インターネットのあらゆる場所で
ヒットを連発するオモコロが、
新しい事業「オモコロ出版」を始めます。
Webメディアのオモコロがなぜ、
いま紙の本をつくるのでしょうか。
そもそもオモコロはどんな環境で、
おもしろコンテンツを
生みまくっているのでしょうか。
気になる、気になりすぎるということで、
オモコロを運営する
株式会社バーグハンバーグバーグ社長の長島さんに
お聞きしました!
長島さん、オモコロ出版ってどんな事業なんですか?

この授業の動画は、
「ほぼ日の學校」で全編ご覧いただけます。

>長島 健祐さんプロフィール

長島 健祐(ながしま・けんすけ)

新潟県新潟市出身。
ニコニコ動画の広告の立ち上げに参画。
その後、グリー株式会社、株式会社nanapi
(現Supership株式会社)でIP戦略、
アライアンス、メディア運営など
様々な分野で経験を積み、
2016年にバーグハンバーグバーグに参加。
2019年、代表取締役に就任。
社長となった今でも数多くの
デジタルプロモーションに
第一線で携わり続けている。
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【第4回】ピリピリするのは絶対よくない

──
オモコロ出版の
「エグいベストセラー」は、
どのくらいのベストセラーを
イメージされているんですか。
長島
雨穴さんレベルのベストセラーになったら、
当然ながらみんなで拍手胴上げ、
いろいろやっていきたいんですけれども。
5万部、10万部でも、
業界的には十分にヒットだと思うので、
コンスタントにヒットを出しつつ、
とんでもないベストセラーを
狙っていきたいです。
──
オモコロというメディア自体が、
記事を出した瞬間だけでなく、
長く見られているのは特徴的ですよね。
長島
そうなんですよ。Web記事って、
公開した初日によく見られて、
そこからはわりと横ばいに
なっていくんですけれども、オモコロは
わりと長いこと見ていただいていて。
読者の方が
「この人のほかの記事でも読んでみよう」
と、ライターを信頼してくださっているから、
オモコロ内での回遊が起こりやすいのかも
しれないですね。
──
ひとつの記事だけで終わるんじゃなくて、
「ARuFaさんの記事、
全部見にいってみよう」と
回遊される方が多いんですね。
いや、ここだけの話、ほぼ日も最盛期から
比べるとアクセス数はすごく減ってると
思うんです。
「どうしたら、もっとたくさん
人通りをつくれるんだろうね」ということは
常に会社のなかで話題になりつつ、
答えは出なくて。
長島
そうですよね、こればっかりはね。
人通りが増えることを狙って
記事が書けたら楽なんでしょうけど、
そうできるわけではないし。
それで言うと、ぼくら、
PVとかはたぶん一切見てないと思いますね。
「月に1000万PV、2000万PV、
絶対いこう」と指標を掲げていたときも
あったんですけども、
結局振り返りをしなかったので、
「これやっぱり意味ないか」と思って。
なので、PVは、いわゆるKPIからは
外しました。

