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勉強サイド

勉強の夏、ゲームの夏。2017

shinya.hirano

仕事=勉強

2017/08/25 21:16
大学では勉強をしなかったとおっしゃいましたが、
社会人になってからは、
勉強しないといけないことが多かったのでは?

「僕はコピー講座とかでもよく言うことだけど、
コピーライターの仕事すべてが
脳トレになっているようなものだから、
仕事をしていることが、勉強ですからね。
勉強って、知識を増やすことと
イコールじゃないんです。
1年でだいたい20社とか30社と仕事しますが、
いただいた資料を読むだけでも、
この業種の人はこんなことを考えていて、
だからこんな商品を出そうとしているんだって、
わかってくるわけですよね。
だから、仕事していることそのものが、
勉強しているようなものです。
僕は、人や企業を動かすような
コアアイデアを考えることそのものが、
勉強になっている、と思います。」
shinya.hirano

ものをつくる人。

2017/08/25 21:10
コピーライターを知る以前から、
ものをつくるとか、考えることに
興味があったんでしょうか。

「うちの姉が京都芸大を出ているんですよ。
明らかに子どもの頃から絵もうまかったから、
親の中にも、
姉は絵とかものをつくっていく人間という
意識があったんだと思うんです。
対する弟は、絵も描けないわけだけれど、
学校の成績だけはよかったから、
公務員とか医者とか弁護士とかに
なってもらいたいという思いがあったみたいで。

でも、自分の心のどこかで思っていたのは、
ものをつくることは
絵のうまい下手じゃなくて、考え方だから。
自分にも何かはできるはずと考えていて。
6才か7才の頃に夢見ていた、
『ウルトラマンとかウルトラQとかを
作る人間になりたい』と思っていたような、
その気持ちがずーっとあったんですよね。」

あっ、ウルトラマンになりたいんじゃなく、
ウルトラマンを作る側だったんですね。
shinya.hirano

コピーライターには、
なれると思った。

2017/08/25 21:00
大学に入ってから働きたいと
思っていたとおっしゃっていましたが、
最初からコピーライターになりたかったんですか。

「コピーライターになるって決めたのは
大学3年生のとき。
ものをつくることには意識があったけれど、
完全に決めきれないことがあって。
僕は大学1年の頃に、
橋本治さんと出会ったんです。
漫画の評論誌に押しかけていって、
お金をもらえるわけじゃないけれど
働かせてもらったりして。
そういう、僕みたいな人間が
集まっている雑誌だったんですよね。」

大学時代にいい人と出会って、
自分のやりたいことに
近いお仕事をされていたんですね。

「大学2年の終わりか3年のはじめに、
その漫画評論誌で知り合った女の子から、
『広告批評』の糸井さんの特集号を薦められて、
『ああ、これはすごいや!』と思ったんです。
その衝撃を経て大学3年生の時に、
『ああ、俺はコピーライターになれる』
という確信を持つようになったんです。
僕はすごく現実的な人間で、
この仕事は『できる!』と思っちゃったんですよね。
糸井さんや仲畑貴志さんにはなれないけれど、
その次のクラスにいる人にはなれると思っていて。
王や長嶋にはなれないけれど、
オールスターに出られるような選手には
なれるんじゃないかって(笑)。
だから、博報堂に入った頃なんて、
ずいぶん生意気なヤツが入ってきたと思われて。」

自信があるのに、すこし謙虚なところが
ちょっとおもしろいですね(笑)
shinya.hirano

そして、東京大学へ。

2017/08/25 20:56
成績に上下のあった中学を経て、
高校に進学もされました。

「甲陽は中高一貫校だったから、
高校も同じだったんだけれど、
高校3年間を総合して見ると、
自分が学年1位だったんじゃないかなあ。
つねに1位にいるわけじゃないけれど、
3位以内には必ずいる、みたいな。
毎日コツコツとやるタイプじゃなくて、
定期テストの2週間前を
ある意味で『我慢の期間』みたいにとらえて。」

