REPORT

アコーディオンアルバム、
わたしの使い方。[1]
伊藤まさこ 編

「weeksdays」のあたらしいアイテム、
美篶堂がつくる手製本のアコーディオンアルバム、
自分だったらどんなふうに使う? と、
伊藤まさこさんと「weeksdays」チームで考えました。
スクラップブックより「本」の印象があるから、
ちょっと、きちんと。
写真アルバムほどたくさん入らないから、厳選して。
そんな個性をいかす、5人の使い方を紹介します。

もともとは、御朱印帳として作られたという、
アコーディオンアルバム。
その佇まいが、なんだか好きで、
もっと他の使い道はないかしら? 
‥‥と思っていました。

そこで頭に浮かんだのが、父の若い頃の写真。
他の写真はきちんとアルバムに収まっているのに、
なぜかこれだけ古い缶に、
がさっと入っているのです。
母に理由を尋ねても、
「さあ、どうしてかしらね?」
と首を捻るばかり。

セピア色の写真の中の父は、
ちょっとかしこまったり、
ポーズをつけてきめていたり。
今のように、写真を撮ることが
身近ではなかった時代の特別感に溢れていました。

大切な写真ですもの、
缶の中ではなく、
もっと丁寧に扱ってあげたい。
一枚一枚、えらんでは
フォトコーナーをつけて挟んでいく。
‥‥するとなんだかアルバムが急に息づきはじめて、
とても愛おしいものに感じられました。
(閉じた時のことを考えて、写真と写真の間に
紙を一枚、間に挟んでおくとよいかと思います。)


23年ほど前に訪れた、
カトリックの巡礼地、フランスのルルド。

到着してすぐ、
街を散歩している途中で、
偶然入った教会でいただいたのが、
このマリア様のカードです。

その後すぐに、娘を授かっていることが分かり、
なんだか縁を感じて、
お守りのように持っていました。

その後、無事に娘は生まれ、
以来、このカードは20年以上、
母子手帳と一緒に保管しています。

アコーディオンアルバムには、
生まれて間もない娘の写真と、
マリア様のカードを一緒に。
いつか、娘が独立する時、
母子手帳とともに渡したいなと思っています。


こちらは、人生の先輩からいただいた大切な手紙。
「まさこ様」の宛名の文字もうれしくて、
封筒ごとアルバムに綴じました。

「アルバム」という名前ですが、
取っておきたいものは人ぞれぞれ。
写真だけではもったいない、そう思っています。

平たいものだったら、素材はきっとなんでも大丈夫。
布の作家をしている私の友人は、
「織りの端切れを貼って、
見本帖にするのもいいな」なんて言っていましたよ。


パリの美術館でもらった入場券は、
今から30年近く前の一人旅の思い出。

当時、私は20歳と少し。
パリ。
憧れのパリ! 
見るものすべてがそれは新鮮でワクワク。
切符やチケット、カフェの角砂糖の包紙など、
紙ものはすべて後生大事に取っておき、
ファイルに挟んで持って帰りました。


自分で貼る、
フォトコーナーは、綴じたい紙の大きさも自由自在。
ノリやテープによる、紙の変色も防げて一石二鳥です。

色合いを考えて貼ったら、
なんだかいい感じ。

ここ最近、紙ものは、すてき! と思っても
すぐに処分していたけれど、
そんなのもったいない。
紙っていいな、
やっぱり、紙っていい。

そのことを、
アコーディオンアルバムが、
気づかせてくれたのでした。

2021-08-29-SUN