REPORT

わたしのひきだし。[3]
平野妃奈

いろんなかたに、
よく使っているひきだしについてうかがいます。
きょうは、ギャラリーを主催する平野妃奈さん。
平野家には小2のお姉ちゃんと、5歳の息子さんがいます。
お姉ちゃんは自分の(家具としての)ひきだしを
持っているのですが、
「俺」こと息子さんは、まだ持っていない。
でも、まずは写真をごらんください、
「俺」は、家具じゃないけれど、
こんなにだいじなひきだしを、持っているのです。


平野妃奈(ひらの・ひな)
NO.12 GALLERY主宰 
駒場と代々木上原の間に
NO.12 GALLERYを構えること15年。
国内外のジャンルを問わず
ユニークな作家達の自由な表現の場。
現在8歳の娘と5歳の息子の2児の母で子育て奮闘中。
食べること、旅することが好き。

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只今年中さん5歳になったばかりの「俺」は
幼稚園に入園してからぐんぐんと男子道を歩んでいる。
それまではお姉ちゃんの友達の中に混ぜてもらい
遊ぶことがほとんどだったが、
幼稚園に通うようになって
かっこいい刺激的な男友達の影響から一気に
「ぽーちゃん」の呼び名を捨て
「俺」へとなっていった。
まだ3歳児頃に「俺」と自分のことを言うようになり
「僕」とは一切言わずだった。

そんな「俺」があれよあれよとハマっていったのが
「こま」である。

幼稚園には大きなこま板がある。
本来は年中さん頃からこまをして遊ぶらしいが、
上の兄弟関係が多かった「俺」のクラスでは
こまをまわせる子が数人いて、
その中に「俺」が最も尊敬するダチも
びゅんびゅん回していた。
初めはなかなかうまく巻けなくて、
本当に家では悔しくて泣きながら練習していた。
旦那も俺の為にこま板を作ってあげ、
「俺」のやる気はみるみる増していって、
早々にこまを回せるようになった。
誰よりも切れが良く、ものすごいスピードでこまを回す。
回し終わった後はひもをくびに掛け決めている。

そんな「俺」が大事にしているこまのひきだし。
誰よりも負けん気も強いけど、
根は真面目で几帳面で片付けも大好き。
旦那と一緒に作ったこま入れ。
嬉しくて嬉しくて自慢げな「俺」。

2019-02-10-SUN