ただいま製作中!ただいま製作中!

2019/05/14 22:14
akiko.kusaoi

上を見るか
下を見るか

今日のトークサロンに
来てくださったみなさんは、
いまごろ夜空を見上げたり、
道路脇の草むらに
虫を探したりしているかもしれません。

ほぼ日の学校「ダーウィンの贈りものI」
プレイベントとして、
科学エッセイ『科学する心』を
上梓された作家の池澤夏樹さんと
「ファーブル昆虫記」全10巻20冊を
完訳された仏文学者の奥本大三郎さんを
お迎えして、ほぼ日で
トークサロンを開きました。

旧知のおふたりに、
これまた古いお付き合いの
学校長が進行役として加わって、
お話はゆるゆると始まりました。

池澤さんの新著から、
生物学の研究者としての
昭和天皇がどれほど熱心に
楽しげにウミウシに向き合われたかが
紹介されたり、
「ダーウィンの贈りものI」に
講師として登壇してくださる
奥本さんが、
ダーウィンとファーブルの
友情と交流を紹介してくださったり、
科学と文学の間をたゆたうように、
話は進んでいきました。

池澤さんは大学で物理学を学びながら、
作家の道を歩みます。そのプロセスを
こう語ってくださいました。
「子どものときの自分の中に
科学少年と文学少年がいて、
どっちを育てようかなと思っていた」
結局、文学の道を選んだものの
「身辺を科学の目で見ることを
続けてきた」そうです。

文学者の心をもって科学してきた
お二人は、便利になった今の社会が
果たして「便利以上の価値」を
生み出しているのか、
といった問いかけや、
産業に役立つ工学だけを優先するあまり、
「意味について考える人」が
いなくなっているのではないか、
といった危機感をそろって口にされました。

こうした危機に対して
お二人が提言する対策は、
極めてシンプルで柔らかなものでした。
「上を見るか、下を見るか」
天を見上げて星を観察するか、
虫をみつけて幸せを感じるか。
振り返れば、そこにある自然に
目を向ける心をもつこと。
料理でもいい、身近な科学を
体感すること。

「まずは外へ出て
キョロキョロしてごらん」

池澤さんの言葉は
とてもやさしく耳に響きました。

詳しくは「学校ニュース」
あわせてお読みください。