──
いまは「KPIなんですか」と訊かれたら、
なんと答えますか。
長島
‥‥ねぇーー。
──
あはははは。
長島
ただただおもしろい記事を更新し続けたい
という思い一発でやっているので、
会社としてメチャメチャな赤字を
つくっていなければ、
「まあ別にいいのかな」というところは
あります。
前提として、バーグハンバーグバーグは
上場も狙ってなければ、
企業価値を高めることも狙ってなくて。
それが会社の特徴でもあるので、
やりたいことができると言いますか。
──
ほぼ日も、KPIを訊かれたら
「ねぇー」という感じなので、
それでわかってもらうメディアを
つくるのって、
いまや大変なことだろうなと共感します。
とくに、オモコロの場合は、広告主さんから
発注を受けるわけじゃないですか。
長島
そうなんですよ。
──
「何PV絶対取ってもらわなきゃダメなんだ」
とか、「この金額はなんだ」みたいなことを
言われることもあると思います。
でも、一方で「ライターがちょっと
乗らないので」といったことを
説明しなきゃいけない場面も
ありますよね。
そこの塩梅はどうされているんですか。
長島
ねぇー。ひとつ、ぼくらに依頼してくれる
広告主さんについて言えることは、
ぼくらを応援してくれている会社さんが
多いんです。
記事広告の依頼を受けて
「こんな記事どうでしょうか」と
提案するときに
「もうちょっとこうしてくれない?」と
言われることもあるんですけども、
ぼくなんかが「いや、そうすると
ちょっとライターが乗らないんで、
難しいです」みたいなことを説明しても、
理解してくれるんです。
──
はぁーー。
長島
やっぱり、ライターの気持ちが乗って、
記事が読まれることが、
広告的にもいいので、
クライアントさんからもライターを
尊重していただいているというところが、
ありがたいですね。
──
すばらしいですね。
それが理想的だとわかりつつ、
そうならない現場って
たくさんあるじゃないですか。
長島
ありますよね。
──
「この横やりさえなければ、
みんなが幸せだったのでは」みたいな。
長島
そうそう。たとえば撮影現場や、
きょうのような取材でも、
めちゃめちゃピリピリした空気だったことも
過去にはあったんです。
それって、絶対みんなにとって
よくないじゃないですか。
だから、ぼくは仕事を受けるときには、
「絶対ピリピリしてるやつ
撮影現場に入れないでね」
と伝えています。
「ピリピリした人がいたら、
もう帰るからね」みたいなことを言って、
ご理解いただいています。
あと、YouTubeで案件動画を
撮影するときも、広告主さんの立ち会いは
NGにしていて。
──
そうなんですね。
長島
やっぱり、演者が緊張しちゃうんですよね、
知らない大人がいると。
緊張しながらやるより、
フリーにやったほうが
絶対にのびのびしたいい動画ができるので、
そこもご理解いただいてます。
──
へぇーー。
「そんなこと通じないですよ」とか、
「業界の常識はこうですよ」とか、
大人に怒られたりしないんですか。
長島
そこで、ぼくらが
上場を目指してないというところが
効いてくるんです。
「じゃあ、やらないです」と
言えちゃうところがいいですね。
──
なるほど。
「先方もこちらも、両方幸せだったら
やりましょう」というラインを
守れる環境なんですね。
それを続けて成果が出ていくと、
理解者も増えますし。
その環境は、作り手にとって
すごくいいですね。
作り手さんご本人は、
ご自身に依頼されたお仕事の
予算の大きさなどはご存知なんですか。
長島
知ろうと思えば知れるんですけども、
ここがうちの演者のいいところでもあり
悪いところでもあるんですけども、
そういった予算などに
まったく左右されないんですよね。
なので、どの事業が
どれだけ売り上げてるかを
把握している社員は、
ほとんどいないと思います。
──
へぇーーっ。
長島
ぼくなんかは全部
見たくなっちゃうんですけれども(笑)、
そういったことに興味ない人たちもいて。
ただ、そのぶん、彼らのコンテンツに対する
熱の入れ方は異常なので、
すごく信頼できます。

──
予算の大小は関係なく、
すべてに熱量があるみなさんなんですね。
作り手の方が落ち込むときがあるとしたら
どんなときなのでしょうか。
長島
落ち込んでるとき‥‥
たとえば動画や記事の撮影で、
うまくいかなかったら
落ち込んでるのかもしれません。
でも、その様(さま)は
あまり見ないですね。
ぼくも同じフロアで
仕事をしているんですが、
人が落ち込んでる姿はあまり
見たことないんです(笑)。
寝てる姿はね、
めちゃくちゃ見たことあるんですけれども。
──
「お昼寝が可能」っていう会社ですもんね。
長島
そうなんですよ。うまくいったからって
めっちゃテンション上がってる
ようなところもあまり見ないので、
意外とみんな平常心なのかも
しれないですね。
たとえばぼくのように、
広告業界にいた身からすると、
ナショナルクライアントや
業界最大手のクライアントと
お仕事するようなことは、
ひとつの栄誉だと感じるんですけども、
そういった感覚はたぶん、社員たちには
まったくないでしょうね。

(明日に続きます)

2026-09-11-FRI

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  • オモコロ出版第1弾が発売されます!

    オモコロ出版からの1冊目として、
    オモコロライターのかまどさん、
    みくのしんさんによる読書シリーズの第3弾
    『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』が、
    2026年9月10日(木)に発売されます。

    特別編として、
    『変な絵』などの著者である雨穴さんと
    かまどさん・みくのしんさんによる
    対談も収録されています。
    帯には、雨穴さん、原宿さん、
    ダ・ヴィンチ・恐山さん、
    ARuFaさんの4名によるコメントを掲載。
    「オモコロ総出でお届けする渾身の一冊」です。