REPORT

saquiの春夏のトップスは、
ぜんぶ家で洗える生地なんです。

前回のコートの紹介につづき、
saquiの新作ブラウスとワンピースについて、
デザイナーの岸山沙代子さんのお話をおとどけします。
3着のトップス、どれも上質で、
長く着られそうなものばかりですよ。
なお、今回のsaquiのアイテムは、
3月下旬~4月上旬ころのおとどけになる予定です。

岸山沙代子さんにききました。2

これは、ストライプの生地を使って
つくったトップスです。
コットン78%、ポリエステル27%、
洗いっぱなしで大丈夫で、
まるで形状記憶みたいに張りがある。
伊藤さんが生地見本を見て「これを使いたい!」、
そこから何を作るか、考えました。

すごく張りのある生地なので、
やっぱり立体感のある服がかわいいな、と思い、
ワンピースにしようかな? それとも‥‥、
といろいろ考えたんですけど、
ほのかな透け感があるので、
ワンピースやパンツは難しい。
慣れているかたは下着をじょうずに選んで
着こなせると思うんですけれど、
気軽に着てほしいし、
かといって裏地をつけると
洗濯表示が「ドライ」になっちゃう。
家で洗える便利さをもったまま、
この生地のかわいさが出る立体感のある服をと、
こんなふうに袖の太いブラウスができました。

袖は六分。
バルーンといっていいのかな、
生地の張りとパターンのくふうで、
そのかたちが着ているときも保たれるように考えました。
身頃から袖まで切り替えずに裁断をしているんです。

袖周りもたっぷり、身幅もかなり太め。
体型を気にせずにいられます。
丈は短め。スカートにも合うし、
パンツもいけます。
後ろがちょっと長めになっているので、
たとえばワイドパンツで、
前身ごろだけインしてもいいですよね。

そうそう、ディテールといえば、
ひとつだけアクセントのようにつけたボタン。
これ、パリのクリニャンクールの骨董店で求めたもので、
60年代のヴィンテージボタンなんですよ。

このワンピースは、昨年つくったネイビーの、
シルクのワンピースが原型になっています。
これよりも少し丈が短めで、襟なしでVネック。
伊藤さんもすごく気に入ってくださっていました。
とても人気があったんですが、
愛用してくださっている幾人かのかたから、
「もうすこし丈が長かったら」
という声をいただいたんですね。
たしかにそのほうがちょっと大人っぽく、
エレガントなんですね。それに素材は軽いシルクですし、
サラサラしているので、長くても重さを感じない。
そこで、昨年のパターンから、
12センチくらい、丈を長くしました。

このシルクの生地は日本製で、
「家庭で洗える」ことが特徴です。
そして、生地には表・裏があるんですが、
ふつうは裏にする面を、表地にしているんです。
それは、表だとツヤツヤすぎて、
面積が大きいので、かなり派手になる。
裏地だとマットになっているので、ちょうどいいんです。
このチラッと見えるところに光沢があるのも、
いいでしょう?

着方は、全部ボタンを留め、ワンピースとして着るもよし、
すこし開けてコートっぽくも着るもよし、
ふわっと羽織るのもよし。
また、本当に軽いので、
パンツの中に入れちゃうこともできます。
ワイドパンツのときなど、いいですよ。
「えっ、入るの?」と思われるでしょうけれど、
ウエストから腰回りにかけて
ゆったりめのパンツなら入ります。
この薄さは、そんなふうにも活用できるんです。

ワンピースと同じ、
家庭で洗えるシルクを使ったブラウスです。
デザインのベースも同じ。
パンツに入れても、出しても着られるよう、
サイドにスリットを入れました。
前だけ入れて、後ろを出すような着方もいいですね。

ボタンはいちばん上が、
パリのクリニャンクールで見つけた
1960年代のヴィンテージ。
それを生かしたくて、第2ボタンから下は
比翼(生地でボタンが隠れる)デザインにしています。

色は上質感のあるアイボリー。
ジャケットを合わせてもかわいいですし、
もちろん1枚で着ていただいても。

色の選びかた? そんなに独特でしょうか。
たしかに思い切った色を選んでいるかもしれません。
じぶんではあまり意識をしていないんですが、
フランスに服づくりの勉強をしに行ったことが、
色彩の勉強にもなったのかもしれません。
そして伊藤さんも、わりとはっきりした色を
ポンと使いますよね。
私もその伊藤さんに影響されているのかもしれません。

2019-01-22-TUE