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akiko.kusaoi

「女の出る幕だ!」

2021/04/29 20:35
翻訳家・松岡和子さんのシェイクスピア全集が
ついに全33巻(全37作)完結!
最終作『終わりよければすべてよし』が、
5月10日、書店に並びます。
そして、松岡和子さんの新訳で
23年の歳月をかけて
シェイクスピア全作品を上演してきた
彩の国さいたま芸術劇場の
シェイクスピア・シリーズも今作
「終わりよければすべてよし」でゴールです。
(公演は、5月12日から29日まで)
シェイクスピア講座に何度も来てくださった
河内大和さんは「デュメイン兄弟」の兄役です。

この公演に向けた事前イベントである
松岡和子さんと河合祥一郎さんの
勉強会に行ってきました。

松岡さんは、常日頃から
どの作品も発見の連続と
おっしゃっていましたが、
そんななかでも今作は
異例につぐ異例の連続で、
「最後の最後にいろんな難しさが
巨大化して転がってきた!」というほど、
悩ませられた作品だったそうです。
そして、訳し終えた戯曲が
俳優さんたちによって演じられ、
芸術監督・吉田鋼太郎さんの
解釈を加えられていくうちに、
またさらなる発見があったといいます。
どんなお芝居に仕上がるのか、
本当に楽しみです。

松岡さんは、これまでの日本語訳が
女性の登場人物を必要以上に
「へりくだった」姿勢にしていたことに気づき、
ここは「女の出る幕だ!」と思ったと言います。
松岡さんに続いて
全訳を進めている河合祥一郎さんも、
こうした松岡さんの視点に
大いに影響を受けているそうです。

そういえば、河合さん翻訳の
「ヘンリー四世」の戯曲リーディングは、
日本シェイクスピア協会のサイトで、
5月23日までの期間限定無料公開中です。
こちらも、ぜひ!

ほぼ日の學校では、
25年の歳月をかけて
シェイクスピア全作品と格闘してきた
松岡さんの偉業を讃え、
松岡さんのお話を聞いていただきたく、
楽しいイベントを企画中です。
詳しいことが決まり次第、
またお知らせしたいと思います。