その期間に集中してやる、
と決めていたんですね。

「どうしたら点が取れるか狙いを定めて、
最初に計画を立てておくんです。
普段の勉強は置いていかれない程度にやって、
ラジオを聴いたりミステリー小説を読んだり、
テレビも観ていたりしたんだけれど、
その2週間だけは、我慢すると決めていました。
つまり、定期テストの期間は、
家から帰ってきて、お風呂とか寝る時間以外は
とにかく勉強を『やる』と決めたんです。
僕にはサボっていた中1の経験があるから、
前日だけ勉強してもいい点が
取れないのはわかっていましたから。
我慢の期間にやることを予め決めていて、
そこに向けて覚えておくことは、
普段の勉強で覚えておくようにする。
そんなスケジューリングが得意だったんです。
今では仕事と遊びがいっしょになってるけど、
高校までのほうが、ONとOFFが
明らかに分かれていた人間だったかもしれません。」

自分だけの勉強のやりかたを身に着けて、
その後、東京大学に入られたんですね。

「僕はほんとうの意味で、
勉強が好きだったわけじゃなかったから、
大学で東大に入ってからは、
早く仕事がしたくって、
勉強はほとんどしなくなっちゃいました。
試験に向けての要領のつかみ方は
自分でもわかっていたから、
単位は必要最低限だけとって、
良くもなく悪くもなく、という成績。
ちょっと言い方は悪いけれど、
事務的にこなしてしまったような気がします。」
shinya.hirano

上がり下がりの激しい
中高時代

2017/08/25 20:52
そして、甲陽学院中学校に進学するんですよね。

「甲陽に入った時のテストの成績も
良かったらしいんだけど、
中学で1位にならなくてもいいやって
思っちゃったんですよね。
中1で勉強はだいぶサボって、
ラジオの深夜放送にハマってました。
親が寝てからラジオを聴いて、
MBSヤングタウン『ヤンタン』とかね。
それこそ、当時は出てきたばっかりの
笑福亭鶴瓶とか、もう面白くて。
だからテストの成績も、ガクンと下がった。
100点満点のテストで20点とかね、
人生でいちばん勉強ができなかった。」

いきなり、ガクンと下がってしまったんですね。
お話しを伺っていると、
ずっと要領よく点数を
取られてきたのかなと思っていました。
成績が下がったことで、
なにか変化はありましたか。

「だから親からも心配されたし、
入学テストの成績が良かっただけに、
学校の先生も心配してくるんですよ。
『谷山くんの実力はそんなもんじゃない』
みたいなことを言われたりして。
さすがにこれはマズイなと思ってました。
そうしたら、中学2年の時に、
親からのニンジン作戦につられて‥‥。」

谷山少年には、
どんなニンジンが効果的だったんですか。

「ステレオコンポがもらえたんです。
絶対にご褒美をもらうぞって、
一所懸命に勉強したら学年1位になっちゃった。
それまで学年の中でもパッとしない成績だった男が、
いきなり学年1位になったわけだから、
それはもう、思いっきり注目されたわけで。
僕にとってはそれがもう嬉しくって、
その嬉しさを失いたくないというか、
ずっと続けたいと思ったんだろうね。」

ああ、思春期の頃でしょうし、
チヤホヤされるのって嬉しいですよね。
shinya.hirano

勉強しなくてもできた
小学校時代

2017/08/25 20:48
それでは谷山さん、よろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします。」

プロフィールの上では、
「東京大学卒」という経歴を知ってはいましたが、
こどもの頃から、勉強ができる子だったのでしょうか。

「これは自慢するわけじゃあないんだけど、
小学校の頃は、そんなに勉強しないでも
テストはできちゃったんですよね。
僕が小学校3年生ぐらいの頃、
当時は公害が問題になっていた時代でした。
僕はわりと早熟な子どもだったから、
誰かに言われるでもなく、
勝手に調べてノートにまとめていました。
取り立ててテスト勉強に力を入れるわけでもなく、
全学年で1位を取るような小学生。」

ひええっ、レベルの高い小学生ですね。

「その頃、進学校に行くなら
3、4年生ぐらいから
名門と言われるような塾に通うものだったけど、
うちの場合は、父親があまり行かせなくて、
小学校6年生になって、
はじめて塾に通ったんですよね。

塾からも『今さらかよ』みたいな目で見られて、
とりあえず入塾テストを受けたら、
その塾に通う全体の5位とかで、
いきなり見る目が変わった気がしました。
塾に入った小6の時は、
まあ、けっこう勉強したかな。」
shinya.hirano

6人目の講師は、
谷山雅計さん!

