
ただいま、渋谷PARCO「ほぼ日曜日」で
絶賛開催中の「どっち?展」。
キボリノコンノさんの木彫り作品を
クイズ形式でたのしむイベントです。
ほぼ日曜日でおこなったイベントの中でも、
メディアで取り上げていただいた数は
歴代ナンバーワン!の話題ぶりですよ。
木彫り作品がもっとたのしく見られるように、
木彫りファンの糸井重里によるクイズ体験と、
キボリノコンノさんとの対談をお届けします。
「どっち?展」は3月10日(日)まで、
ほぼ日曜日でお待ちしてますね。
- 糸井
- ぼくね、コンノさんの木彫りに
一番似ている仕事はなんだろうって考えたら、
メイクアップアーティストだって思ったんですよ。
- コンノ
- メイクですか。
- 糸井
- 特殊メイクの人から、女性をきれいに見せる面から、
みんな、あるものに何か施して作るんです。
- コンノ
- ああー、なるほど!
- 糸井
- コンノさんがメイクをやったら
絶対うまくいくんですよ。
そう考えると、メイクアップアーティストも
何かに近づけることをしているんですよね。
- コンノ
- そうですね、たしかに、たしかに。
- 糸井
- 表現者だって言っちゃうと、
土台との関係がわからなくなっちゃうんです。
- コンノ
- 元の素材もありますからね。
- 糸井
- そうなんですよね。
この人を清楚な感じにしてくださいって言われて、
こうですよって答えがあるわけじゃなくて、
イリュージョンに合わせていくわけだから、
かっこいい仕事ですよね。
- コンノ
- たしかに、たしかに。
- 糸井
- いつか伸坊に会えばいいと思ってるんです。
南伸坊って“本人”のマネをしてますけど、
自分の顔はぜんぜん違うのに、
あらゆる人にメーキャップで似せるんです。
- コンノ
- へえーー!
- 糸井
- おにぎり型の顔した男がデヴィ夫人になったり、
今年の年賀状では大谷翔平になってました。
- コンノ
- (笑)
- 糸井
- どうしても難しかったんですって。
今までにも叶姉妹とかやってるんだけど、
何が難しかったの? って訊いたら、
「首が細いんだよね、ぼくは」って。
- コンノ
- ああー。それでもなんとかして、
寄せようとしていたってことですよね。
- 糸井
- どんなに顔面でがんばっても、
首の太さがないだけで大谷翔平にはならない。
でも、首を太くするのは、
伸坊のやり方からすると反則なんです、たぶん。
いろんなものになった彼だけど、
大谷翔平はダメだったなぁっていうのを、
淡々と語ってましたね。
- コンノ
- ぼくの木彫りで言うと、
透けていないはずの木を透けさせるのは、
そのお話と近いんじゃないかなと思うんです。
でも、透明なものを使うわけにいかないし。
- 糸井
- 透明なものを使ったらアウトですよね。
- コンノ
- それでもなんとか寄せていく。
- 糸井
- 透明を表現するために、
一回、二次元の写真で考えたっていうのは、
伸坊が聞いたらよろこぶぞー。
- コンノ
- (笑)
- 糸井
- コンノさんの木彫りは、
みんなが認識している本物っていうものを
探り出す仕事ですよね。
みんなが認識してる何々が、
本当は違うのになっていう場合には、
そっちを探さなきゃいけないんですよ。
- コンノ
- そうなんですよね。
だから、どら焼きひとつをとっても、
みんなの中のどら焼きと、
実物のどら焼きって意外と違ったりするので。
- 糸井
- 笑っちゃいますよね。
そこにしょっちゅう気がついてるわけだ。
- コンノ
- まぁ、観察はしちゃいますね。
- 糸井
- たとえば、犬だって、
人には全部違って見えていますもんね。
犬みたいに毛のあるものは
作るのが大変なんでしょうね。
- コンノ
- 大変ですね、きっと。
毛はまだ作ったことないんですよね。
でも、もふもふしたぬいぐるみとか、
作ってみたいなと思いますね。
- 糸井
- ああー、そろそろ行きそう。
- コンノ
- ちょっとイメージはできてきてるんです。
- 糸井
- 何がヒントですか?
