こんにちは、ほぼ日のきょんです。

「おNEWなものさがし」は
「生活のたのしみ展」担当の乗組員きょんが、
たのしみ展を開催できていない間にも
「おNEWで魅力的なもの」との出会いを探し、
ほぼ日初登場となるお店を紹介する企画です。

今回みつけたのは、モルドバ共和国のワイン。
モルドバは旧ソビエト連邦から独立して誕生した
東欧の国で、誕生してからまだ30年ほどの国です。
実はこの国、ワインの名産地として
いま世界に知られつつあります。
もともとモルドバの地は、
ワインづくりがはじまった
世界最古の場所のひとつと言われるほど、
ワインづくりが盛んなところ。
モルドバのワインは、
華やかな香りと果実感のあふれる味が特徴です。
歴史もあり、味も確かなモルドバワインですが、
日本で見かける機会、あまりないですよね。
実はそこには理由があったんです。

ということで、第5回目の「おNEWなものさがし」で
ご紹介するのは「モルドバワイン」!
モルドバにワイナリーを構える
「TIMBRUS」社のワインを3種類販売します。

>TIMBRUS社について

TIMBRUS プロフィール画像

TIMBRUS

「TIMBRUS」はモルドバ南東部の
ステファンボーダに位置する家族経営のワイナリーです。
スペイン人の学者で、
ワイン作りの専門家である
マヌエル・オルティス氏監修のもと
モルドバから世界にむけてワインを発信しています。
スペインからやってきたオルティス氏は、
モルドバの土地に惚れ込み、
その場所で最高のワインをつくるべく、
ヨーロッパ式の工程を採用しながら、
モルドバならではのユニークなブドウ品種や
土地を活用し、
高品質なワインをつくりつづけています。
「TIMBRUS」の名前は、
ルーマニア語で「切手」を意味する
「timbru」という言葉に由来しているもの。
「TIMBRUS」のワインは、
モルドバワインを飲む方に向けて送られる
ワインメーカーからのお便りです。

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第3回 「エムプラス」の広報、クリスティーナさんに お話をうかがいました。 (後編)

ほぼ日
旧ソビエト連邦からの独立後に目指した、
「モルドバでしかできないワインづくり」とは、
どんなものでしょうか?
クリスティーナ
独立前までは、いわゆる国際品種とよばれる、
多くの土地で栽培できるブドウをつかって、
ワインをつくっていました。
有名なところだと、ソーヴィニヨン・ブランや、
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといった品種です。
一方、独立後にめざした
「モルドバでしかできないワインづくり」では、
モルドバでしか採れないブドウを
積極的に使うようになったんです。
その土地でできる固有品種のことを
「土着品種」と呼びますが、
モルドバで採れるブドウの土着品種は、
とても個性豊かで面白いんです。

ほぼ日
その土地でしかできないブドウをつかって、
その土地ならではのワインをつくるんですね。
モルドバの土着品種は、どんなブドウですか?
クリスティーナ
たとえば、昔からモルドバにある品種で、
「フェテアスカアルバ」という
白ブドウがあります。
ほぼ日
フェテアスカ‥‥。
まったく聞き慣れない名前です。
クリスティーナ
モルドバの土着品種には、
昔のルーマニア語で名前がついているんです。
旧ソビエト連邦支配下の前は、
ルーマニア領だったこともあり、
いまでもモルドバの母語は
ほとんどルーマニア語に近いんですよ。
ほぼ日
そうだったんですね。
クリスティーナ
「フェテアスカアルバ」は、
「フェテアスカ」が「女性」という意味、
「アルバ」は「白い」という意味なので、
「白い女性」という意味になります。
このブドウからは、
酸味のあるフレッシュな白ワインができます。
ほかには「フェテアスカレガーラ」。
これは「クイーン」の意味だったり、
赤ぶどうの「ララネアグラ」は、
「黒くて珍しい」という意味です。
どの土着品種でつくったワインもおいしいですよ。
ほぼ日
私もいろいろ飲んでみたのですが、
どれも本当においしいワインでした。
はじめはメールをいただいたことをきっかけに、
「珍しいから飲んでみたい」という理由で
モルドバワインを飲んでみたのですが、
いまでは「おいしいから」モルドバワインが飲みたい!
と思うようになりました。
モルドバでワインがおいしくできるのは、
どうしてなんでしょうか。
クリスティーナ
まずは気候ですね。
モルドバはあまり雨があまりふらないので、
ぶどうの木の根が水を求めて地中深くまで伸び、
深いところから水を吸い上げます。
そのため、ミネラル感があって、
やわらかい感じのするワインができます。
ずっとスルスル飲めてしまうようなワインです。
ほぼ日
飲み心地の優しさはミネラル感から
くるものだったんですね!

