昨年、一昨年とたいへん好評いただいたので、
ことしもやります、年末年始の恒例企画、
「私のほぼ日プレイリスト」。
ほぼ日刊イトイ新聞の膨大なアーカイブの中から、
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
おすすめコンテンツを選んでしまうこの企画、
今回の選者は、ほぼ日刊イトイ新聞の読みものを
編集している、10人の書き手の乗組員です。
ということで、3年目のテーマは「自薦」!!
24年のほぼ日ヒストリーの中から、自ら担当した、
とっておきのコンテンツをたっぷりご紹介します。
12/26(月)から1/5(木)まで11日間の毎日更新。
この年末年始に、どうぞおたのしみください。

前へ目次ページへ次へ

6 永田泰大のプレイリスト 2022-12-31-SAT

ほぼ日でしかできないよなぁ、
と思うコンテンツを7つ。

今年もお世話になりました。
やあ、こんにちは、ほぼ日の永田です。

年末年始に過去のコンテンツを
いろんな切り口から読み直してもらおう、
という趣旨ではじまった「ほぼ日プレイリスト」。

今年のテーマは「自薦」です。
ほぼ日刊イトイ新聞の読み物をつくっている乗組員が、
過去に自分が担当したコンテンツのなかから
おすすめしたいものを自分でいくつか選んで
日替わりで紹介しています。

数日前からスタートしていますが、
これ、やってみたら、自分たちがおもしろかったです。
というのも、ふだん、あんまり聞かないですよ、
つくった当人がなにを自信作としてるかなんて。
ああ、あの人はこれを気に入ってるのか、
なんて、挙げているコンテンツを見ながら思ったりして。

さて、大晦日の今日は、私、永田の番です。
自分が担当したコンテンツのなかから、
気に入ってるものを選‥‥ぼうとしたのですが、
なにせ20年近くほぼ日で読み物をつくってますから、
たくさんあるんですよねー、自分のバックナンバー。

どうやって選ぼうかな、と思っているうちに、
自分なりのテーマが決まりました。

ひとりの書き手として、読み物のつくり手として、
「これ、ほぼ日じゃなきゃ無理だよなぁ」と
しみじみ思うようなものを7つ選んでみました。

たくさんの読者投稿を必要としたり、
やるとなるとやたらに長くなったり、
たんにばかばかしかったり、
複雑で説明しづらいけど
やってみるとおもしろかったり‥‥

そういったさまざまな理由で、
「ああ、こりゃよそじゃ無理だねぇ」と思うものを
永田が担当したもののなかから選んでみました。

なにしろ大晦日ですし、
いろいろ忙しいのに決まってますが、
気ぜわしいテレビやSNSにちょっと疲れたとき、
ほかではあんまり読めないおかしなコンテンツを
のんびりだらだら読んでみてください。

 

まずは、2006年の古いコンテンツからひとつ。
日常のなかにあって、字面はよく見るけれど、
「ちゃんと声に出して読めるか?」と言われると自信がない。
そういう難読系のことばを集めて載せていた、
「声に出して読めない日本語」、
通称「ヨメナ語」というのがあります。

これ、ことばの選択とか解説は
何人かで手分けつくっていたのですが、
すべてのことばの「例文」はぼくが担当していました。
これ、毎日連載で1日3つとか5つとか載せてたから、
ぜんぶで1500個くらいあるんだよなぁ。
だから、例文も1500個書いたってことだなぁ。

ええと、リンクしてあるページは、
全「ヨメナ語」の一覧ページです。
気になることばあったら、それをクリックしてください。
その先のページの「読みかた」というところを
クリックすると、読みと「例文」を読むことができます。

全部読むと来年が終わっちゃうので
ほどほどにしておいてください。
あと、2006年の連載なので、
取り上げてる固有名詞などが
ものすごく古くて時代を感じます。

 

いやぁ、しまったなぁ‥‥
テーマを「ほぼ日でしかできないコンテンツ」にしたから、
内容の説明がむずかしくてしょうがないよ。
へんなのばっかりなんだもん。

ええとね、これはね、昔やったんだけどね、
読者から絵はがきを募集したんですよ。
普通の。切手貼って送るような。郵便の。
で、実際に絵はがきを送ってくれた人には、
ほぼ日オリジナルの絵はがきを送り返したんですよ。
一枚、一枚。手分けして、住所書いて。

なにそれ? わけわかんない。
って思うよねー。でもやったんだよ。
しかも、募集してみたら、
そのおかしな遊びにみんな反応してくれて、
なんと3000通もの絵はがきが集まっちゃったわけ。

で、3000通も絵はがき集まるとどうなるかというとね、
ぼくも集めてはじめて知ったんだけどね、
もう、げらげら笑うくらいおかしいのよ。
よくもこんな絵はがきがあるなっていうくらい
変なのもくるし、普通のやつは普通のやつで、
なんか独特のおかしさがあるし。

