インターネットのあらゆる場所で
ヒットを連発するオモコロが、
新しい事業「オモコロ出版」を始めます。
Webメディアのオモコロがなぜ、
いま紙の本をつくるのでしょうか。
そもそもオモコロはどんな環境で、
おもしろコンテンツを
生みまくっているのでしょうか。
気になる、気になりすぎるということで、
オモコロを運営する
株式会社バーグハンバーグバーグ社長の長島さんに
お聞きしました!
長島さん、オモコロ出版ってどんな事業なんですか?

この授業の動画は、
「ほぼ日の學校」で全編ご覧いただけます。

>長島 健祐さんプロフィール

長島 健祐(ながしま・けんすけ)

新潟県新潟市出身。
ニコニコ動画の広告の立ち上げに参画。
その後、グリー株式会社、株式会社nanapi
(現Supership株式会社)でIP戦略、
アライアンス、メディア運営など
様々な分野で経験を積み、
2016年にバーグハンバーグバーグに参加。
2019年、代表取締役に就任。
社長となった今でも数多くの
デジタルプロモーションに
第一線で携わり続けている。
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【第3回】「みんなにとっていいこと」を狙う

──
オモコロ出版が出すのが
物理的な本だからこそ、
できる遊び方もありそうです。
長島
そうですね。
テーマにしろ、本の形態にしろ、
いろいろやってみたい気持ちがあります。
本の仕様でいうと、いままで
出版社さん経由で出させていただいた本は、
「何ページ以内におさめてください」
と制限されることが多かったんです。
でも、今度オモコロ出版で発売する
第一弾の、かまどとみくのしんの本は、
496ページあるんですよ。
これだけの分量があると、
たぶん出版社さんからは
NGを出されていたと思います。
自社での出版だからこそ
好きな分量にできるので、
その強みを活かして、
作家やライターがやりたいことは
どんどんやっていきたいです。

