親愛なるみなさま
私たちのことを憶えていらっしゃいますでしょうか。 左から、芸術家ニコラ・ビュフさん、 グラフィックデザイナー祖父江慎さん、 藤井瑶さんです。
私たちはもう、何年も何年も、あきれるほど長い期間、 同じ本を作り続けています。 なぜ、こうなったか。 一歩進むごとに困難が待ち受けているからです。
根本の原因は、全員のアクセルが 全開すぎることにあります。 それぞれベタ踏みなので、 我々の車はタイヤがすり減るほど空回りし、 一般道を走れないでいるのです。
おおーい、ふつうのコースはこっちだぞー、 という声が聞こえますが、とても戻れそうにありません。
でも今日はみんな、 はれやかな顔をしています。 このような車が、数メートル前進しました。
世界でいま3人だけが、 自分たちの作っている本の大ファンです。 いつかみなさまも、 この本を大好きになってもらえるように。 空回り上等で、がんばらせていただきます。
また、このコーナーで報告させてください。
担当スガノでした。 |