
ほぼ日刊イトイ新聞の膨大なアーカイブから、
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
ぜひ読んでほしいコンテンツを選んで紹介する、
冬休みのほぼ日恒例企画!
いつもがアーティスト別のアルバムなら、
今回はコンピレーション・アルバム風。
毎日、さまざまなテーマに合わせて
ミックスした読みもの集をお届けします。
セレクト&解説は、ほぼ日編集部の面々が担当。
冬休みのおともに、ポチポチ読んでみてください。
こんにちは、ほぼ日編集部のハサダです。
前回につづき、ほぼ日のデザインチーム、
通称デザチーのプレイリストをおとどけします。
後輩もできて、ますます頼もしい
働き盛りの先輩デザイナーたちに
「このデザインが好き!見てほしい!」という
よみものコンテンツを自薦他薦問わず、
2つずつ選んでもらいました。
何年経ってもフレッシュさたっぷり
だけれどとっても頼もしい、
のプレイリストです。
星野らしく、どんな世代や人物にも
リスペクトのあるセレクト。
「記事の内容と清潔感のある
デザインの組み合わせにハッとしました。
扱いが難しいテーマですが、とっつきやすく、
さりげなくあたたかみがあって、
内容がスッと入ってきます。
このページのデザイン担当は
入社2年目のデザイナーです。
『こんなデザインができて、いいな!
自分ももっとがんばらなくちゃ‥‥』
と思いましたし、このデザインで
ロシアとウクライナの話に触れられたことが
いち読者としてありがたかったです」(星野)
「今までで一番、迷わず作れたページです。
とにかくトップの上村さんの絵が強くて美しくて、
その力にぐいぐい引っ張られて
いつの間にかデザインができていました。
コンセプトは『叙情、色気、儚さ、危うさ、
手触りを読む人に感じさせたい!』。
書籍の表紙をデザインするような
気持ちで取り組みました。
第2回目の『下り坂でペダルを踏んだ』
というエピソード、
読むたびに胸がいっぱいになります」(星野)
色への感覚が長けていて、
うつくしいものをこよなく愛する
のプレイリスト。
その美的感覚に触れるようなラインナップです。
「とにかく“おいしそう!”だと思いました。
長野陽一さんの撮るおいしいポートレートを、
大きいサイズで(とくにPCは大きく表示できる)
見られるところも好きです。
ページから香り、匂いが
ただよってくる感じがします。
ワタナベケンイチさんの題字まで
おいしそうだなと思いました」(諏訪)
「座布団が1枚だけある
静かな写真をスクロールしていくと、
柳家権太楼さんが現れました。
チラシや書籍のデザインの世界にはない
スクロールという特徴を活かしていて
自然に本文に誘われました」(諏訪)
“妖精”のような可憐さ同様、
洗練されたデザインがとくいな
のプレイリストです。
チャーミングなユーモアも忘れない、
森の不思議な魅力が感じとれる気がします。
「初回のシリーズから少しずつ変化して
さゆみさんのイラストになり、
さらに現場の空気感が
そのままダイレクトに伝わってきて、
一読者としていつも楽しみにしている
コンテンツでした。
私が関わらせていただいたのはほんの少しですが
みちこさんのページ作成のお手伝いからはじまり、
最後の数シーズンを担当させていただいたことが
とてもうれしかったです。
毎回さゆみさんのイラストに圧倒されつつ、
歴史あるシリーズの熱量を
大切に取り組みました」(森)
「メッテさんの横顔とタイトルが
なんだかとても視覚的に
印象に残っているページです。
写真、言葉、書体、背景、レイアウト
全てが気持ちよく調和されていると思います。
私はその場にいなかったのですが、
その時の光や温度なども伝わってくる気がします。
ページ全体がメッテさんの雰囲気を
まとっているようで
ぐぐっと引き込まれてしまいました」(森)
ラストは大先輩の
で
締めくくりたいと思います。
実は、定年をむかえたばかり。
といっても、バリバリ働いているのですが、
「廣瀬にデザインの話を聞きたい」というのが
この企画を進めるきっかけでした。
数々手がけてきたよみものから選ばれた
廣瀬のプレイリストを、どうぞ。
「2011年9月から130回(!)の連載。
各回なんのつながりもほぼありませんが、
第1回から最終回まで順に見ていってください。
回を追うごとに凄みが増していき、
徐々にちょっとした中毒症状がでてきます。
10年以上経ったいま見返しても、
額に入れて飾りたい絵、ポスターにしたい絵、
Tシャツにプリントしたい絵がたくさん出てきます。
当時はまだスマホ版をつくっていなかったので、
PCの大きな画面で見ることを推奨します。
えつこミュウゼさんの、
独特で特殊な世界観の海で溺れてください」(廣瀬)
「2019年6月から11月までの5か月間で、
予告編3回、本編112回を数えた大作連載。
美しい写真と文章を
ダイレクトに読者に感じてもらうために、
プレーンな書体を使い、
抑制の効いたシンプルなデザインで見せています。
膨大な写真のなかから、
文章に違和感なく同居できるカットを選ぶ目も
同様にプレーンに。
『デザインされたもの』を感じさせないデザインが、
長い連載において、その内容を
まっすぐに読者に届け続けることができた
好例だと思います」(廣瀬)
(つづきます)
2023-12-28-THU