黒柳さんが話した、 黒柳さんのこと。こんな話は、二度と聞けないと思って。

いつもは「人の話を聞く」という仕事が多い、 黒柳徹子さんと糸井重里。 ふたりは「聞く」「話す」について どんな考えをもっているんだろうと考えて、 対談の申し込みをしました。 けれどもそれはたぶん建前で、 「ほぼ日」という場所に 黒柳さんにぜひいちど来ていただきたかった、 というのがほんとうです。 黒柳さんは、その雰囲気がおわかりになったのか、 いろんなお話をしてくださいました。 息つぎなしの語りを、ほぼノーカットで、 なるべく「そのまま」を心がけ、 みなさまに連載で、お届けいたします!

第一回 酢卵の正体。
糸井 (黒柳さんが部屋に入ってきて)
うわー、なぜか、あがっちゃいます!
自分の会社なのに、あがっちゃう。
黒柳 ほんっと! こんなにすごいって、
わたしも、びっくりしました。
写真のスタジオかと思いました。
糸井 ここは、普段は会議室なんですが、
いつもと飾りつけが違います。
周りで座って見てる人たちも
なんだかはりきってますが、全員、社員です。
黒柳 まぁ、そうなの? じゃ、ほんとに、
こんなにいっぱいいらっしゃるのね。
わたしね、糸井事務所って
お勤めの人がいっぱいいるんだなと思ってて、
事務所の人がみんな同じ方向向いて
机のとこで事務してるような
珍しいとこ見れるんだな、と思ってたから、
入ってきて、うんと驚いてます。
糸井 みんな、いまはちょっと仕事の手をあけて、
ここに見に来ちゃってるんですよ。
黒柳 あ、お電話とか、なくって?
一同 (笑)
黒柳 ふふふ、糸井さん、しばらくでした。
どうも、ごきげんよう。
糸井 しばらくでした(笑)‥‥で、思い出したけど、
「世界ふしぎ発見!」のときって、
黒柳さんが前説
(まえせつ・番組収録の本番前に
 客席に挨拶や説明をしたり、
 観客の雰囲気を盛り上げたりすること)
をやるんですよね?
黒柳 うそ、うそ。うそです。
糸井 (笑)いや、うそでもないと思う。
「ようこそおいでくださいました」
って、いまみたいな感じでね?
黒柳 少しはやります。番組の収録中にやるんです。
野々村(真)くんが考えてる間に。
一同 (笑)
黒柳 だって、野々村くん、
15分くらい考えてるときがあるんだもの。
ふふふ、糸井さん、お元気で?
糸井 あ、わたくしは、お元気です。
黒柳 かわいいですね、お召しになってるTシャツが。
糸井 動物ものがいいと思って。
黒柳 しかも、動物が球の上に乗ってるなんて。
糸井 こりゃ、自分がゲストになった気分です。
一同 (笑)
黒柳 (テーブルにあるフルーツのお菓子を見て)
ご親切に、いちばん好きなものを
置いてあったんだ! すごくうれしい。
糸井 お菓子、お好きなんですか。
黒柳 うん、こういう果物がいちばん好き。
糸井 「徹子の部屋」の番組中は、
お召し上がりになったりは
しないですよね?
黒柳 あまり食べないですが、
出してほしいとおっしゃる方にはお出しします。
例えば、草餅がいいだとか、
和菓子がいいとおっしゃる方とか、
それから、メロンがいい、って、フッ(笑)、
中井貴一さん。
糸井 え?
黒柳 お父さまの佐田啓二さんが早く亡くなったので、
メロンは贅沢なものだったとおっしゃるんです。
番組で用意してくださるもの、
なんでもいいのならメロンがいいです、と、
あそこは、ご姉弟、別々にいらしたんですが
おふたりとも(お姉さんは中井貴恵さん)、
メロンがいいとおっしゃいましたんで、
そういうときはメロンをお出しして。
糸井 姉弟とも。
黒柳 あの、高いメロン、ありますでしょ?
糸井 はいはい。網のもようのある、
桐の箱に入ったようなやつですね。
黒柳 そう。あれをお出しするんですよ。
おふたりとも、番組がはじまる前に
「おいしいなぁ!」とおっしゃって
召し上がります。
一同 (笑)
黒柳 でもみなさん、番組中はあんまり
召し上がらないですね。
だって、お話してると、
ずるずるしたものとか、食べにくいでしょう?
あ、でも、この頃は、
健康ドリンクの登場が多くなってきてるから、
それは飲みます。
糸井 ゲストが持ってくるんですか?
黒柳 ええ。ゲストの方が
「わたし、毎日健康ドリンク飲んでるので」
ということで、番組にお持ちになったり‥‥
ニーノだっけ、ニーナ?
観客 (‥‥ノニ、ノニ)
黒柳 そう、ノニです!
ノニも「体にいいですから」って、
お持ちになった方、いらっしゃいました。
あとは
「これは自分で作ったひまわりの実のお茶です」
とか、ゴマと、なんとかとなんとかと、
きなことなんとかが入った、
どろどろドリンクとか。
糸井 どろどろドリンク(笑)。
黒柳 そういう場合には、
「じゃあ、わたしもいただきます」
と言って、飲みます。
ヨーグルトと、きなこと、黒ゴマと、
それから、酢卵。
糸井 すたまご? それはなんですか。
黒柳 酢卵は、プロスキーヤーの三浦敬三さんが
持っていらしたんですけどね。
三浦さんって、99歳のときに、
モンブランでしたっけ?からターッと
スキーでもってすべった方です。
三浦さんは骨のために、生涯ずっと酢卵を
飲んでらっしゃったようなんです。
糸井 酢卵って、酢漬けの卵ですか?
黒柳 フッ(笑)、わたし、
ほんとにびっくりしたんですけどね、
お酢の中に卵を5つくらい、
殻ごと入れるんです。
糸井 なるほど、それで?
黒柳 それがね、1週間もしないうちに、
なんと! 卵の殻はお酢の中に
全部溶けてっちゃうんです。
糸井 へえ!
黒柳 で、お酢のなかに、
びよんびよんびよんびよんって、
薄い袋の中に入って
黄色いものが残るんです。
それ以外は、なんだか、ただお酢の液体、
沈殿物が何も見えないようなものが
できあがるわけです。
それが酢卵というものです。
糸井 ほう。
黒柳 酢卵には、殻が溶けているわけですから、
カルシウムがたっぷり入ってるんです。
これをくしゃくしゃってかき回して、
スプーン2さじくらいを
牛乳とヨーグルトときなこと黒ゴマの
中に入れて飲むんです。
そうすると骨にいい、と
三浦さんがおっしゃったので、
わたしはしばらく飲んでました、ほんとに。
で、そのね、酢卵っていうものがね、
糸井 酢卵‥‥。
黒柳 なぜ卵の殻がお酢で溶けるのかが、
わかんないんですよ。
ガラスの、フタつきのビンみたいのに
入れてやるのよ。
で、作ってるあいだ、
冷蔵庫に入れとくんですけど
おやりになるとおもしろいですよ?
いれもののなかで「あっ」っと言うまに、
殻が全部きれいに溶けて透明になっちゃうの。
ところがあなた、
殻がどこに行ったの? って思わない?
一同 (笑)
黒柳 もうね、中の黄色い、袋に入ったものだけが、
びよびよん、びよびよんとなって。
びっくりするわけですよ。
酢卵の話といっしょに、次回につづきます!
 
