
- こんにちは、ほぼ日の奥野です。
- この読者メール紹介企画を含む
「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
という特集を担当しています。 - 第100回の更新を迎えたタイミングで、
この連載について少しお話できればと思います。 - きっかけは、ことしの5月。
特集の一環として、漫画家の今日マチ子さん、
編集者の金城小百合さんと沖縄をめぐったこと。 - 15年ほど前、金城さんが編集を担当し、
今日さんが描いた『cocoon』がうまれたとき、
ふたりは、ふたりで、沖縄をめぐりました。
そしてこの夏、
『cocoon』がNHKでアニメ化されたのですが、
そのことを機に、ふたりは
15年前の行程をもういちどめぐり直したのです。 - ぼくは安全運転がモットーのドライバーとして、
その旅に同行させてもらいました。
平和の礎(いしじ)のある平和祈念公園や
糸満市のひめゆり平和祈念資料館、
南城市の糸数アブチラガマなどの戦争遺構。
さまざなま場所を訪問しました。 - 知っていたつもりで知らなかったことを知り、
「現場」に身を置いてみなければ
感じられなかったであろうことを感じました。
そのときのようすは、
後日、ふたりの対談として公開しています。 - ひとつ、その旅で見た展示や遺構のなかで、
つよく心に残ったのが、
無名の人々が遺した証言集や手記でした。 - 沖縄戦をはじめ過酷な出来事を体験した人々が、
目の前で起こった事実と、
そのとき感じたことをたんたんと証言している、
書き留めている、
そんな文章が多かったと記憶しています。 - ひとたび証言集を開けば、容易には、
途中で読むのをやめることができませんでした。
そして戦争を伝える「ふつうの人々の言葉」を、
あの場に、ああして遺していることが、
とても大切なことなんだと思えました。 - 今回の特集を進めていくにあたっても、
あの「証言集」みたいに、
人々の「記憶」を「記録する場」をつくりたい。
それも、
ほぼ日という、誰でもアクセスしやすい場所に。 - そう思って、このコンテンツをはじめました。
方針は、ごくシンプルです。 - 届いた投稿は、すべて拝読させていただくこと。
そのうえで、掲載させていただく投稿には、
誤字脱字などの修正や
文章を読みやすくするための改変をのぞいて、
編集の手は、最低限しか入れないこと。 - つまり、届けられた「記憶」を、
なるべくそのままの状態で「記録」してゆく。 - ほぼ日では、あまりやったことのないテーマで、
どれだけ投稿が届くかわかりませんでしたが、
戦争を直接経験なさった方からも、
ご家族から戦争の記憶を託された方からも、
全国からも、海外からも、届きました。
週に何通かですが途切れることなく届きました。
あの暑かった8月には、とりわけ届きました。 - 内容も、ヴェトナム戦争の記憶から、
おじいちゃんから聞いた南方の戦地のお話、
シベリア抑留、中国でのできごと、
沖縄戦、広島・長崎の原爆、
東京をはじめ全国各地での空襲のお話‥‥。 - さまざまな「記憶」が「記録」されました。
- これまで100日間、毎日更新してきました。
投稿をお送りくださったみなさん、
本当に、ありがとうございました。
これからは頻度を落として、
でも、投稿が届く限り続けていこうと思います。 - ほぼ日がある限り、この場もあります。
必要なときには、いつでも、訪れてください。
沖縄・残波岬
2025-11-19-WED