クリスティーナ
次は、「酸化防止剤」をつかう量が少ないことです。
ワインは一般的に、酸化による劣化をおさえるため
「酸化防止剤」を使用しますが、
モルドバは旧ソビエト連邦だったころから、
その使用量がとても厳しく制限されていて、
独立したいまでもルールを守ってつくりつづけています。
モルドバでは同じ理由で、
果物や野菜、家畜の餌も化学肥料や防腐剤など、
科学的なものをつかわずに育てるんですよ。
ほぼ日
そうなんですね。
クリスティーナ
あとはなにより、
ワイナリーのみなさんが勉強家であること。
フランスやイタリア、スペインなどの国へ
ワインづくりを勉強しに行き、
実際にいろいろなワインを試飲して、
自国でもっと高いクオリティのワインを生み出したいと、
常に学びつづけているんです。

ほぼ日で販売するワインについて、
くわしく伺います。

▲TIMBRUS 3本セット、
8,250円(税込) ▲TIMBRUS 3本セット、 8,250円(税込)

ほぼ日
今回、ほぼ日で販売させていただくワインは、
「TIMBRUS」というワイナリーのワインです。
クリスティーナ
はい。私達「エムプラス」が、
モルドバのワインの輸入をはじめたのは
2年前からなんですが、
そのときにさまざまなワイナリーのワインを試飲してみて、
この「TIMBRUS」がつくっているワインが
いちばんブドウの果実味を感じることができたんです。
これはもっと多くの方に飲んでもらいたいと、
「エムプラス」が最初に輸入するワインとして
扱うことを決めました。
だからぜひ、
ほぼ日で初めてモルドバワインに出会う方にも、
まずはこの「TIMBRUS」のワインを
飲んでいただきたいなと思いました。
ほぼ日
「TIMBRUS」さんは、
どんなワイナリーなんでしょうか。
クリスティーナ
モルドバの南に位置する、
ステファンボーダという地域にあるワイナリーです。
この地域はモルドバのなかでは暖かいところで、
あまり雨がふらないぶん甘いブドウが育ち、
良質なワインができる土地です。
ほぼ日
ワインをつくっているのはどんな方ですか?
クリスティーナ
「TIMBRUS」は家族経営のワイナリーで、
スペイン人のお父さんと息子さんがワインをつくっています。
ほぼ日
スペインの方がつくられているんですね!
クリスティーナ
そうなんです、スペインのバルセロナからやってきて、
モルドバの土地に惚れ込み、
この土地で自分の最高のワインをつくるんだと、
「TIMBRUS」を立ち上げました。
そういった経緯もあって、
彼がつくるワインには
スペインワインの技法やアイデアも活かされています。
新しくて小さなワイナリーですが、
ハイクオリティのワインをつくりだしているんですよ。
ほぼ日
そんな「TIMBRUS」さんがつくる、
ほぼ日で販売するワインについて
それぞれ教えて下さい。

▲TIMBRUS ビオリカ 2019(750ml)、
2,750円(税込) ▲TIMBRUS ビオリカ 2019(750ml)、 2,750円(税込)

クリスティーナ
まずは白ワインからご紹介しますね。
これは、「ビオリカ」というブドウをつかったワインです。
「ビオリカ」はモルドバの土着品種のなかでも、
特に新しいブドウ品種です。
花畑や、はちみつのような甘い華やかな香りをもつ一方で、
味は辛口という、珍しい組み合わせが特徴の品種です。
ほぼ日
香りは甘いのに実は辛口って、
なんだか、かっこいい女性の姿が浮かびます。
どんな食べ物と一緒に味わうのがおすすめですか?
クリスティーナ
華やかな香りと味のワインですから、
ワインだけでも十分たのしめますので、
シンプルなおつまみやお料理がおすすめです。
おつまみでしたら、
クラッカーやチーズ、はちみつ、ナッツと一緒に。
お料理との組み合わせは、
鶏肉をつかったお料理がおすすめです。
ほぼ日
料理はかんたんなものでいいと聞くと
安心できます笑。
いざおいしいワインを買っても、
それに合わせるご飯がないなあ‥‥と、
なかなか開ける機会がなかったりしますから。
赤ワインはどんなワインですか?

