おいしい店とのつきあい方。

087 飲食店の新たな姿。そのその7
マクドナルドとスターバックスの変化。

静岡県のマクドナルドがテーブルデリバリーという
新しいシステムを実験しはじめたよ‥‥、
というのが先週の主題でした。
そしたらなんと。
東京都心でも、今までのマクドナルドと違った
仕組みのお店ができた。

たまたま歩いていた神田小川町に
できたばかりのマクドナルド。
店の雰囲気が今までのマクドナルドと違って見えて
入ってみました。
1階がキッチンに最小限の客席。
2階に大きな客席という
マクドナルドの都心の店として一般的な造りなのだけれど、
まずインテリアがすごくミニマム。
コンクリート打ちっぱなしの壁の奥に厨房。
厨房とっ客席の間を仕切るようにカウンター。
カウンターの上にはメニューが表示される
デジタルサイネージが吊り下げられてる。

このカウンターがちょっと独特。
真ん中が通路になっていて、2つに分かれているのです。
その片側は注文用。
左側のカウンターは商品をピックアップする専用と
役割分担がなされてる。
今まで、マクドナルドでは注文をしてお金を払うと
一旦、カウンターの端に待機して
商品が出来上がったら呼ばれて
注文した人から料理を受け取る。
注文する場所も商品を受け取るのも同じ場所というのが
マクドナルドがずっと守ってきた基本のスタイル。
長い歴史の中ではじめて、それを2つの場所にわけた。

商品のピックアップカウンターには
お店のスタッフが立っていて、
テイクアウト用の商品は袋に詰める。
イートインのものに関しては
トレイにのせてお客様に手渡すという作業をしてる。
その立ち位置が、カウンターの中‥‥、
つまり厨房側でなく客席側というのがちょっと変わってて、
なぜかというとお客様と会話をしながら
自然に仕事をしようとすれば
この立ち位置がいいからなんだというのです。
しかも、時間がかかるものに関しては
番号札を手渡し客席に座ってもらう。
商品はお店のスタッフがテーブルまでもってくるという、
ほんのちょっとだけだけどお客様よりのサービススタイル。

注文と提供する場所が区別されるだけで
次の時代を予感させます。
例えば注文を取るスタッフの代わりに
セルフオーダーレジをおいても自然なレイアウト。
海外ではすでに注文をとる人の代わりに
大きなタッチパネルのモニターに
商品の画像を映しだし、セルフオーダー。
決済もそこでやってしまうマクドナルドが次々出来てる。
先週説明したスマホでオーダー&スマホで決済も、
こういうレイアウトの店でこそ、
その本領を発揮するんじゃないかと思った。

人手不足の解消がこれからの飲食店の大きな課題。
今、当たり前のように使われている人手を
どこではしょって節約するのか。
その節約の場所と、節約の仕方によって
店の特徴が出てくるんだろうなぁ‥‥。
次はどこがこういう実験を始めるんだろうと思っていたら、
なんとスターバックスまで、新たな試みをはじめちゃった。

6月26日スタート。
都内56店舗がまずは対象。
モバイルオーダー&ペイというのがサービスの正式名称で、
スターバックスのアプリを通じて商品の注文、
決済が事前にできるというサービス。
注文したり決済したりするためにレジの前で
並ばなくてもすむようになるから利便性が高まるという。
カスタマイズも自由にできて、
注文すると待ち時間がアプリに表示されるから
完成時間に合わせにお店にくることもできていいね‥‥、
とスターバックスは言うけれど、
本当に待つのが嫌と思っているスターバックスファンて
そんなにいるんだろうか。
先行して同様のサービスを提供しているアメリカでは、
売り上げが増えたというコトらしいけど、
今日はどんなカスタマイズをしようかと
お店の人と相談するたのしみは
一体どこにいっちゃうんだろう。

ちなみにこのサービス。
今年中に300店舗に拡大し、
2020年内には全国展開を目指すともいう。

さて、飲食店におけるサービスって何?
ということを、来週もう一度考えてみようと思います。

2019-07-04-THU