──
大手出版社のようにたくさんの決裁が
いらないぶん、
自由につくっているんですね。
社長みずから担当されて、
ライターさんが思いを込めて
編集までされる。
最高の形のように思います。
長島
と言いつつも、当然ながら、
失敗する可能性も多分に含まれてるので。
そうなったら、すぐに
撤退したいと思ってます。
──
いさぎよい(笑)。
これまで、オモコロのなかで
「やってみたけど、やめた」
という例はあるんですか。
長島
クローズをしたサービスは
もちろんあります。
そのあたりは、ドライに事業として
撤退ラインを見極めています。
──
1年ぐらいようすを見るのでしょうか。
長島
2年ぐらいは見ますかね。
ただ、オモコロ出版に関しては、
出版事業部の人員にも限りがあるので、
1年に3、4冊ぐらい出して、
判断していければと思っています。
──
Web上の記事も含め、
オモコロの可能性をもっと活かしたり、
ひとつひとつのコンテンツを
残していったりすることも、
出版という形なら
できるのかもしれませんね。
長島
まさにそうです。
Webメディアって、右肩下がりなんですよ。
それはオモコロもご多分に漏れずで。
クローズしているメディアもあれば、
めちゃくちゃ広告が貼ってあるメディアも
ありますよね。
オモコロも当然、事業として
Webメディア単体でいえば
そこまで順調とは言えないんですけれども、
YouTubeなりグッズなり、出版なりで、
可能性が広がれば、持続可能なものに
なっていくんじゃないかなと思っています。
──
だいたいいつぐらいが、Webメディアの
ピークだった感触がありますか? 
長島
ねぇー。年々下がってると思いますね。
たしかに、
ぼくも検索をしなくなりましたし、
「このメディアのこの人の記事を見よう」
ということも減ったので。
──
ネットでの体験自体が
変わってきたんですね。
そこで、まったく新しい、
まだわからないような分野に
いくんじゃなくて、
「出版」に戻られるのがおもしろいです。
長島
そうなんですよねー。
不思議ですよね(笑)。
でも、やっぱり出版でひとつ
ヒットを打てば、映画化したりと
二次的な広がりがあると思うので、
それが原資となって、
よりWebメディアとしても
広がりを持てればいいですよね。
だから、出版で一発当てたときの
インパクトはでかいと思います。
──
ひとつのタイトルを持っている
会社になるというか。
長島
はい。ベストセラーが生まれるって、
みんなにとっていいことだと思うんです。
もちろんわれわれにとっても
経済的にいいことですし、
読者の方もいっぱい
楽しんでくださっている証拠ですし、
出版業界全体としても潤います。
なので、ベストセラーを
狙っていきたいです。
──
出版が大きくなれば、
「Webよりも先にオモコロ出版で
オモコロを知りました」という人も
出てくるかもしれないですね。
長島
うれしいですね、そうなったら。
最近、雨穴を知ってから
オモコロを知ったという人もよくいれば、
ARuFaダ・ヴィンチ・恐山という
ライターから知ったという人も
昔からいらっしゃいます。
そういった広がりが出るのは
すごくいいですね。
──
最初にご紹介いただいた
「謝罪会見でイカ釣り」と
「外科医にサンマを食べさせてもらう」の
お魚系ふたつは、どちらもARuFaさんの
記事ですよね。
長島
そうです、そうです。よくご存知で。
──
ARuFaさんや恐山さんのように、
すごく変わったことをやっていた方たちや
Twitterで有名だった方、
作家として人気だった方が
チームを組んで創作集団になることの
ワクワクを、オモコロには感じます。
長島
できるだけ長く、
この状態でいられるように
頑張っていきたいです。
──
とはいえ、20年も続けておられると、
全体の年齢が
上がっていくわけじゃないですか。
そこは、どんどん新しいものや人を
入れるようにされているのでしょうか。
長島
意識的にそうしてはいないんです。
というのも、やっぱりいまから
Webライターやろうって、
正気の沙汰じゃないんですよ(笑)。
それでもWebライターになりたいと
オモコロを志願してくれる人って、
それだけでちょっと、ヘンというか、
貴重だと思うので、
入ってきてくれるメンバーと一緒に
頑張っていければいいなと思います。
──
たしかに、昔の
「Webライターになりたい」と、
いまは意味が違ってきますね。
長島
そうですよ。ぼくも娘が
Webライターになりたいと言ったら、
止めますもん(笑)。
「だったらYouTuberのほうがいいよ」って
言いますね。
──
「いまじゃないんじゃない?」って。
でも、新しく事業を始められても、
やっぱりオモコロは
最後に戻ってくるよりどころとして
残していかれるんですよね。
長島
そうですね。
そこは、ずっと残していきたいです。
われわれの礎でもあり、
よりどころでもあり、
ひとつのカルチャー的なものにも
なっていると思いますし、
おかげさまで多くの読者に
支えられているので、
できるだけ続けたいです。
オモコロがなくなることになったら、
たぶん終わりだと思うので。

──
続けるというところに指標があるんですね。
オモコロ出版という新しい事業も、
ベストセラーを出して、
続けていかれることが目的で。
長島
そうですね。
もうエグエグのベストセラーを。
──
エグエグの(笑)。
長島
エグエグのベストセラーを
出していきたいですね。

(明日に続きます)

2026-09-10-THU

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  • オモコロ出版第1弾が発売されます!

    オモコロ出版からの1冊目として、
    オモコロライターのかまどさん、
    みくのしんさんによる読書シリーズの第3弾
    『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』が、
    2026年9月10日(木)に発売されます。

    特別編として、
    『変な絵』などの著者である雨穴さんと
    かまどさん・みくのしんさんによる
    対談も収録されています。
    帯には、雨穴さん、原宿さん、
    ダ・ヴィンチ・恐山さん、
    ARuFaさんの4名によるコメントを掲載。
    「オモコロ総出でお届けする渾身の一冊」です。