▲TIMBRUS ララ ネアグラ 2016 (750ml)、
2,970円(税込) ▲TIMBRUS ララ ネアグラ 2016 (750ml)、 2,970円(税込)

クリスティーナ
赤ワインにつかわれているブドウもモルドバの土着品種で、
「ララネアグラ」という赤ブドウです。
ワインの口当たりは軽くて爽やかで、
辛口ですがとてもフルーティーな、
クランベリーのような味がします。
国際品種のものだと、ピノ・ノワールに近い味ですね。
私が飲んで一番合うとおもった料理は
ビーフシチューです。
ほぼ日
この赤ワインも華やかな香りがしますね。
軽い口当たりなので、渋いワインが苦手な方にも
これならおいしく飲んでいただけると思います。

クリスティーナ
このワインは、
栓をあけたばかりのフレッシュなときはもちろん、
しばらく日が経っても、おいしく飲むことができます。
ほぼ日
そうでした。
先日、開栓したときに飲みきれず、
残りを3日ほど経ったあとに飲んでみたのですが、
レーズンのような甘い風味がして、
まろやかになっていました。
クリスティーナ
しばらく日をおいたほうが
好きだという方もいるくらいですから、
味の変化もお楽しみくださいね。

▲TIMBRUS  ロゼ 2017(750ml)、
2,750円 ▲TIMBRUS ロゼ 2017(750ml)、 2,750円

クリスティーナ
最後にロゼワインをご紹介します。
「TIMBRUS」のロゼワインは、
国際品種の「メルロー」、
「カベルネ・ソーヴィニヨン」と、
モルドバの土着品種の「フェテアスカネアグラ」を
ブレンドしてつくっています。
この3つのブドウの組み合わせでロゼをつくることは、
たいへん珍しいです。
ほぼ日
色がとってもきれいですね。
クリスティーナ:
このロゼ、男性からの人気も高いんです。
苦味と辛口が特徴のロゼで、スパイシーな風味もあります。
ほぼ日
すみません、実は私はワインは赤と白ばかりで、
ロゼはあまり飲んだことがないんです…。
クリスティーナ
私たちが以前やっていたモルドバ料理のレストランでも、
ロゼはふだん飲まないという方も多かったです。
でも、一度お出ししてみると、
「お土産にして持って帰る!」と言ってくださる方が
とても多いワインでもありました。
しかも、1本ではなく2本。
自分用とプレゼント用に、と。
いちどはまると大好きになるワインですよ。
ほぼ日
どんなお料理に合わせるのがおすすめですか?
クリスティーナ
ロゼはスパイシーな風味や辛味が特徴なので、
辛口のものや、油っぽいものとの相性がいいです。
私はぜひ、エビチリや春巻きなどの
中華料理に合わせてみていただきたいです。
あとは、タイ料理のグリーンカレーもおすすめです。
ほぼ日
なるほど、いつもはビールと一緒に
食べているお料理と合わせてみるのもよさそうですね。
クリスティーナ
意外なところだと、「あんこ」とも合いますよ!
ほぼ日
「あんこ」ですか?!
お饅頭とロゼワインの組み合わせ、試してみたいです。
クリスティーナ
いろんな組み合わせをみつけてお楽しみくださいね。
華やかでやさしい味のモルドバワインのおいしさを、
多くの方に知っていただけたらうれしいです。

次回は、モルドバワインのおいしさを知るために、
やっぱりまずは飲んでみないと!ということで、
ワインをふだんから嗜んでいるという
ほぼ日乗組員とともに、
モルドバワインの試飲会を行ったようすをお届けします。

モルドバワインの販売は、
2021年10月28日(木)AM11時からスタートします。
商品のラインナップは、ぜひこちらからご覧ください。

(つづきます)

2021-10-25-MON

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