ことしもつくりましたよ! 
金沢の老舗の酒蔵である「福光屋」さんと
「weeksdays」が組んだ、
日本酒とおつまみの「ちびちびセット」。
一合瓶の日本酒が6本と、おつまみが6種類、
さらに熱燗をおいしくする「ふぐひれ」がひとつ、
そして20種のおつまみレシピがのった
『ちび本2』が、松林誠さんの描く
かわいい箱に入っています。
昨年はオンラインでやりとりをした
福光屋の担当ディレクターである利岡祥子さんが、
伊藤さんのお宅にいらっしゃっての対談、
どうぞおたのしみください。
『ちび本2』から、いくつかレシピもご紹介します!

酒蔵の写真提供=福光屋

利岡祥子さんのプロフィール

利岡祥子 としおか・さちこ

1984年に福光屋入社。
商品開発や広告宣伝、広報担当を経て、
1999年に福光屋の初めての直営店を
東京・銀座に立ち上げる。
現在は直営店6店の運営、
化粧品事業、海外展開を統括している。
直営店の企画やセレクトを通して、
作家との繋がり、モノとの関係を深めてきた。
九谷焼の窯元に生まれ、
金沢の伝統工芸や食への興味も尽きない。

●福光屋ウェブサイト

02
夕方になったらソワソワ

利岡
『ちび本2』も冬の食材が多いですよね。
伊藤
はい、ほんとはもうちょっと季節を広げると、
いろんなものが作れるんですけど、
冬を想定すると、たとえばキュウリと
かつお節と梅のあえ物は、
なんかやっぱり気分じゃないなあ、とか。
利岡
キュウリといえば、
「和風ポテトサラダ」にキュウリが入らないところとか、
素材の選び方もすごくまさこさんらしいです。
あれは、白いハンペンをお使いなんですね。
伊藤
そうなんです。「白」で収めたくて。
クリックすると拡大します。
利岡
金沢は、ハンペンって言ったら、
ちょっとさつま揚げみたいな、
別のものになるんですよ。
こういう白いものは「ふかし」というんです。
フカフカしているからかな? 
伊藤
ええっ? そうなんですね。
利岡
だから、拝見したときに、
「ポテトサラダにふかしを入れて、かわいい!」
と思いました。そこに和がらし。おいしそう。
前回もそうでしたが、つくりかたが簡潔で、
1、2、3でできるというのが素晴らしいです。
伊藤
あんまりごちゃごちゃしたものが好きじゃないから、
材料も少なくて、レシピが1、2、3で
収まってるのかもしれないですね。
利岡
つくっても、すぐ飲めますね、1、2、3だったら。
伊藤
そうですよね。
うち、私も娘もこんな料理が好きだから、
お酒のアテがチョコチョコあるだけで
夕飯は全然もう大丈夫なんです。
外食が多いから、かもしれないですけど、
家にいるときは、
ほんとにこういう感じの簡単なものを食べてます。
利岡
作りながら飲みながら、っていうのは、
すごくいいですよね。
前の本でも、5時をすぎたら
ちょっとソワソワしてくるって書かれていて。
私も同じなんですよ。
伊藤
今となっては4時ぐらいから飲み始めてて、
7時半には眠くなっちゃうんですよ。
どうしたらいいんだろうと思う! 
利岡
いや、私も、ほんとに。
ただいまって言ってすぐに飲んでます(笑)。
夕飯を作りながら飲んで、みたいな。
伊藤
おうちでお酒はどれがお好みですか。
もうまんべんなく?
利岡
私は、‥‥そうですね、やっぱり「黒帯 悠々」かな。
黒帯 悠々って、精米具合(お米の削り具合)が違うお酒を
ブレンドしているんですね。
吟醸という、ちょっと磨きが高いお酒も入っています。
伊藤
それはバランスよく仕上げるために?
利岡
そうなんです。
温度によって精米具合ごとの特徴が出てくるので、
どの温度帯でも楽しんでいただこうって。
伊藤
なるほどー!
利岡
実はとても複雑な作り方をする人なんですよね、
この人は。
伊藤
人!  お酒のことですね。
利岡
あ、そうなんです。ついそう呼んでしまうんです。
….なので、夏は家で
「黒帯 悠々」をロックで飲んでますし、
小料理屋さんなんかに行くと、
人肌燗といって低い燗の温度から熱燗まで、
いろいろ注文して出していただいたりもします。
燗をしたときは、冷めていくときに
味も一緒に落ちていくっていうお酒が多いんですけれども、
この人は絶対そうならないんですよ。
ですから、いろんな温度帯での飲み方、
ぜひやってみてください。
伊藤
すごいですね。それを聞くと
これを「おためし」にして、
次は大きな瓶で1本、欲しくなりますね。
利岡
1本まるごとどうぞ。
オールマイティーです。
その点「加賀鳶」は
やっぱりどれもちょっとキリッと
キレがあるタイプなので、
そのキレを楽しんでいただけたらなと思います。
この人‥‥「風よ水よ人よ」は、
アルコール度数が12度で低いですから、
ほんとにサラサラサラって飲んでいただけるタイプです。

福光屋さんおすすめ
「このお酒にこの料理」2


●加賀鳶 極寒純米
酒造りに最も適した厳冬の時期に、
低温発酵でじっくりと仕上げた純米酒です。
おおらかに米の旨味が広がる「旨い辛口」。
純米酒の定番として幅広く支持されています。

白いスープ
生姜風味の鶏スープが純米のふくよかな旨味と好相性。

厚揚げ
揚げと生姜の風味が純米の辛口加減と好相性。

れんこんの柚子胡椒風味
柚子胡椒の清々しい香りとピリッとした辛みが
すっきりした飲み口の辛口純米に合います

福正宗 氷温生貯蔵酒 辛口ドライ
しぼりたての生の風味が生きた、
軽やかでドライな旨さが特長の超辛口です。
5℃前後に冷やしてお飲みいただくのがおすすめ。
金沢でも多くの飲食店から支持を受けるベストセラーです。
松林誠さんによる「weeksdays」のための
オリジナルラベルがついています。

野沢菜のおにぎり
辛口のドライなシャープさが
野沢菜の酸味とごま油の風味をつつみ込みます。

(つづきます)
2022-11-08-TUE