
インターネットのあらゆる場所で
ヒットを連発するオモコロが、
新しい事業「オモコロ出版」を始めます。
Webメディアのオモコロがなぜ、
いま紙の本をつくるのでしょうか。
そもそもオモコロはどんな環境で、
おもしろコンテンツを
生みまくっているのでしょうか。
気になる、気になりすぎるということで、
オモコロを運営する
株式会社バーグハンバーグバーグ社長の長島さんに
お聞きしました!
長島さん、オモコロ出版ってどんな事業なんですか?
この授業の動画は、
「ほぼ日の學校」で全編ご覧いただけます。
- ──
- ご自身の本も出版されて、
オモコロのコンテンツ発のベストセラーも
たくさんあるなか、
今度はオモコロ自体から出版する‥‥
つまり版元として事業を
始められるんですね。
もっと、自分たち発信で
本というモノをつくりたいという気持ちから
スタートされたのでしょうか。
- 長島
- なんで立ち上げたかというと、シンプルに
「いける」と思ったからなんです。
- ──
- はははは。正直なお答えを‥‥。
- 長島
- 個人的な思いと会社的な思い、
ふたつありまして。
オモコロにはおもしろいコンテンツや
いいライター、いいやつが
いっぱいいるので、
そんなコンテンツやライターをもっと
みんなに知ってほしいし、
売れてほしいしというのが
個人的な思いです。
会社としては、
事業としてちゃんと収益をあげられると
思ったので、始めました。
オモコロのコンテンツは、
ありがたいことに、いろんな出版社さんから
「本にしませんか」と
お声掛けいただくことが多くて。
であれば、
自社でつくってもいいんじゃないかと、
出版を立ち上げることになりました。
- ──
- やっぱり、これまでオモコロ発でできた本が
売れているという事実が
大きかったんですね。
たとえば『変な家』とか。
- 長島
- いや、もう『変な家』ですよ。
雨穴さん、雨穴先生。
『本を読んだことがない32歳が
はじめて本を読む』
『本が読めない33歳が国語の教科書を読む』も、
2作で12万部ぐらい売れて。
このようなヒットを受けて、
「われわれもいけるんじゃないか」という
感触がありました。
出版事業って、業界全体の数字としては
右肩下がりではあるので、
自分で言い出したことじゃなかったら
承認していなかったかもしれません。
- ──
- 別の社員の方が
「出版事業をオモコロでやりたい」と
社長決裁に上げてきたら、
「ちょっとどうだろう」とストップしていた
可能性があるんですね。
- 長島
- 悩んだと思います。
- ──
- ご自身が「いける」と実感を持って
スタートした事業だったんですね。
「オモコロ出版やります」という
リリース記事を見たとき、
「担当:長島」と書いてあって、
「社長がご担当なんだ」と驚きました。
- 長島
- 社長が担当していることで、書店さんなどが
安心してくださったらいいなと思って。
とくに、われわれには
営業部隊が潤沢にいるわけではないので、
「会社の代表と直接話せるんだったら、
ちょっと相談してみようかな」と言ってくださる
書店さんがいらしたらうれしいなと。
- ──
- 「営業がいない」というのは、
ほぼ日とも似ているところです。
営業をするようになると、
会社の雰囲気は変わるものでしょうか。
- 長島
- いや、結局、営業の仕方は
あまりわかっていないんです、
うちのメンバーは(笑)。
だから、ゴリゴリに営業をかけていく
ということはまだできていなくて、
お付き合いのあった本屋さんに
連絡して、地道に広げていく感じです。
これからは、書店さんと連動して
いろいろ盛り上げていけたらと
思っています。
- ──
- 自分たちでコンテンツを出して、
それを本にして販売していくとなると、
基本的には発注先がない事業に
なるわけですね。
いままで以上に自由度が上がりそうです。
- 長島
- はい。なので、本を出す基準は、
たぶんライターや作家が
「いける」と思ったら出すということに
なると思います。
営業的にいけるというよりは、
品質的にいけるかどうか。
その基準をクリアしていれば、
ぼくらも自信を持って本屋さんに
プッシュできると思うので。
- ──
- 「いまこれが流行ってるから、
市場の需要的にいける」ではなくて、
「この品質であれば出せる」という基準
なんですね。
作家さんおひとりずつが
編集者も兼ねているような印象です。
- 長島
- まさに、うちのライターは
企画もライティングも編集も
一気通貫で、思い通りに、
自分でやっている人が多いです。
『本を読んだことがない32歳がはじめて
本を読む』にも、
いわゆる「編集の人」はついていなくて。
もちろん、本のテーマによっては
編集が必要なジャンルもあると思いますし、
校正は専用の業者さんに頼んでいますが、
いったんは編集も兼ねて
ライティングをできるんじゃないかなと
考えています。
装丁は、内部のデザイナーが担当することもあれば、
外部のデザイナーさんに依頼することもあります。
- ──
- 電子書籍というよりは、物理的な本を
予定してらっしゃるのでしょうか。
- 長島
- はい。電子書籍も売るんですけれども、
できれば本屋さん中心に、
紙の本をいっぱい売っていきたいと
思っております。
- ──
- 勝手に本屋さんの気持ちを想像すると、
みんなネットを見ている世界で、
そのネットのひとつの横綱的存在である
オモコロさんが、本屋で本を売る事業を
始めたいということは、
すごくうれしい気がします。
- 長島
- そう思っていただけたら、
こちらこそうれしいです。
ありがたいことに、
いまのところ本屋さんからたくさんの
お問い合わせをいただいているので、
応えたいなと思っています。
本屋さんで販売したい理由は
ふたつあるんです。
まず、より多くの人に届けたいので、
全国で7,000店舗くらいある本屋さんの
販路を活用させていただきたいということ。
それから、これは『変な家』の雨穴さんが
よく言っていることで、
本屋さんと一緒に出版業界を
盛り上げたいという思いがあります。
雨穴さんは「本屋さんに救われた」
という言い方をよくされています。
- ──
- それは『変な家』での体験が
根底にあるのでしょうか。
- 長島
- そうですね。
「変な」シリーズの『変な地図』が
発売されたとき、各地の本屋さんが
お祭りのように盛り上げてくれて。
その光景を見たとき、
ぼくも雨穴さんの友人として
とても嬉しかったです。
ぼくらもそんな盛り上がりに参加して、
お力になれたらと思っています。 - ただ、みんな、やっぱり本は好きだし、
文字も好きなんですけれども、
紙に対する特別な思いは
あまりすり合わせたことがないんです。
というのも、ぼくらが
「出版業界を変える」とか、
「出版の力でどうにかしたい」
みたいなことを言うのって、
ちょっとおこがまし過ぎるので。
内なる気持ちとしては、
出版業界に盛り上がってほしいし、
本屋さんもにぎわってほしいんですけど、
なんかちょっとね、
「まだぼくらが言うのは早いかな」
という気がしていて(笑)。
(明日に続きます)
2026-09-09-WED
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オモコロ出版第1弾が発売されます!
オモコロ出版からの1冊目として、
オモコロライターのかまどさん、
みくのしんさんによる読書シリーズの第3弾
『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』が、
2026年9月10日(木)に発売されます。特別編として、
『変な絵』などの著者である雨穴さんと
かまどさん・みくのしんさんによる
対談も収録されています。
帯には、雨穴さん、原宿さん、
ダ・ヴィンチ・恐山さん、
ARuFaさんの4名によるコメントを掲載。
「オモコロ総出でお届けする渾身の一冊」です。
