
ほぼ日が「マンガ部」をはじめます。
「マンガ部って、なあに?」という問いを、
じぶんたち自身にも投げかけるように、
「ほぼ日マンガ部」最初のメンバーである
「糸井」「皆川」「サノ」の3人で話をしました。
募集ページを読んでいただいている今この時間が、
誰かにとっての「新しい夢」の
幕開けになっていたらいいなと、
そしてこの募集がそんな「あなた」と
出会える場になっていったらいいなと、
部員一同、心から思っています。
ぜひ、応募の参考にしていただけたら幸いです。
- 糸井
- 最近は、それ以外の「マンガで生きていく方法」を
見つけはじめてる人もちょっとずつ出てきてるけど、
それも基本的には「一人立ち」のかたちがほとんどだし、
やっぱり大部分の人はいまだに、
「大人気連載作家を目指す競争」のなかにいますよね。 - でも、「デザイナー」ってそうじゃないじゃないですか。
「作家性」で勝負して独立してる
有名なデザイナーもいれば、
会社に勤めて、すっごいでかい仕事をしてる人もいる。
大きい会社だろうと小さい会社だろうと、
「会社勤めのデザイナー」はいろんなところで、
ものすごく力を発揮してますよね。
- 皆川
- はい。めちゃくちゃ活躍しています。
- 糸井
- 「コピーライター」にしたって、
ぼくも前いた会社が潰れちゃって
ならざるを得なくてフリーになっただけで、
本来はフリーで争いながら仕事を取ってくのに
向いてる職業じゃないんですよ。
大きい仕事になると1年かけたりもするし、
腰据えてやろうと思ったらやっぱり大変なんですよね。
でも「会社勤めのコピーライター」なら、
営業の人がいてくれたり、
ディレクターの人がいてくれたりっていう、
「チームプレイ」の中での仕事がしっかりあるわけで。 - デザイナーもコピーライターも、
イラストレーターなんかもそうですけど、
「作家性」の世界もあるけど、
「大人気作家だけの仕事」ではないじゃないですか。
作家性の競争じゃないところにも
「やれること」や「活躍できる場所」がたくさんあって、
デザインとか、コピーとか、イラストが好きな人は、
それを仕事にしてますよね。
「マンガ」にはまだ、そっちの世界がないんです。
- サノ
- 「マンガ部」は、
「そっちの世界」に足を踏み出していくことになる。
- 糸井
- そう。
「マンガを仕事にしたい人」のなかには、
「安定したところで才能を発揮できる人」だって
本当はいるはずだと思ったんですよ。 - 「作家」として連載を狙ったり、
「インターネットでたくさん
いいねがもらえる人」を目指したり、
そういう競争の中でひとりで
やっていきたいっていうのも
もちろんこれはこれであるけど、
そういう人ばっかりじゃないよなと。 - 生活のために、
我慢してあんまりやりたくないことをしながら
マンガを描いてる人だっていますよね。
でも「マンガ部」なら、
お給料もあって、そのお金で家族も養えて、
べつのアルバイトもかけもちしなくていい。 - 結婚したいとか、家を買いたいとか、
そういう「じぶんの人生全体」を考えたときにも、
「ほぼ日でマンガの仕事をやってるんです」と言える。
「マンガ」を仕事にしながら
安定した生活と信用が得られるんだとしたら、
それはたったひとりで頑張ってるよりももしかしたら、
「いろんな芽の出し方」が見えてくるかもしれない。 - だって、会社だったら、仲間に応援されながら
いろんなことをやれるじゃないですか。
その人のやりたいことに対して
「どうやって『価値』を生みだすか」は、
ぼくら仲間と一緒にやれるから。
ぼくらが一緒に考えられるから。
- 皆川
- そうですね。
- 糸井
- 会社員として「YouTubeでアニメ作る」
みたいなことだって今はもう無限にありますし、
「ぬいぐるみをつくりたい」みたいなことだって、
「マンガ部」の仕事かもしれませんよね。
あるいは、いまほぼ日がやってることについて、
「マンガの力をつかったら、
