みなさんほぼにちわ! 天久です。
家庭遺産の時間がやってまいりました。

期間限定の「家庭遺産」もついに今回が最終回
すべての遺産を紹介できなかったことが、
非常に残念ですが、
きっとまた復活することを約束します!

ちなみにただいま静岡CCCでは、
「家庭遺産展」が絶賛開催中。
12月21日には、しりあがり寿先生との
トークショーもあります。
くわしくは、このページの下にある告知をご覧ください。

それではフィナーレを飾るにふさわしい遺産の数々、
さっそくご紹介いたします!

私の実家の家庭遺産です。
母の手編みのキューピー人形の着せ替えです。
母は編み物が趣味で私たち家族に
たくさんセーターを編んでくれました。

最近は年を取り、大きな物を編むのが疲れるようで、
短い時間で完成する
小さなキューピー人形の洋服を
たくさん作って楽しんでいます。

たくさんあります。


この子は金太郎。


足の裏には名前まで。

所有者ネーム  nae

非常に愛らしい家庭遺産です!
大きな編み物に疲れ、
キューピーの服にシフトチェンジした
という理由も味わい深い。
それにしても服の数、尋常じゃありません。
数をこなすにつれ
確実なスキルアップも見て取れます。
お母さん自身がこの文化事業を
楽しんでやられてることが
素直に伝わって参ります。
足の裏に書かれた名前には
お母さまなりのキャラ設定もあるらしく、
たとえば「あじさいファイブ」には
他にも違う色のメンバーがいる
五人組のひとりなのだそうです。
写真はまだまだありましたが
スペースの関係上、抜粋させていただきました。
世界にはまだまだ服のないキューピーがいます。
この事業が末永くつづくことを
お祈りしております。




家の人が、静岡市在住の作家さんの
お誕生日パーティに縁あって出席した時、
パーティ会場だった旅館でもらったものです。
県内の著名な方々が出席するような
パーティだったそうで、ミーハーな家の人は、
なかなか充実した時間を過ごしたとか。

そんな中で、旅館からのプレゼント。
地元でひょうたんをモチーフに
作品を作るアーティストさんのものらしいです……が。
我が家に飾るには、
デザインが斬新過ぎて居場所に困っています。
ひょっとしたらものすごく価値のある
ひょうたんアートかもしれない。

所有者ネーム おみつ

なんとも微妙な味わいの家庭遺産です。
これをいただいたときの
ご家族の困惑が目に浮かぶようです。
知人友人からもらったものなら、
まだ笑って受け取れるかもしれませんが、
正直これを公の贈答品として
いただいたときのリアクションを考えると、
なにかこう釈然としないモノを
感じずにはおれません。
ただし個人的にはこういうセンス、大好物です。
どんなに辛い状況下でも片隅にこのオブジェがあるだけで、「まあ、いいや」と
思わせてくれる気がします。
今後とも釈然としないまま保管ください。




私の家庭遺産は漬物のようですが、はんこです。
これは数年前、高校生の時に彫ったものです。 
休み時間や授業中、帰ってこたつで彫りました。

気に入ってるのは納豆のハンコです。
ねばりけが(微妙に)見える。
あとサバ缶。

後編は数年の年月をおいて、
春から再発したわたしのはんこです

音のしそうなハンコが好きです。

オバケには黄金比率があると思います。
これが黄金比率のオバケです。

所有者ネーム 深海サイダー

じんわりとくる家庭遺産です。
ハンコのクオリティもさることながら、
数年後のタッチの変わり様も興味深い。
高校時は略画的だった赤いハンコが、
青いデザイン化されたタッチに変わってゆく。
まさか抽象化された音のハンコが
出てくるとは思いませんでした。
オバケの黄金比率‥‥
でもたしかにこの人魂のようなフォルムは、
オバケとして正解のかたちに見えてきます。
作者の内面を文字通り浮き彫りにする
ハンコの可能性を見た思いです。
今後ともオリジナルのハンコ観を
広げていってください!