2017/08/25 20:45
6人目、本日最後の先生としてお迎えしたのは
コピーライター、
クリエイティブディレクターの
谷山雅計さんです。

1961年生まれで、なんと今日が誕生日!
新潮文庫の「Yonda?」や、
東京ガスの「ガス・パッ・チョ!」、
資生堂 TSUBAKI「日本の女性は、美しい。」、
東洋水産「マルちゃん正麺」など、
いくつもの広告コピーを手がけているので、
どこかで、谷山さんのコピーを
見たことがあるかたが多いのではないでしょうか。

そんな谷山さんは、大阪府のご出身。
甲陽学院中学校・高校を経て、
東京大学教養学部を卒業されています。

ぼくにとってはコピー講座の恩師でもあって、
著書やトークショーでも、
あまり学生時代のことをお話されている
イメージがあまりありませんでした。
今日はいい機会なので、
谷山さんに、勉強や宿題のコツや、
「頭がいい」とはどんなことか、
いろいろとお話をうかがいたいと思います。
nagata

ありがとうございました!

2017/08/25 20:40
数々の名回答、
そして、書き下ろしの読書感想文!

古賀史健さん、
ほんとうにどうも
ありがとうございました!

静岡おでんを召し上がってください。
どうもありがとうございました。
nagata

古賀さんが感想文を!

2017/08/25 20:36
なんと、古賀さんが、
実際に読書感想文を
書いてきてくださいました!

しかも、ちゃんと
青少年読書感想文全国コンクールの
課題図書で!

本のタイトルは
ホイッパーウィル川の伝説
中学生部門の課題図書です。

「まず、この本、
 めちゃくちゃおもしろかったです。
 読んでよかったです」

ああ、もう、その姿勢がすばらしい。
さすが古賀さん。
久々に読書感想文を書いてみて、
いかがでしたか?

「やっぱり、いま、書評を書いているので、
 読書感想文というよりは、
 書評に寄ってしまうので、
 ちょっと苦労しましたね。

 書評はその本を薦めるために
 書くという意義もあるので、
 過度に内容を書くことなく、
 よいイントロになるように書いてしまう。
 そのあたりが読書感想文と違います。

 また、書評て、自分の独自の意見よりは
 『この本はこうである』という
 ある種の断定を求められているんですね。
 好きか嫌いかさえ、関係なかったりする。
 一方、読書感想文で大切なのは
 『自分はこう思う』という主観。

 この読書感想文のテーマをぼくは
 『大人になることの意味』にしました。
 作品がことばとして明示してないテーマを
 自分なりに読み取って広げていくのが
 読書感想文だと思います。
 参考になるかわかりませんが、
 けっこう真面目に書いてみました(笑)」

 どうもありがとうございます!
 古賀さんの書き下ろし(!)読書感想文は
 以下をクリックすると読むことができます。

 古賀さんの読書感想文、
 「大人になることの意味」。
nagata

能動的に読むには?

2017/08/25 20:06
その後も、本を読むことについて、
古賀さんはおもしろい話を
聞かせてくださいました。

「本をただ受け身で読むんじゃなくて、
 自分の視線を入れながら
 能動的に読むと、読み取れることが
 ずいぶん違ってきます。

 能動的に読むためには、
 たとえば、こういうやり方があります。

 それは、
 『この作者に会ったら何を聞こう?』
 と思いながら本を読むことです。

 『坊ちゃん』を読みながら、
 『夏目漱石に会ったら何を聞こう?』
 と考える。あるいは、
 『鳥山明先生に会ったら
 どんな質問をしよう?』と考えながら
 『ドラゴンボール』を読む。
 これだけでずいぶん読書が
 能動的な体験になります。

 受動的な読書はいってみれば
 ジェットコースターの観客です。
 能動的な読書は、自転車の運転手。
 読書が変われば、感想も変わってきます」

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