おいしい店とのつきあい方。

047  食いしん坊的 外食産業との付き合い方。その12
ウェブで予約をするときは。

そういえば、昔、お店の予約はなるべく電話で‥‥
というようなことをお話したことがありました。
ウェブを通じてする予約は便利な予約。
けれどウェブではお店の様子を感じることが
むつかしいから、
なるべく電話で予約しましょう‥‥、
ってそういうことをいいました。

今でもそれは正しいコトと思ってる。
はじめてかけた電話の向こうの空気が明るく、
応対してくれた人の言葉遣いが丁寧だったりすると、
お店に行くのが待ち遠しくなる。
なじみの店に電話をかけて、
いつもの人がいつものように
ニコニコ声で答えてくれるとホッとするし、
何度も行ってるお店のムードが
ちょっと違ってしまっていると
ちょっと心配になったりもする。

電話はお店を遠くからのぞき見できる魔法の道具。

‥‥、だと思っているのだけれど、
最近、お店の事情がずいぶん当時と変わったんだなぁ‥‥、
と思わされるような経験をしました。


人気の焼肉屋さん。
隣のお店が撤退したのを機会に、その隣も契約。
壁を取り払ってお店の規模がほぼ2倍。
お店のスタッフも充実させて、
今までできていなかったサービスをしよう‥‥、
というコトになる。

ずっと予約を受けてなかったお店です。
だからいつもお店の前には行列ができ、
中には「予約ができるのならばもっと頻繁にこれるのにね」
という人もたくさんいた。
それが隣のお店を借りて、
改装費をかけてまでお店を拡張した理由のひとつ。
リニューアルオープン後には予約を受けることにした。

そしたらこれがもう大変。
ひっきりなしに電話がなって、
仕事に差し障りがでるほどになっちゃったんだ‥‥、
とうれしい悲鳴。
営業時間の電話は迷惑ですよね‥‥、
電話をかける時間に気をつけなくちゃと
お店の人に言ったら、
実は、営業時間外にも電話がかかってきて、
仕込みに集中できないんです‥‥、と。
ウェブで予約ができるサービスを
業者に勧められているんだけど、
手数料がバカにならない。
それになにより、どんなお客様なのか
電話の声や雰囲気でたしかめることができないから
不安でしょうがないんです。

このお店以外にも、
人手不足の現場で予約の電話はありがた迷惑。
どうしても出るのが遅くなってしまったり、
対応がつっけんどんになってしまうことが
あるんですよね‥‥、
という人たちが結構多い。

飲食店を取り囲む環境が
かなり変わってしまったということなのでありましょう。


ボクはやはり今でも
電話で予約をすることを最優先にしています。
お店が忙しそうなときに
電話をかけないようにするのは当然。
ただ、お店の人が休憩しているであろう時間帯。
あるいは仕込みの時間帯。
営業前や、おやつ時の予約の電話は
なるべくせぬようにと心得直すようにした。
かわりに営業時間の終わり頃。
例えばランチタイムなら1時半すぎ。
夜なら営業時間を終える30分ほど前。
厨房の中の仕事がひと段落して、
気持ちがホッとする時間帯。
ウェブにオーダーストップの時間が書かれていたら、
その時間を目処に電話をかけることにした。

電話をかけて5回、
呼び出し音がなっても出ないときには切ります。
そしてそのときは電話以外の方法で
予約ができるかどうかたしかめ、それで予約を試みます。
ほとんどの場合、それはウェブを使っての予約となる。
ところがウェブの予約には
ちょっとした落とし穴があるのですネ。

それは予約時間の設定がきめ細やかではないところ。
予約の時間指定はせいぜい30分刻みになってます。
つまり30分おきに数組ずつの予約があって、
その人たちがもしもみんな時間に正確な人たちだったら、
予約時間のお店の入口はてんやわんやの大騒ぎ。
だからちょっと時間をずらして予約をします。
例えば、6時半にマークして、
お店への要望を書くダイアログボックスに
「10分ほど前にうかがいたいと存じます」と書く。
印象的なお客様になる工夫。
入り口が混雑しない入店は、
その後のサービスもみんなスムーズになる。
悪くはないと思います。

2018-09-27-THU