時代を超えて長く着られる
「ニューベーシック」を提案する日本のブランド、
「TICCA(ティッカ)」が
「weeksdays」に初登場します。

 traditional /伝統的な、歴史的な、正統の
 individual /個性的、個々の、個人
 contemporary /現代的な
 comfortable /心地よい、快適な
 attractive /魅力的、かっこいい
という5つのキーワードが名前の由来。
形はベーシックでも、10年後、20年後、30年後と、
ヴィンテージになっても残っていくような、
うつくしくて長く着られる製品をつくるため、
TICCAはどんな努力をつづけてきたのでしょう?

ブランドがスタートした年に営業として加わり、
現在はデザイナーを務める上村功さんに、
ブランドのあゆみや服づくりの技術のこと、
そして今回扱う
「シャツチュニックプルオーバー」の魅力について、
伊藤まさこさんがお話を聞きました。

上村功さんのプロフィール

上村功 うえむら・いさお

TICCAデザイナー。
ブランドのディレクションや商品開発を担当。
桑沢デザイン研究所
ファッションデザイン専攻科夜間部を卒業後、
レディースブランドやメンズブランドで、
商品企画、営業、生産など
服作りに関わるさまざまな仕事を学び、
株式会社FLAPPERSに入社、現在に至る。

「好きなことが仕事になりました」
という、生粋のものづくり人。

02
ヴィンテージになれる服

伊藤
生産者の方たちの声を、
デザインに反映することはありますか?
上村
それはもう、しょっちゅうです。
たとえばテキスタイルに関しては
作っている方たちのほうが断然詳しいので、
自分がいいと思っているよりも
いい方法がないかと質問しながら
教えていただくことが多いんですよ。
伊藤
えっ。TICCAでは、
生地を最初から作ることもあるんですか?
上村
はい。
今回のシャツの場合は
生地自体はヨーロッパのファクトリーに別注して
TICCAのオリジナルを作ってもらっていて、
縫製は日本のシャツ工場にお願いしています。
TICCAの服は形がベーシックですが、
10年後、20年後、30年後と、
いわゆるヴィンテージとして残っていくように
しっかりしたテキスタイルで作りたい、
という想いがあって。
伊藤
ということは、
「こういう形の服をつくりたいから、
こんな生地をつくろう」
という発想ですか。
上村
まさにそうですね。
形は、これまで作ってきたベースの型紙が
TICCAにはすでにたくさんあるので、
僕が普段アイデアを探すときは
昔の服の襟やカフスといったパーツをじっくり見たり、
それを今、どんな生地で作るといいかを
考えたりしています。
伊藤
古着屋さんのヴィンテージを参考にしたりも? 
上村
そうですね。
パリやロンドンのマーケットには
100年以上前のアンティークも少なくないので、
展示会で足を運んだときに
見て回ることも多いです。
伊藤
100年も前の服がいま残っているということは、
生地も縫製もしっかりしているということですよね。
上村
そのとおりですね。
そういったマーケットには
経年劣化でダメージが大きいものも多いですけど、
縫製などのディテールを見るとすごく良かったりするので、
あらゆる時代のベーシックアイテムを参考にしながら、
いま作るならどんな服だろう? って考えます。
この時代に合ったもので、
「気分」も大事にしていきたいですし。
伊藤
たとえば、生地の面では昔と今とで
どんなところが変わってくるでしょう。 
上村
たとえばピーコートの場合、
クラシックな生地は硬くて重量感がありますよね。
それもその良さがあって素晴らしいんですけど、
自分も年を重ねてきて、
硬くて重いのはつらいなと感じることがあります。
TICCAとしては
着てくださる方が美しく見えたり
よろこんで日々を過ごしてもらいたい、
という想いが強いので、快適に着られて、
でも表情は重厚感が残ることを目指しているんです。
伊藤
かっこよくて美しいだけじゃなく、
ちゃんと着心地がいいもの。
上村
はい、機能性も追求しています。
着ることで幸せにできる服でないといけないので、
それを実現するために、
作ってくださる工場や職人さんたちと話し合います。
パリやロンドンでヴィンテージの服を
観察するのと同じように、
工場にある昔の資料を見させていただいて、
「この糸とこの柄の組み合わせ、いいですね」
って言いながら、どう作れるか相談したり。
伊藤
シェフで言うなら、
畑づくりからされている感じがします。
市場にある野菜を買ってきて料理するのではなくて、
まず種をまいて、
生産者さんたちと相談しながら育て、
収穫したものを料理に使う、みたいな。
上村
そう言っていただけたら
すごくうれしいです。
(つづきます)
2026-09-22-TUE