ほぼ日が「マンガ部」をはじめます。
「マンガ部って、なあに?」という問いを、
じぶんたち自身にも投げかけるように、
「ほぼ日マンガ部」最初のメンバーである
「糸井」「皆川」「サノ」の3人で話をしました。
募集ページを読んでいただいている今この時間が、
誰かにとっての「新しい夢」の
幕開けになっていたらいいなと、
そしてこの募集がそんな「あなた」と
出会える場になっていったらいいなと、
部員一同、心から思っています。
ぜひ、応募の参考にしていただけたら幸いです。

>マンガ担当:山本さほ

山本さほ(やまもと・さほ)

1985年生まれ。幼少時代からの
親友「岡崎さん」との友情や
子供時代の思い出を描いた
自伝的作品『岡崎に捧ぐ』を
ウェブサイト「note」に掲載し、大きな話題になる。
現在、『無邪気な16bit』(週刊ファミ通)、
『おかあさんクエスト』(文春オンライン)を連載中。

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糸井
最近は、それ以外の「マンガで生きていく方法」を
見つけはじめてる人もちょっとずつ出てきてるけど、
それも基本的には「一人立ち」のかたちがほとんどだし、
やっぱり大部分の人はいまだに、
「大人気連載作家を目指す競争」のなかにいますよね。
でも、「デザイナー」ってそうじゃないじゃないですか。
「作家性」で勝負して独立してる
有名なデザイナーもいれば、
会社に勤めて、すっごいでかい仕事をしてる人もいる。
大きい会社だろうと小さい会社だろうと、
「会社勤めのデザイナー」はいろんなところで、
ものすごく力を発揮してますよね。
皆川
はい。めちゃくちゃ活躍しています。
糸井
「コピーライター」にしたって、
ぼくも前いた会社が潰れちゃって
ならざるを得なくてフリーになっただけで、
本来はフリーで争いながら仕事を取ってくのに
向いてる職業じゃないんですよ。
大きい仕事になると1年かけたりもするし、
腰据えてやろうと思ったらやっぱり大変なんですよね。
でも「会社勤めのコピーライター」なら、
営業の人がいてくれたり、
ディレクターの人がいてくれたりっていう、
「チームプレイ」の中での仕事がしっかりあるわけで。
デザイナーもコピーライターも、
イラストレーターなんかもそうですけど、
「作家性」の世界もあるけど、
「大人気作家だけの仕事」ではないじゃないですか。
作家性の競争じゃないところにも
「やれること」や「活躍できる場所」がたくさんあって、
デザインとか、コピーとか、イラストが好きな人は、
それを仕事にしてますよね。
「マンガ」にはまだ、そっちの世界がないんです。

サノ
「マンガ部」は、
「そっちの世界」に足を踏み出していくことになる。
糸井
そう。
「マンガを仕事にしたい人」のなかには、
「安定したところで才能を発揮できる人」だって
本当はいるはずだと思ったんですよ。
「作家」として連載を狙ったり、
「インターネットでたくさん
いいねがもらえる人」を目指したり、
そういう競争の中でひとりで
やっていきたいっていうのも
もちろんこれはこれであるけど、
そういう人ばっかりじゃないよなと。
生活のために、
我慢してあんまりやりたくないことをしながら
マンガを描いてる人だっていますよね。
でも「マンガ部」なら、
お給料もあって、そのお金で家族も養えて、
べつのアルバイトもかけもちしなくていい。
結婚したいとか、家を買いたいとか、
そういう「じぶんの人生全体」を考えたときにも、
「ほぼ日でマンガの仕事をやってるんです」と言える。
「マンガ」を仕事にしながら
安定した生活と信用が得られるんだとしたら、
それはたったひとりで頑張ってるよりももしかしたら、
「いろんな芽の出し方」が見えてくるかもしれない。
だって、会社だったら、仲間に応援されながら
いろんなことをやれるじゃないですか。
その人のやりたいことに対して
「どうやって『価値』を生みだすか」は、
ぼくら仲間と一緒にやれるから。
ぼくらが一緒に考えられるから。
皆川
そうですね。
糸井
会社員として「YouTubeでアニメ作る」
みたいなことだって今はもう無限にありますし、
「ぬいぐるみをつくりたい」みたいなことだって、
「マンガ部」の仕事かもしれませんよね。
あるいは、いまほぼ日がやってることについて、
「マンガの力をつかったら、
もっとおもしろいことができるんじゃない?」
ってことを考えついたらもう、
仕事できるじゃないですか。
ほぼ日そのものも、
いろんなメディアを持ってますから。
たとえば今年、赤城山に
「ほぼの駅 AKAGI」をつくりましたけど、
あの場所だって新しい「メディア」ですよね。
もしかしたらあそこにも、
「マンガの好きな人」「マンガの得意な人」が
やれることってあるかもしれない。
そう考えたら、「デザイナー」くらいの場所に‥‥
「マンガー」っていうのはあるはずなんです。

