコーン‥‥
なんだけど、どっちのおいしさか
わからなくなっちゃう感じ(笑)。

- ふつうに旨いですね。旨いんだけど。
ただ‥‥感動はないかも(笑)。
それぞれ食べて、おいしい。

- だったら、あんずはどうですか?
ブルーベリースコーン+あんずジャム。
(ぱくり)‥‥うん、このほうが
「ちゃんと組み合わせた感じ」がある。


- そうですね。こっちのほうが
合わせた意味がありますね(笑)。

- あと、あんずのほうが小麦感を感じますね。
ここまででわかってきたのが、
「あんずはパンを立てる」。
自分の主張もしてるけど、
わりと透明感があって、レイヤーになるというか。
このサラッとした感じも良いんだと思うんですよ。

- ですね。そこ、ありますね。
トーストの焼き方2種類

- ちょっとやってみたいことがあるんです。
「軽く焼いたトースト」と
「長めにしっかり焼いたトースト」で
食べ比べてみたいという。


- おもしろそう。気になります。

- どちらも注意深く焼くだけですが、
バターは途中でとりだして塗ります。

- へえー、バターは途中なんですね。
(そして、池田さんの丁寧なトーストで、2種類のトーストが完成)

- ‥‥ミディアムレアと、ウェルダンです。


- では、いただきます。
じゃあまずウェルダンを。
(さくっ、さくっ)‥‥普通に旨いな。

- (さくさくさくっ)全然違いますね。
よく焼いたほうは、ラスクみたい。
ジャムがけのラスク。

- 表面がバターで揚げたみたいになって、
揚げパン風ですね。おいしい。
どうしてこんなに変わるんでしょう?


- 焦げないように注意しながら、
ふつうに時間を変えただけなんですが、
このバルミューダ、なかなか焦げないから、
いい感じに持っていけましたね。

- そしてこっちの軽く焼いたほうは、
小麦の味が、ふわっとしておいしい。

- 「プニュッと感」があると思うんですよ。
ジャムもよく合ってますね。

- ここに、黒コショウとかいいんじゃない?

- いいかも。やってみましょう。


- (ぱくり)‥‥わ、おいしい。
ジャムトーストにコショウだけでも、
こんなに印象が変わるんですね。

- ちょっとアクセントになりますよね。
だから、3口目ぐらいまではジャムだけで食べ、
そのあとコショウをかけるのもいいですよ。

- あと、ここにディルがありますけど、
これきっと、ママレードにあいますよ。
ママレード+ディル+トースト。
‥‥旨ーーい。
イタリアでよくやる組み合わせですね。

- これ、いいですね。
そしてめっちゃおしゃれじゃないですか。
「ほぼ日」のおしゃれ系読者さんにも
合うんじゃないですか?

- ほんとだ、おいしいー!
これ、めっちゃおいしいですね。

- うん、これもすごくおいしいです。
おすすめしたいものが、どんどん出てきます。
第2回のけつろん。
- ◎味の濃い丸パンに切り目を入れて、
バターとジャムをたっぷりはさむとおいしい。 - ◎コーンブレッド+あんずジャムは
すばらしい組み合わせ。
(トースターで焼くと、ざくっとしてまたおいしい) - ◎あんずの酸味はスコーンの甘みを引き立てる。
- ◎トーストは長く焼く、軽く焼くの2種類で
まったく違うたのしみかたができる。 - ◎あんずジャム+コショウ+トーストはおいしい。
- ◎ママレードジャム+ディル+トーストもおいしい。
(つづきます)
2016-08-20 SAT





