時代を超えて長く着られる
「ニューベーシック」を提案する日本のブランド、
「TICCA(ティッカ)」が
「weeksdays」に初登場します。
traditional /伝統的な、歴史的な、正統の
individual /個性的、個々の、個人
contemporary /現代的な
comfortable /心地よい、快適な
attractive /魅力的、かっこいい
という5つのキーワードが名前の由来。
形はベーシックでも、10年後、20年後、30年後と、
ヴィンテージになっても残っていくような、
うつくしくて長く着られる製品をつくるため、
TICCAはどんな努力をつづけてきたのでしょう?
ブランドがスタートした年に営業として加わり、
現在はデザイナーを務める上村功さんに、
ブランドのあゆみや服づくりの技術のこと、
そして今回扱う
「シャツチュニックプルオーバー」の魅力について、
伊藤まさこさんがお話を聞きました。
上村功さんのプロフィール
上村功
TICCAデザイナー。
ブランドのディレクションや商品開発を担当。
桑沢デザイン研究所
ファッションデザイン専攻科夜間部を卒業後、
レディースブランドやメンズブランドで、
商品企画、営業、生産など
服作りに関わるさまざまな仕事を学び、
株式会社FLAPPERSに入社、現在に至る。
「好きなことが仕事になりました」
という、生粋のものづくり人。
034色、4通りの織り方で
- 伊藤
- 今回扱わせていただくシャツは、
TICCAの定番でしょうか。
- 上村
- はい。
定番をベースに作ったシャツチュニックです。
今年10年目になるTICCAの定番アイテムで
「スクエアビッグシャツ」というのがあって、
それをベースに、
スリットやタックのようなディテール部分に
ヴィンテージの要素を加えたりしています。
襟が小さめなのがTICCAのシャツの特徴ですね。
- 伊藤
- 丈も長めなところがいいですね。
それにしても、
ステッチや縫い代の始末が本当にきれい。
シャツはとくに、縫製がすごく大切な気がします。
- 上村
- そうなんですよね。
シャツの縫製は、普通のとはまったく違います。
一般的なシャツの場合、
ステッチの本数って
3cmの間に10~15針くらいなんですけど、
これは18~19針くらい。
そのぶん縫う時間はかかりますけど、
細かいから丈夫に仕上がりますし、
見た目の美しさにも現れます。
- 伊藤
- うん。
しっかりした感じが伝わってきます。
生地はどんなものになりますか。
- 上村
- これはヨーロッパの老舗ファクトリーで
作ってもらっている、
シャンブレー(タテ糸とヨコ糸で
異なる色の糸を使った平織り生地)生地を使っています。
そのファクトリーは、
綿100%のシャツ地が本当に素晴らしくて、
有名なメゾンからも受注されているんですよ。
TICCAからも別注で生地を依頼していて、
毎年定番アイテムと、
新しい柄もいくつかお願いをしています。
- 伊藤
- シャンブレーにしては
つるっとして光沢感がありますね。
もしかして、糸が細いんでしょうか?
- 上村
- おっしゃるとおりです。
一般的なシャツの番手(糸の太さを表す単位で
番手の数字が大きいほど細い糸になる)は60番ほどで、
細くても100番くらいですが、
TICCAのシャツは140番という
とても細い糸を使っています。
織ったときに目も細かくなるので、
艶が出て品よく仕上がるのは意識している点です。
女性のメイクでたとえるなら、
目立つ色を使うわけではないけれど、
化粧水で土台の肌がきれいに見える感じでしょうか。
服の場合は着た人をどこか光らせるのが、
丁寧な縫製や生地の艶から生まれる「品」だなと思って、
とても大切にしています。
- 伊藤
- たしかに撮影でも、
モデルの方の魅力を差し引いても
すごく品よく映えてました。
- 上村
- 2色の糸を使うことで
動いたときに角度の変化でニュアンスが生まれるので、
着る方の所作もきれいに見えたらいいな、
という思いがあります。
- 伊藤
- すごい!
所作まで考えられているんですね。
今回取り扱わせていただく4色は、
素材は同じですか?
- 上村
- 素材はすべて綿100%ですが、
織り方がそれぞれ違います。
チャコールグレイだけ綾織り(タテ糸とヨコ糸を
何本かずつずらして交差させ、生地表面に
斜めの線〈綾目〉が現れる織り方)で、
他の3つが平織り(タテ糸とヨコ糸を
1本ずつ交互に交差させる織り方)です。
シャツ生地の色の作り方には、
でき上がった生機を染める「後染め」と、
先に糸を染めてからシャツ生地に織っていく
「先染め」とあるんですが、
TICCAのものはほとんどすべて「先染め」です。
- 伊藤
- 「先染め」は「後染め」よりも
立体感がある感じになりますね。
- 上村
- そうですね。
とくにブルーは「刷毛目(はけめ)」模様が入った、
TICCAの特別なカラーです。
ブルーと白の2色の糸を使って織っていて、
ブルーの糸はすごく深い青ですけど、
白糸と合わさって落ち着いた色味になります。
タテ糸にブルーと白が交互に、
ヨコ糸にも白、ブルー、白と、順番に入れて織ることで
刷毛でサッと描いたような表情ができ上がります。
- 伊藤
- あ、タテ糸は全部ブルー、
ヨコ糸はすべて白、ではないんですね。
- 上村
- はい。それぞれ交互に色を入れてあるんです。
「刷毛目」模様って
もっとはっきりしたものはよく見かけるんですけど、
これは糸が細いぶん、限りなく無地に近い刷毛目です。
けれど、無地よりも奥行きが出て、
すごくいい色に仕上がります。
この色と細い糸、織り方からできる、
一番美しい生地だなと感じます。
- 伊藤
- ブルーだけでなく、
他の色も糸の配列や織り方が違うんですか。
- 上村
- はい。
それぞれの色ごとに、
ベストな織り方と糸の配列で作っています。
ブラックロンドンストライプも、
糸が細いから縦の線がパキッと出せるんですよね。
ホワイトは、糸の細さや原料のよさが出た
艶やかな色になっています。
4色とも、永遠のベーシックカラーだと思います。
- 伊藤
- TICCAのお客さまは、
おいくつくらいの方が多いですか?
- 上村
- ブランドとしては世代を問わず
着ていただける服を展開していますが、
今は40代~50代のお客さまが多いです。
- 伊藤
- 品よく着られるし、
グレイヘアにもかっこよく似合いそうですね。
- 上村
- そうなんです。
親子で買ってくださっている方もいますし、
「今は自分で着てるけど、
いつか娘に譲るためにコレクションを揃えてる」
という方もいらっしゃいます。
- 伊藤
- わぁ、素敵。
ベーシックだから長く着られますものね。
リピート率も高そうな気がします。
- 上村
- ありがたいことに、
続けて購入される方は多いですね。
- 伊藤
- このシャツも、
これからの季節に出番が多くなりそう。
たのしませていただきますね。
どうもありがとうございました。
- 上村
- こちらこそ、ありがとうございました!
(おわります)
2026-09-23-WED