つぎへ

第一回 酢卵の正体。
2008-09-01
第2回 カンボジアの長い風呂。
2008-09-02
第3回 あごが、ガーン。
2008-09-03
第4回 うろこのバースデーケーキ。
2008-09-04
第5回 黒柳徹子は敏捷である。
2008-09-05
第6回 ぺったんこのライオン。
2008-09-08
第7回 自慢していい技がある。
2008-09-09
第8回 すごいのに、すごく見えない。
2008-09-10
第9回 敏捷、地味、小出し。
2008-09-11
第10回 ものすごくちょっと。
2008-09-12
第11回 この人、嘘ついてる。
2008-09-16
第12回 トップ賞がほしい。
2008-09-17
第13回 世界は知らないことばかり。
2008-09-18
第14回 もう病気になりたくないなぁ。
2008-09-19
第15回 まとめて「徹子さん」。
2008-09-22


ローズのジレンマ
出演:黒柳徹子、草刈正雄、
   錦織一清、菊池麻衣子

2008年10月8日(水)〜10月26日(日)
ル テアトル銀座 by PARCO (東京・銀座)
チケット一般発売日 2008年8月31日
くわしくはこちらをごらんください。
 
2008年11月1日(土)〜3日(月・祝)
シアター・ドラマシティ(大阪・梅田)
チケット一般前売日 2008年9月21日
くわしくはこちらをごらんください。



2008-09-01-MON


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