「夏にまとうタータンがほしい」
そんな気持ちで、デザインしました。
うんと大柄のタータンチェックを、
うすい綿の、大判のくびまきで織っています。
じつは、地の色は「まっしろ」ではなく、
ほんのりとスモーキーなグレー。
全体の印象に、夏らしい「ひんやり感」がうまれました。
じつは、このくびまき、
素材も、ひんやり、すべすべ、
ハリがあってするっとした感触です。
紗がかかったような透け感があって、
薄手のメンズのシャツのような光沢です。
夏むけのくびまきを織るにあたって考えたのは、
汗ばむような気温のなかでも、
ふんわり、さらりとした感触を保ちたい、
ということでした。
ですから、素材には、超長繊維綿である
「エジプト綿 GIZA88」を採用。
うんと細い糸を撚りあわせ
「80番双糸」にして使っています。
この糸は、もともと毛羽がすくなく、
なめらかな風合いが特徴なのですけれど、
特殊な紡績方法でさらに毛羽を少なく紡いだうえ、
(この手法で紡いだ糸を
「コンパクトヤーン」と言います。)
さらにこのコンパクトヤーンを
1本ずつ高速でガス火のなかを通して毛羽を焼きます。
こうして毛羽を一般的なコットン糸よりも
うんと少ない量まで、落としています。
大判で、ボリュームがあるのに、
びっくりするような軽さとしなやかさ。
ふんわり、さらり、そして「シャリ感」もある、
あたらしい綿のくびまきです。