畳1畳ほどのパネルになった、幼稚園での自分の写真です。
お昼ご飯におにぎりを無意識に食べているのですが
私はまったく覚えていません。
 
ある日幼稚園から母親に、
「同級生の親御さんが何かの機会で
幼稚園に来たときに撮影してくれた」と、
何枚か味のあるモノクロ写真をくださったそうです。
 
それを見た、当時ちょうどクリーニングと
フジカラーの取次をやっていた祖母が、
なぜか・・・パネルにしたようなんです。
この祖母の溺愛行動は表立っていなく、
ただ突然家にこのパネルがドーンと現われたと
母も言っています。 
 
その後は祖父母の家に飾られていたのですが、
新しく家を建てた際には実家の階段の壁面に
ドーンと飾られていました。
友人たちが来ても親戚が来ても、
「なんじゃこれ?」という感じでした。
 
その後、引越しを重ねるたびに
この写真の置き場をどうするか、
5回くらい引越しを重ね
また母と共に祖父母の家に戻った私。
母に頼んで撮ってもらったメールには
「うちの貞子」というタイトルがついていました。


あどけない娘も41歳のおばさんになりました。
この機会に我が家に迎えたいと思います。
ぜひ申請させていただきます。
よろしくお願いいたします。
気づかせていただきありがとうございました。

所有者ネーム おにぎり大好きさん

インパクトのある家庭遺産です!
たしかに物陰から見える遺産は
貞子ばりのホラー感ですが、
よく見ると幼い子の無防備で、
でもどこか見る人を切なくさせる表情が
見事に切り取られていて、
おばあさまがこの写真を
パネルにしたかった気持ちが
よく分かります。
ご家族に付き添い、
ようやくご本人のもとに戻られた幼い日の自分、
これからはどうぞ共に仲良くお過ごしください。





いかがだったでしょうか?
どの遺産にもその家庭ならではの、
掛け替えのない歴史と思い出が詰まっています。
先日この企画について
「この断捨離のご時世に真逆をいく企画だね!」
という感想をいただきました。
とくにそういう意識はなかったのですが、
言われてみればなるほどと思いました。
人生捨てたり忘れたりすることはたしかに重要ですが、
やはりそれだけでは寂しいものです。
ときには押入を引っかき回して
思い出に浸る時間もなければ、
乗り越えられないときもあるのではないでしょうか。
そしてそんなとき、
いつも眺めるアルバムとは別に、
とっくに忘れていた小物やガラクタが、
当時の記憶を活き活きと蘇らせることもある。
それでちょっとだけ気持ちが楽になったり、
元気になったりする。
家庭遺産の価値はそういうところにあるのだと思います。
この企画で
「そう言えばウチにはなにがあったかな?」
なんて思っていただければ幸いです。

短い期間に関わらず、
たくさんの遺産ありがとうございました!
ご応募いただいたみなさん全員に深く感謝いたします。
ぜんぶ紹介できなくてすいませんでした。
でもこの企画、必ず戻って参ります。
それではまた、素晴らしき遺産の世界でお会いしましょう!



2013-12-08-SUN



その1
2013-10-17-THU
その2
2013-10-26-SAT
その3
2013-10-27-SUN
その4
2013-11-03-SUN
その5
2013-11-04-MON
その6
2013-11-10-SUN
その7
2013-11-17-SUN
その8
2013-11-24-SUN
その9
2013-12-01-SUN
その10
2013-12-08-SUN



※「家庭遺産」の申請受付はひとまず締め切りました。

今年めでたく世界遺産登録を果たした富士山。
そのご当地静岡において、
全国から寄せられた遺産の数々を展示紹介する
「家庭遺産展」を開催します!

会期は、12月7日(土)~12月28日(土)、
CCC(静岡市クリエーター支援センター)にて行われます。

関連企画として、12月21日、
ゲストに、天久聖一氏、しりあがり寿氏をお招きし、
「家庭遺産」の思い出話に花を咲かせようという
無料のトークイベントを開催します。
現在、CCCのWEBサイトにて、
イベント参加のお申込受付中!
定員に限りがございますので、お早めにお申込ください。

お申込・詳細はこちら ▷ CCCWEBサイト


聞くだけじゃ物足りないという方は、
是非、あなたのご家庭の「家庭遺産」を
トークイベントにお持ちください!
※当日の都合により、全ての遺産をご紹介できない場合があります。