もっとおもしろいことができるんじゃない?」
ってことを考えついたらもう、
仕事できるじゃないですか。 - ほぼ日そのものも、
いろんなメディアを持ってますから。
たとえば今年、赤城山に
「ほぼの駅 AKAGI」をつくりましたけど、
あの場所だって新しい「メディア」ですよね。
もしかしたらあそこにも、
「マンガの好きな人」「マンガの得意な人」が
やれることってあるかもしれない。 - そう考えたら、「デザイナー」くらいの場所に‥‥
「マンガー」っていうのはあるはずなんです。
- サノ
- どういう呼び方にするのかはさておき(笑)。
- 糸井
- さておき(笑)、
その力を発揮できる場所って
もっともっといっぱいあるはずだよ、
というのが「マンガ部」なんです。 - それこそ、「いや、やっぱりじぶんは
作家性の世界で勝負したいんだ」という人だって、
正社員なのか、業務委託なのか、
組み方はいろいろあると思うけど、
ほぼ日と何かお給料が発生するような契約の仕方で、
そういう活動や挑戦をするやり方を
見つけられるかもしれないですよね。 - もちろんひとりでがんばる道にだって、
大成功したら大きな会社とタッグを組んで
いろんなことができるようになっていく未来はあるけど、
そういう「チームプレイのおもしろさ」が、
会社なら、最初からあるじゃない。 - つまり、
「ほぼ日マンガ部に入ったらマンガ家になれますか」
っていう人がいたら、それはぼくたちにはわかんない。
でも、その人が「マンガ家」を志すうえでの
「有意義な手伝い方」はできるかもしれない。
「ああ、やっぱり
ほぼ日のマンガ部にいた人は違うよね」みたいな、
ほぼ日マンガ部で一緒にはたらいた経験が
「マンガ家」っていうものとして立っていくときに
その人の背中を押すような、
そういうことはできるかもしれないですよね。 - ‥‥っていうようなことを、
最近はもう、毎日考えてるんです。
- サノ
- 「ほぼ日マンガ部」が生まれたことでいつか、
「会社勤めのマンガー」が
当たり前になっていったらおもしろいですよね。
- 糸井
- そう、考えてみれば、
世界の会社に「デザイン部」ができたのだって、
それほど昔のことじゃないんですよ。 - デザイン部もはじめは、
「いったい何のデザインするの」って、
たとえば極端な話、明治時代の人からしたら
不思議がられたと思いますよ、「デザイン部」。
でもいまや、もう当たり前ですよね。
何やるにしたって、「デザイン」は絡んでくる。 - 「マーケティング部」っていうのもそうですよ。
「ああ、そういえば、戦後にあったのかなあ」
と思えば、絶対なかったくせに、
今じゃあすっごくでかい顔してるじゃない。
- 皆川
- (笑)。
今ではもう、会社にあるのが常識になってますもんね。
- 糸井
- 常識ですよね。
そう考えていったら、
「マンガ部」だって、今はまだないけど、
つくってみたらほぼ日にとどまらず、
勝手に自己増殖して、力を持つんじゃないか。 - たとえば仮にだよ、
トヨタ自動車に「マンガ部」ができたとして。
トヨタに「マンガ」についてすごく理解のある、
センスのいいアートディレクターがいたとして、
「トヨタ自動車で『マンガ部』をつくっちゃったんだけど、
いま、君しかいないんだよね」って言われたとしたら、
彼、絶対、仕事あるよね。山ほどあるよね。
それの例がまさに「トヨタイムズ」で、
トヨタは「映像」でそれをやったじゃないですか。
それと同じように、「マンガ部」ができたら、
トヨタは絶対新しいことができると思う。
たぶん、想像できないくらいいろんな仕事が生まれる。 - そんなことを思わせるくらい、
「マンガ」っていう材料が、
可能性のある、すごいものだとぼくは思ったので。
それで、なんだかしらないけど俺、
「ほぼ日でマンガ部やろう」って決めたんだよ。
2026-02-13-FRI
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