ということで、絵はがきの世界のおかしさに、
ぼくがハマってしまって、
当時あった和室にこもり、
3000枚の絵はがきをじぶんなりに「編集」して、
紙芝居みたいなスライドショーにしたんです。

ほら、説明しても、わけわかんないでしょう?
まあ、ともかく、3000枚の絵はがきを
50のスライドショーに編集してみたので、
「超ヒマ!」という人は見てみてください。

ちなみに、この「絵はがき企画」が
のちの「メールするからメールしてね」に
つながっていくのです‥‥

 

ああ、これも、説明しづらい。
もう、なにも考えずに読んでみてもらえないか。
そんな紹介はさすがに乱暴すぎるか。

これはね、いってしまえば、いま流行りの、
リアリティショー的なコンテンツです。
ある日、ほぼ日の編集部に、実際に起きた事件。
その真相を、みんなで解いていく‥‥というもの。

おもしろそうでしょう?
いや、たぶん、なにも知らずに読んだら、
いまでもたのしめると思いますよ。
当時は実際に「犯人当て」のメールを募集して、
その推理がまたおもしろかったりしたんです。

当時、これが毎日更新されていたと思って、
最初から読んでみてください。
あっ、もちろん、くだらないし、
ばかばかしいですよ?

 

ええと、もう、なんていうんだろう、
自分の仕事を振り返れば振り返るほど、
「お前はいったいなにをやってるんだ?」という
自分ツッコミが止まらなくなってきた。

俺はいったいなにをやってるんだろう?

はい、これはね、オランダの、
「ピーター・ファンデンホーヘンバント」という
とても長い名前の水泳選手がいて、
「その名前は長すぎるんじゃないか?」という、
ただそれだけのテーマで、
読者のみなさまと投稿で遊んだのです。

おおもとは「観たぞオリンピック」シリーズの
アテネオリンピックのページで、
上にリンクを張ったページはそこから
「ピーター・ファンデンホーヘンバント」関連の
投稿だけをまとめたものです。

て、大丈夫? ついてきてます、みなさん?

 

ああ、このへんで、
ふつうのエッセイを紹介しましょう。
‥‥いや、ふつうのエッセイじゃないかもしれない。
でも、形式としては、エッセイです。ふつうの。たぶん。
まあ、だから、何が書かれているのかとか、
とくに気にすることなく、
気軽に読みはじめてみてください。
2018年の夏、暑いころに書いたものです。

 

かつて、ほぼ日がもっと小さな会社だったころ、
「ただいま製作中!」というコーナーは、
日々の仕事の様子を投稿しているだけなのに、
なかなか常軌を逸していた。

どのくらいおかしなことになっていたかというと、
そこに掲載された写真が
海外のMOTHERファンのサイトでまとめられ、
Shigesato Itoi’s crazy office」として
紹介されていたくらいだった。

あんまり変な写真ばかり投稿されるものだから、
1年の終わり、ちょうどいまごろには、
自分たちのおかしな写真を集めて、
自分たちで投票して順位をつけて、
自分たちで発表してげらげら笑うという、
「ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」という
コンテンツをつくっていたのです。

それでは、最終回となった2016年の
「ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」を、
ご覧くださ‥‥いや、見なくてもいいかもしれない。

 

最後は、今年のおかしなコンテンツを。
むろん、これも、知らない人に
内容を伝えようとするとたいへん困難だ。

あのね、自分の手でね、
グー・チョキ・パーのどれかをやってね、
写真に撮るわけ。それをツイートするわけ。
共通の「#ほぼ日じゃんけん」っていう
ハッシュタグをつけて。

それを我々が一枚一枚プリントアウトして、
その写真どうしを人力でじゃんけんさせる人力企画。
いやぁ、これも、なかなか、イカれてんなぁ。

ところがこれに500人以上の方がエントリーしてくださり、
なんと、生配信しながらおこなったじゃんけん大会は、
4時間を超える大熱戦に!

そしてね、これがね、
信じてもらえないかもしれないけどね、
笑いあり、ドラマあり、感動ありの、
たいへんおもしろいイベントになったのです。

いまもアーカイブに残る4時間超えの動画を
さすがにぜんぶ見てくれとは言いません。
男二人が紙に印刷されたグー・チョキ・パーを
対戦させながらげらげら笑ってる動画を、
この年の瀬に見てくれとは言いません。

でも、ちょっとのぞいてみるといいかもよ?
2時間過ぎくらいからざっと見てもおもしろいかもよ?
第2弾があったときに参加したくなるかもよ?

‥‥と、そんなわけで、
自分が担当したおかしなコンテンツを
7つご紹介いたしました。

正直、おかしなもの、ばかばかしいものは、
もっともっと、もっともっともっとあるのですが、
このくらいにしておきます。

みなさんにとって2023年が、
個性あふれ、笑いに満ち、たくさんの縁をつなぐ、
すばらしい年でありますように。

それでは、また。

(つづきます)

2022-12-31-SAT

前へ目次ページへ次へ