サノ
どういう呼び方にするのかはさておき(笑)。
糸井
さておき(笑)、
その力を発揮できる場所って
もっともっといっぱいあるはずだよ、
というのが「マンガ部」なんです。
それこそ、「いや、やっぱりじぶんは
作家性の世界で勝負したいんだ」という人だって、
正社員なのか、業務委託なのか、
組み方はいろいろあると思うけど、
ほぼ日と何かお給料が発生するような契約の仕方で、
そういう活動や挑戦をするやり方を
見つけられるかもしれないですよね。
もちろんひとりでがんばる道にだって、
大成功したら大きな会社とタッグを組んで
いろんなことができるようになっていく未来はあるけど、
そういう「チームプレイのおもしろさ」が、
会社なら、最初からあるじゃない。
つまり、
「ほぼ日マンガ部に入ったらマンガ家になれますか」
っていう人がいたら、それはぼくたちにはわかんない。
でも、その人が「マンガ家」を志すうえでの
「有意義な手伝い方」はできるかもしれない。
「ああ、やっぱり
ほぼ日のマンガ部にいた人は違うよね」みたいな、
ほぼ日マンガ部で一緒にはたらいた経験が
「マンガ家」っていうものとして立っていくときに
その人の背中を押すような、
そういうことはできるかもしれないですよね。
‥‥っていうようなことを、
最近はもう、毎日考えてるんです。
サノ
「ほぼ日マンガ部」が生まれたことでいつか、
「会社勤めのマンガー」が
当たり前になっていったらおもしろいですよね。
糸井
そう、考えてみれば、
世界の会社に「デザイン部」ができたのだって、
それほど昔のことじゃないんですよ。
デザイン部もはじめは、
「いったい何のデザインするの」って、
たとえば極端な話、明治時代の人からしたら
不思議がられたと思いますよ、「デザイン部」。
でもいまや、もう当たり前ですよね。
何やるにしたって、「デザイン」は絡んでくる。
「マーケティング部」っていうのもそうですよ。
「ああ、そういえば、戦後にあったのかなあ」
と思えば、絶対なかったくせに、
今じゃあすっごくでかい顔してるじゃない。
皆川
(笑)。
今ではもう、会社にあるのが常識になってますもんね。

糸井
常識ですよね。
そう考えていったら、
「マンガ部」だって、今はまだないけど、
つくってみたらほぼ日にとどまらず、
勝手に自己増殖して、力を持つんじゃないか。
たとえば仮にだよ、
トヨタ自動車に「マンガ部」ができたとして。
トヨタに「マンガ」についてすごく理解のある、
センスのいいアートディレクターがいたとして、
「トヨタ自動車で『マンガ部』をつくっちゃったんだけど、
いま、君しかいないんだよね」って言われたとしたら、
彼、絶対、仕事あるよね。山ほどあるよね。
それの例がまさに「トヨタイムズ」で、
トヨタは「映像」でそれをやったじゃないですか。
それと同じように、「マンガ部」ができたら、
トヨタは絶対新しいことができると思う。
たぶん、想像できないくらいいろんな仕事が生まれる。
そんなことを思わせるくらい、
「マンガ」っていう材料が、
可能性のある、すごいものだとぼくは思ったので。
それで、なんだかしらないけど俺、
「ほぼ日でマンガ部やろう」って決めたんだよ。

2026-02-13-FRI

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