ぬいぐるみの場合は。
- コンノ
- ぬいぐるみは、
毛の1本1本を作ったら、
逆に硬く見えると思うんですよ。
- 糸井
- はずれますね、きっとね。
- コンノ
- そんな気がしていて、
そこを着色で表現できないかなって思ってます。
触ると意外とツルツルというか、
テクスチャーはそんなにモサモサしてないのに、
毛の1本1本と影とかをうまく描いてあげたり、
その質感を表現したら、
パッと見、ぬいぐるみに見えるんじゃないかなって。
- 糸井
- ほおー、それを木で。
- コンノ
- ぬいぐるみに見えたらいいんですよ。
- 糸井
- 木でぬいぐるみを作ったらすごいですねー。
ぬいぐるみにも、
布地のぬいぐるみを縫い合わせたのもあるし、
革のぬいぐるみも、モヘアみたいなのもあるし。
最初に何から手をつけるかにもよりますね。
- コンノ
- もっふもふの、作りたいですね。
- 糸井
- ああー、テディベアとか見たいですよね。
もしできたら、1点だけでも
展覧会ができるぐらい凄いですね。
本当に「何でやったの?」っていうのが
わかんない作品になりますね。
いやあ、ぬいぐるみは見たいなあ。
- コンノ
- 自分でも、まだできると思ってないんで。
でも、やってみたいですよね。
そこがおもしろいと思うんです。
- 糸井
- ぬいぐるみと、富士山と、星は見てみたいな。
あと、人の顔っていうのもおもしろいですよね。
- コンノ
- 人の顔もぜんぜん作ったことないですね。
- 糸井
- みんなが作るのと方法論が違うわけですもんね。
娘さんなんかは、犠牲になりそうですか。
- コンノ
- そんな気がしてます、ぼくも(笑)。
- 糸井
- どの大きさに作るんだろう、そういう場合。
- コンノ
- どっちがいいんでしょうかね。
1分の1で作るのか、
手に乗っかるくらいで作るのか。
1分の1で作ってみたくなっちゃうんですよね。
- 糸井
- まだ小さいから、そういうこと言ってますけど、
へたしたら、接ぎ木しなきゃならなくなりますね。
うん、やっぱりそういうことを考えると、
この先って、無限ですよね。
- コンノ
- そうですね、ほんとに無限なんですよね。
- 糸井
- あと単純に木箱を木で作るみたいなのとか。
素材の違う木を、自分の木で作るみたいな。
- コンノ
- 木で木を作るのも、ちょっとやってみたいです。
- 糸井
- ねぇっ!
雑な木箱っていっぱいあるじゃないですか。
あんなのを、わざわざちゃんとした木で作る。
ブロック塀とかだって、できちゃうのかな。
- コンノ
- テクスチャーのおもしろさも
作ってみたいです。畳とか。
- 糸井
- テクスチャ-って何なんですかね。
感じっていうことですよね。
- コンノ
- 食べ物だって、まじまじ見ることって、
そうないじゃないですか。
- 糸井
- うんうんうん。
- コンノ
- そう考えると、なんとなくの自分の中で
持ってるイメージなんです。
みなさんが持ってる、食べ物とか、
テクスチャーのイメージってあるはずなので。
- 糸井
- みんなは、アップリケみたいなチューリップを
考えながら生きてるんですよね。
- コンノ
- そうなんですよ。ほんとに。
(つづきます)
2024-03-03-SUN
-
「どっち?展」は、3月10日(日)まで!
渋谷PARCOの8階「ほぼ日曜日」で
キボリノコンノさんの著書『どっち?』の
出版記念イベント「どっち?展」を開催中。
木彫りの作品と、本物を並べて
「木彫りはどっち?」とクイズ形式で
作品をたのしむような展覧会です。
クイズが全部で20問、合計24点満点のうち、
あなたは何点を出せるかな?
多くの方にご来場いただいているこのイベントも、
3月10日(日)が最終日です。
気になっていた方、後で行こうと思っていた方、
あと少しで終わっちゃうので、お見逃しなく!キボリノコンノ クイズ型展覧会
「どっち?展」
期間:2024年1月26日(金)-2024年3月10日(日)
場所:ほぼ日曜日
時間:11:00~20:00
備考:当日会場にて受付いたします。
事前予約制ではございません。
入場料:700円(小学生以下無料)
詳細は「ほぼ日曜日」のページで。ほぼ日のYouTubeチャンネル「ほぼベリTUBE」の
メンバーが「どっち?展」の体験レポート!
