みなさんほぼにちわ! 天久です。
「家庭遺産」の時間がやってまいりました。

遺産の募集はすでに終了いたしましたが、
滑り込みで届いた遺産が大量にありますので、
引き続きご紹介をつづけたいと思います。

今回もご家族の思いの詰まった遺産を
4点ご紹介いたします。
それでは早速どうぞ!

うちの「家庭遺産」は、「主人の手記」です。
いずれも付き合っていた頃に書かれたものです。

1枚目は、デートでイタリアンのお店に行った時のもので、
注文した料理を待ちながら
「地球の直径より1m長いヒモを
地球のまわりに張ったら、
どの動物がその下を通り抜けられるか?」
という難題を主人から突然出され、
私が答える間もなく
主人自身がいろいろと計算してみたけれども結局、
彼も答えが分からなくなり、
うやむやになった1枚です。
ペン跡から、計算の必死さが伝わります。
いまだに答えが何か分かりません…。

2枚目は、デートで安い焼き肉屋に行った次の日の朝、
突如飛び起きた主人に
「紙とペンはあるか?」と聞かれたため
それらを渡したところ
「昨日の会計は高過ぎたのではないか?」
と計算を始めたものです。
ちなみに「シロはタダ」というのは、
無料クーポンを使ったからです。
合計を見ても、大した金額ではないのですが、
こちらも必死さが伝わります。

どちらも、主人はゴミ箱に捨てたのですが、
残された紙面があまりにシュールだったので
私がこっそり後で拾って保管しておりました。
見る度に、当時のどうでもいい感とウキウキ感が蘇る、
大切な「家庭遺産」です。
息子たちが大きくなったら見せたいと思っています。

所有者ネーム  ふたこぶ

くだらなくも微笑ましい家族遺産です。
一見、数学者が
その閃きを書き留めたようなメモに、
実はそんなどうでもいい理由があったとは。
もう一枚も主婦の買い物メモと見せ掛けて、
ただの悪あがきです。
でもそれらのメモをこうして大切にとっておく
奥さまの茶目っ気に、あたたかい愛情を感じます。
ぜひ大きくなった息子さんに
「お父さんの正体」を見せてあげてください。




泥団子です。
ここに置いてから一年が経ちました。
息子が四歳の時に、保育園でせっせと布で磨き、
ピカピカの泥団子を作り、
先生に見つからないように、小さな両手で隠しながら
園バスに乗って持って帰ってきました。
そのうち砂に帰ってしまうのですが、
保育園の先生から
「紙コップをかぶせると長持ちしますよ」
というアドバイスをもらい、今に至ります。
表面が乾いてしまったので、
当初の輝く泥団子ではなくなってしまいましたが、
我が家の宝物です。

所有者ネーム きんきんだんご

保存状態の素晴らしい家庭遺産です。
完全に乾燥した泥団子は、
もはや泥団子とは
別モノの神秘的な遺物になっています。
しかしやがては砂に変えるのでしょうね。
そう思って見るとこの乾いた泥団子に
歴史のロマンさえ感じてしまいます。
どうぞ可能な限り行く末を見守ってください。




静岡市民としてはロダンの地獄の門を所有したい。
だか、大きすぎる。
ということで、紙粘土と発泡スチロールで地獄の門、
ミニミニサイズを作成。
ロダン館に何度も通い、スケッチして構図を真似し、
一体一体忠実に再現しました。
あぁ、これでいつでも地獄の門が眺められる~。
(藤原ココミ8歳作)

「段サツ」…ダンサツです。
段ボールで作成したお札。
あきらかに贋札とわかるため堂々と使用可能。
福沢諭吉バージョンや野口英世バージョンもありますが、
今回添付したのはアートの要素を取り入れて
ゴッホっぽいお兄さんと、ゲルニカっぽい牛。
すべてがなんちゃってな仕上がりです。
(藤原天馬9歳作)

所有者ネーム 藤原

ただものではない家庭遺産です。
ふたつのメールに分けて送られてきたのですが、
文面から察するにおそらくお子さんの遺産を
それぞれ送ってくれたものと思います。
しかしモチーフがすごいですね。
8歳のお子さんがつくる地獄の門、
9歳のお子さんがつくるニセ札。
しかも肖像画がゴッホとゲルニカ。
ここに食いついてくるご兄姉のセンス!
将来はアヴァンギャルドなアーティストか、
それとも真逆のエリートか、
いずれにせよ児童期の衝動を留める遺産として
大切に保管してくださいませ。



まだ、私がPHSしか持って無かった遠い昔、
当時4、5才のムスメがガラケーを作ってくれました。
ままモードが泣けます。

こちらは小さい頃から、
決まりに厳しいムスメの描いたマナーたっぷりの携帯。
なんかの印刷物に描かれています。

さらに未来の携帯! ツボマッサージ付。
近い将来実用化するかも、
いやしないかもしれないそんな一品です。

立体ものがなかったですが、わたしの宝物です。

所有者ネーム マナーさん

ほのぼの家庭遺産です!
ままモードとはどんな機能でしょうか。
ムスメさんとの直通回線でしょうか。
お母さんを手助けしたいという思いの中にも、
微かにかまって欲しい気持ちが
感じられて微笑ましいです。
マナーに対する執着には
ムスメさんのしっかり者ぶりが伺えます。
そして驚きのマッサージモード。
現代の文明はいまだ
ムスメさんの発想力に追いついていません。
言葉ではなく思いを伝える通信機器、
これからも大切に保存してください。



いかがだったでしょうか?
今回はお子さんの遺産を中心にご紹介しました。
こどもはまさに遺産製造装置。
それがどんなに奇妙なものでも、
また奇妙であればあるほど、捨てられないモノです。
展覧会で賞をとった、学校でほめられた
というふうな遺産ももちろん貴重ですが、
こうしてこどもたちが日常の中で、
頼まれもしないのにつくった遺産にこそ
真の価値があるような気がします。

当人にとっては恥ずかしいものかもしれませんが、
そんな恥を握っておくのが親の任務であり、醍醐味です!
いざというときのために、大切に保管してください。

それではまた、素晴らしき遺産の世界でお会いしましょう!



2013-12-01-SUN