REPORT

ごはんの時間。
伊藤まさこ

メニューを考えてから食材を揃える、
というスタイルから、
いまあるもので工夫するスタイルへ
みんなの暮らしがちょっと変化しているいま、
伊藤まさこさんはどうしているのかな? 
と気になりました。
きいてみたら「なるべく外に出ないように、
ストックや乾物を使ってやりくりしているんですよ」と。
冷蔵庫のなかに食材がたくさんあるときよりも、
あんまりない中からあたらしい味が生まれることがあると、
知人の料理家のかたから聞いて、
「よしっ!」と思ったのだそうです。
どうやら伊藤家の食卓は、
いまある食材を無駄にせず、
足りない食材は工夫して、
テーブルやうつわも考えて(ここはプロ!)、
ごはんの時間をたのしくする
アイデアにあふれているみたい。
そこで、伊藤さんに、いまの気持ちで、
ほんとうにつくっているものを
紹介してもらうことにしました。

[12]おみそ汁ふたつ

ごはんとおみそ汁があれば、
なんとかなる。
おかずがなくたって、
このふたつさえあれば。

今日は、満足感でいっぱいになる、
おみそ汁をふたつ、紹介します。

まずひとつめは、
塩漬けの豚肉を使ったキムチ入りおみそ汁。

豚バラ肉はいつもかたまりで買い、
たっぷりの塩をまぶして使いやすい分量に切り、
それぞれラップをして冷蔵庫で保存をしています。

これで1週間くらい日持ちが可能。
使うときは、汁気をよくふきとってからどうぞ。

鍋にだし汁を煮立て、
食べやすい大きさに切った豚肉(厚めがおいしい)と、
大きめにちぎった木綿豆腐を入れ、
火が通ったら味噌を入れ味をととのえます。

豆もやしは、
沸騰した鍋に軽く塩を入れてから蓋をして
1分ほど火を通します。

おわんに、みそ汁をそそぎ、
豆もやしとキムチを盛って完成。

少しずつキムチの味を全体になじませながら、
食べるのが好きです。

もうひとつは、以前ほぼ日
「白めしかっこみ隊」のコンテンツでも紹介した、
豚バラ肉とごぼうの赤だし。

塩漬けの豚バラ肉をうすーく
(もちろん薄切りにしたものを買っても)切り、
ささがきしたごぼうとごま油でよく炒めます。

だしを注ぎ、火が通ったら赤だしで味をととのえて。

キムチ入りも、ごぼうと豚バラのおみそ汁も、
どちらも白いごはんにぴったり。
一杯で十分満足だし、
ちょっと目先が変わっていいでしょう?
ぜひおためしあれ!

2020-04-21-TUE