伊藤まさこさんからの提案がきっかけとなり
2021年にスタートしたSAQUIのフォーマルウェアに、
「シンプルで基本的なジャケット」と、
「レースのプルオーバー」が登場します。
今回の提案は、SAQUIの岸山沙代子さん発。
このふたつのアイテムができた経緯、
組み合わせ方のことなどを、
伊藤さんが、岸山さんにききました。
岸山沙代子さんのプロフィール
岸山沙代子
大学の家政学部で被服を学んだのち、
手芸・服飾系の出版社へ。
働きながら「東京立体裁断研究所」に通い、
立体裁断を学ぶ。
別の出版社に転職後、伊藤まさこさんの担当に。
編集者歴10年を経た頃、
デザイナーになる夢をかなえるべく、渡仏、
パターンの学校へ通う。
パリでの3年を経て帰国、自宅をアトリエにして
「SAYOKO KISHIYAMA (サヨコキシヤマ)」名義で
自身のデザインによる服づくりをはじめる。
2016年「saqui」をスタート。
そこから年に2回のコレクションを発表しつづけ、
2024年秋冬シーズンにはパリコレクションに参加、
ブランド名を大文字の「SAQUI」に変更した。
■saqui website
■Instagram
■[interview]saqui 岸山沙代子さんのこと。
■weeksdays これまでのSAQUIのコンテンツ
02ジャケットと合わせても、一枚でも
- 伊藤
- こちらのレースプルオーバーは、
何かきっかけがあってつくられたんですか。
- 岸山
- 2年前か3年前だったと思うんですが、
冬に、コレクションの一部として
レースのプルオーバーをつくったことがあるんです。
そのときは、「weeksdays」でつくった
ワンピースに合わせたい、というのがきっかけです。
そうしたら、妙にそれだけが売れて、
「おや?」って思って。しかもその後、
「もう、ないのでしょうか?」という電話をいただいたり。
- 伊藤
- 多くのかたが望んでいたんですね。
- 岸山
- みなさん、レースが好き?
- 伊藤
- そうですよね、
「weeksdays」でキャミソールを扱ったときも、
レースのものに人気があつまりました。
- 岸山
- 百貨店のポップアップで、
SAQUIを知らないお客さまが、
それを見て買っていかれました。
- 伊藤
- 透けるのが気になるとか、
そういうのもあんまりなく?
- 岸山
- なかったですね。
最近は、透けるものが流行っていますし。
私も以前ほど抵抗がなくなりました。
そして、レースが役に立てるなと思ったのは、
お年を召したお客さまがよくおっしゃる、
首元をじょうずに隠したい、ということ。
レースだと、何もないより、ポイントになって、
首元が気にならなくなるんです。
- 伊藤
- アクセサリーをつけるのとまた違う印象ですものね。
- 岸山
- はい。それで、もう1回、これよりもフワフワした、
ちょっと違う柄のレースのプルオーバーをつくりました。
フワフワしたワッフル系の素材で、
透け感が少ないものでしたが、とても人気になりました。
以前つくったケープワンピースと
合わせたいと、お求めになるかたが多かったんです。
けれども私としては、
最初につくったものも気に入っていて、
もういちどつくりたいなと考えていました。
それが今回のものにつながっています。
- 伊藤
- これは、レースといっても、
かわいらしい印象ではなく、
大人っぽく、シックですよね。
- 岸山
- ストレッチがきいているから、着心地もよくて。
- 伊藤
- ジャケットの生地と、お互いに引き立て合いますよね。
それに、便利。
一枚で着ると夏物、
ジャケットと合わせるとオールシーズン。
- 岸山
- そうなんです!
- 伊藤
- 合わせるインナーは、
岸山さんはどんなふうにアドバイスを?
- 岸山
- 私は、黒のレースに関しては黒いキャミソールや
タンクトップを着ればいいなと思っているんです。
難しいのは白のレースのインナー選びかもしれないですね。
私がみなさんに訊かれて、アドバイスするのが、
スキンベージュじゃなくて、
濃いキャメル色もいいですよ、ということです。
すこし濃い色をあわせることによって、
健康的に引き締めてくれる。
インナー、大事ですよね。
ほかにも、くすんだピンク‥‥
たとえばグレーピンクもいいですよ。
- 伊藤
- かっこいいでしょうね。
わたしは、白を一枚で着る時、
おっしゃるように濃いめの色を選ぶんです。
たしかにベージュ系だと生々しく、
なにも着けていないみたいに見えてしまうので、
肌より少しだけ濃いめのキャミソールを合わせると、
レースが映えやすいんですよね。
撮影の時はここのブロンズを合わせましたが、
とてもよかったです。
逆に「透ける」前提で黒を合わせても。
- 岸山
- そうですね。
白のレースはチューブトップとも相性がいいですよ。
黒のチューブトップでコントラストをつけても、
白のチューブトップで同系色を重ねても、
少しモードな印象になります。
最近私も黒のチューブトップに合わせて
白のレースを着ました。
そうするとレイヤーしなくても
一枚でかっこよく着れます。
- 伊藤
- このレースプルオーバー、
岸山さんは一枚で着ることもあるんですね。
- 岸山
- 機会はそんなに多くはないんですけれどね。
ほかにも、おしゃれな人が教えてくれたんですが、
あえてTシャツの下に着たりしますよ。
- 伊藤
- それはかなりの上級者ですね!
- 岸山
- ちょっと、かわいいかな、って。
- 伊藤
- ところで白はお別れのときは着ないものですよね。
- 岸山
- はい、お別れのときは黒のほうがいいと思います。
白は、ジャケットの下とか、
ベージュのワンピースでもかわいいと思いますよ。
同じ色合いで組み合わせて。
- 伊藤
- 逆に黒は、組み合わせ次第で、
お祝いの席にも着られますよね。
もちろん今回のノーカラージャケットと
組み合わせるのがおすすめですけれど、
他のフォーマルを持っているかたも、
プラスワンで持っていると、とても便利だと思います。
- 岸山
- はい、プラスワン、おすすめです。
ノーカラースリットスリーブジャケットを
持っている人も、合わせて着るといいと思うんです。
学校行事に着て行くとか、ね。
- 伊藤
- ステキです!
岸山さん、今回も素敵な提案、
ありがとうございました。
- 岸山
- こちらこそありがとうございます!
(おわります)
2025-09-23-TUE