
ほぼ日では、とても久しぶりに
商品づくりを担当する乗組員を募集します。
来てほしい人のイメージを
できるだけ正確に伝えられたらと、
ほぼ日の商品チーム出身で、現社長である
小泉絢子の思いを紹介させてください。
できるだけ率直な言葉を引き出そうと務める
インタビュアーは、古い付き合いの編集部の永田。
(ほぼ日の昔からの読者の方にはおなじみ、
「連ドラチェック」記事のコンビでもあります)
一般的な採用情報と比べると、ずいぶんラフで
ストレートな内容かもしれませんが、
本気で検討される方には、きっと参考になるはず。
ぜひ読んでみてください。
小泉絢子
株式会社ほぼ日、代表取締役社長(2025年~現在)。
2001年に学生アルバイトとして初期のほぼ日に入社。
以降、商品部でほぼ日手帳の立ち上げを
担当したのち、長く商品部長を務める。
さっぱりした性格で、ものすごくよくしゃべる。
趣味はTVドラマ鑑賞で、昔からの読者の方には
『連ドラチェック!』という人気シリーズで
ドラマについて情熱的にしゃべる人としても知られる。
社内での呼ばれ方は、社長になったいまも
「あやちゃん」「あやさん」など。
永田泰大
株式会社ほぼ日取締役、ほぼ日編集部長。
2003年入社、ほぼ日の昔からのメンバーで、
小泉絢子とは同僚として旧知の仲。
数多くの読みものコンテンツを手がけているほか、
商品では『MOTHER』や『yozora』などを担当。
おもしろいコンテンツ、ほぼ日ならではの
コンテンツを作りたい思いがとにかく強い。
写真にうつるのは大のニガテ。
無愛想、不機嫌と言われますが、怒ってません。
ゆりこ(加藤百合子)
人事チームのほぼ日新人乗組員。
入社して数ヶ月、まだ右も左も
わからないなかで今回の採用に携わる。
「独自のおもしろさが
たくさんある会社だなあ‥‥」と、
ただいまいろいろ吸収中。
- 永田
- いままでの話って、ほぼ日のほかの採用でも
共通しそうな話だったけど、
今回の募集は、これからの商品チームを
引っ張っていってくれる人と出会いたい採用ですよね。
今回ならではの募集人材って、どういう人だろう?
- 小泉
- そうですね。
まず思うのが、育てるのが好きな人に来てほしい。
企画を立ち上げて終わり、じゃなくて。
- 永田
- なるほど、「育てるのが好きな人」。
- 小泉
- やっぱりうちの会社って、ゼロイチ、
0から1を生み出すのが好きな人が
多いとは思うんです。
実際、それっておもしろいし。 - だけど今回出会えたらいいなと思っているのは、
生み出された1の商品を10にするとか、
10から100、100から1000にするとか。
これ、それぞれ違うフェーズとは言いますけど、
ざっくりとそういう
「育てていくのが得意な人」っていう。 - 「改良で商品がぐっとよくなったね」、
「新しいトライでお客さんが増えたよね」、
「クオリティを保ったままコストが削減されたね」、
あとは「全然違う路線に変更しよう」も含めて、
つくって終わりじゃなくて、
商品を育てるのが好きな人がほしいかな。
- 永田
- じゃあ、ゼロイチが得意な人は、
今回そんなに求めてない?
- 小泉
- あ、いや、そこは「両方募集します」で
いいかなと思ってます。 - 育てるのが好きな人に会いたい、
という気持ちがすごくありますけど、
同時に、ほぼ日のものづくりに力を貸してくれる
ゼロイチが得意な人にも会えたら嬉しいので、
そういう人はもう
「私、ゼロイチのほうが俄然得意なんです」とか、
「立ち上げマシーンです」とか、
正直に言ってくれればいいです。
で、そういう人は1を10にするのが
得意な人と組んで一緒にやればいいと思う。
- 永田
- まさに「両方募集します」だね。
でも「商品を育てていく」って、
実際のところ、ものすごく難しいよね。
- 小泉
- 難しい! 難しいと思います。
でもそこであきらめない心を持って、
進んでいける人に出会いたい。
それも、ただそのまま続けるんじゃなくて
「同じことをくり返さない」気持ちで
取り組んでいってくれる人だといいですよね。
- 永田
- つまり、ゼロイチで立ち上がったものを、
工夫しながら育てていくような人。
- 小泉
- そう。たとえば、うちの大きな柱である
「ほぼ日手帳」って、毎年、かならず、
新しいものを発売するじゃないですか。
そのときに「去年と違うものにしよう」と思って
毎回、毎回、新しい商品をつくってきたから、
いまがあると思っているんですね。 - また、ある程度大きくなってきたあとも、
「海外で待っている人たちに
もっと届けるためにはどうしよう?」って、
販路を拡大するメンバーが増えたり、
「もっと知ってもらえるんじゃないか?」って、
SNSで伝えるメンバーが来てくれたりして、
大きくなってきた歴史があるわけです。 - そういうふうに、
育てることに粘り強く取り組めて、
それ自体をおもしろがりながら
しっかりつくって育ててくれる人がいたら。
- 永田
- おもしろがりながらやれる人、
というのはいいね。
- 小泉
- うん、やっぱりいろんな仕事に
おもしろさを見出してほしいですよね。 - 明石家さんまさんが師匠から言われたという
名言がありましたよね。
いいですよね、あれ。
なんでしたっけ、あれ。
- 永田
- ええと、明石家さんまさんが修行中のころ、
廊下かなんかを掃除してたら、
師匠の笑福亭松之助がやってきて、
「掃除は、おもろいか?」と聞いたと。
そこでさんまさんが
「おもろないです」と素直に答えたら、
「そやろ」と。
「そやから、おもろぅするんや」と
言われたという話。
- 小泉
- それ、それ!
「あらゆる仕事は、自分の心持ち次第で
おもしろくできるよ」っていう。 - あと、欽ちゃんの「不本意だよ」もお願いします!
- 永田
- ええと、それは欽ちゃんこと萩本欽一さんが、
糸井さんとの対談のなかでおっしゃったことで。
対談のなかで、
「もともとこういう仕事をしたかったんですか?」と
糸井さんが聞いたときに、こうおっしゃった。
「したくない仕事しか来ないんです。
でも、運はそこにしかない。
あらゆる仕事というのは不本意なものだから」
- 小泉
- それ、それ、それ!
- 仕事って本当に、そういうところはありますよ。
思ってもみないところからしか、
芽は出ないものだから。 - あとはね、吉本隆明さんがおっしゃってた
「ひでぇ目に遭った人」もいいですね!
- 永田
- ええと、それは、なんだっけな‥‥。
- 小泉
- あ、これは自分で思い出せます。
吉本隆明さんが、
「ひでぇ目に遭った人」のほうが
まわりの人に届くことばを言えるんだぞ、
というようなことをおっしゃっていたと思います。
やっぱり、そうやって経験した
「ひでぇ目」って、なにかしらの
ちからになってたりするものだから。
えっと、違いました?
- 永田
- ‥‥検索したところ、それは、
『ヨブ記』の「神とヨブの対話」を
吉本さんが解説したなかに
でてくる話ですね、どうやら。
- 小泉
- ひぇぇ、そんなすごいテーマでしたっけ!
- 永田
- いや、でも、テーマというか、
あやちゃんが言いたいことは合ってます。
ひどい目、つまり極限の経験みたいなことをすると、
理不尽に感じるかもしれないけど、
そのおかげで得るものはある、と。
- 小泉
- そういう感じのことが言いたかったんです。
さっきも言いましたけど、仕事って、
「なんで?」っていうことがやっぱり起こって、
でも、そういう経験が、その人の実力になるし。
逆に、そういう目に遭ってないと、
本当の意味での実力はつきにくいのかなっていう。
これはいまのご時世には合わないけど、
そういうことも思いますよね。
- 永田
- なるほど。
つまり、あれだね、総合的にいうと、
だいぶ「つわもの」(兵・強者)に
来てほしい感じがあるんだね、今回の募集で。
- 小泉
- それはもちろんありますよ。
つわものたちに来てほしい。
夢のあとにはしないから!
- 永田
- よくわかりませんが。
- 小泉
- 逆に永田さんは、今回の採用について、
「こんな人が合いそう」とかってありますか?
- 永田
- あ、ぼくから?
そうですね‥‥今回は商品の企画を
しっかりやってくれるような人だよね。
言ってみれば、他社では
エースとしてやってました、というような。
- 小泉
- そうですね、理想としては。
- 永田
- なんていうのか、うちの会社って、
入ってきたばかりの人が、
前の会社でやってきた方法にのっとって
漠然といい企画書を出しても、
ハマらないことが多い気がするんですよ。
その企画が純粋にいいだけでは。
- 小泉
- うん、うん。
- 永田
- でも、そのときどきの流れとか、
それまでの文脈があるなかで、
「そういうことならこうしましょう!」
という感じで出される企画やアイディアだと、
「いいね、やろう!」ってなりやすい。
- 小泉
- ああ、そういう面はあるかも。
- 永田
- だから、
「家でひとりで大きな計画をまとめてきました。
これでどうでしょう!」みたいなケースって、
その企画の良し悪しの前に、
社内のみんなをうまく巻き込めなくて、
実現する流れができにくいというか。 - そうなると、その人もそこで
「この計画のどこがいけなかったんだろう?」
みたいに悩みだして、停滞時期が長くなる。
- 小泉
- そうですね。そうなると、気の毒ですよね。
- 永田
- だから、個人のちからだけで動く人よりも、
時代とか、お客さんとか、会社とかの
流れや文脈のなかで自分の能力を活かせて、
さらに社内の人、隣の人たちを
巻き込めるかどうかが大切だと思う。 - その人が単独で能力があっても、
周りのみんなと相談できたりしないと、
力を発揮するまで、時間がかかる気がする。
- 小泉
- たしかにそれはありますね。
うちはやっぱり、生煮えだろうが、
まわりといっしょになって、
企画を「揉んでいける人」のほうがいい。
- 永田
- そうだよね。
さっきあやちゃんが言った、
「自分の意見を1ミリも動かさない人」だと
ハマりにくいのと同じで。 - 1ミリどころか、もう人の意見で
だいぶグラグラになって、
「本来のやりたかったこととは
ぜんぜん違うけど、ここに落ち着きました!」
みたいなほうが、実現しやすいし、結果的に
「いい企画だったね」となりやすい気がしますね。
- 小泉
- そうね。そういう対応をできる人のほうが、
はやく力を発揮しやすい気はします。
2026-10-06-TUE
-
イラスト:気仙沼のサユミ
