みなさんほぼにちわ! 天久です。
今回も全国から届いた
とっておきの「家庭遺産」をご紹介いたします。
家庭遺産の条件は、金銭的価値よりも
思い出そのモノにまるわるエピソードです。
それではプライスレスなお宝を、さっそくどうぞ!

我が家の家庭遺産は、ずばり『こけし』です。
もちろん有名な職人の手によるものではなく
観光地で絵付け体験をした、夫の作品です。
今から19年前の物です。

夫と結婚して知ったことは
絵がヘタだということ。
本人もそれを自覚しているので
めったなことでは絵を描きません。
その彼が、職場の旅行で嫌々ながら描いたのが
このお人形です。

もちろん、ある程度本気で作ったものです。
けしてふざけてなどいません。
がくんと、肩を落としながら
作品をお土産に帰宅した姿からも想像できます。
さらには、こけしであって
こけしに見えないと危惧したのか、
『こけしです』とわざわざ書きこむことまでしています。





彼を笑ってはいけないと、
このこけしをそっと戸棚のおくにしまいこんでいたある日。
私の友人が戸棚の奥から見つめる 
つぶらな瞳に気付き涙を流して喜びました。
「まぁ、なんてかわいくない!!」
さらに
「辛いことがあっても、この顔を見ると元気になるわ!!」

その日からこのこけしは我が家の遺産となりました。
時折このこけしを思い出しては
戸棚の奥から取り出し顔をみるのですが、
やはり辛いことも忘れそうな、家庭遺産です。

所有者ネーム  しみちよ

なんとも凛々しい家庭遺産です!
こけしは穏やかなものという既成概念を破った、
気合いあふれるこけしですね(笑)。
この顔で赤いほっぺと揃った前髪という、
こけしの基本を守っているところに、
旦那さまの律儀さを感じます。
そして裏に書かれたまさかの自己申告!
本人がそう言うのであれば、間違いありません。
これからも保有者さまの家庭に、
元気を与え続けてくれるでしょう。




息子が小学生の時、学校で作ってきた椰子の木です。
以来、ずっと我が家の
テレビ台の飾り棚に飾ってあります。
大人にはどうにもならない木材の切れっ端に見えるのに、
子供は組み合わせて違う樹木にしちゃうんだなあ
と感動したものです。
なぜ椰子の木かというと、多分私が
杉山清貴さんファンなので、何となくその括りで
作ってくれたのではないかと思います(笑)。

所有者ネーム ゆか

かわいい! そしてアートは家庭遺産です。
まるでキュビズム彫刻のようなこのフォルム、
最低限の形と色だけで
ヤシの実を的確に表現したオブジェです。
やっぱりこどもって、芸術家なんですね。
理由がまたかわいらしい‥‥(笑)。
今後、杉山清貴さんの歌を聴くたびに、
この椰子の木が
浮かんでくるのではないでしょうか。




父の還暦祝いにちょっと頑張って
蛤と那智黒石の碁石と碁盤をセットでプレゼントしました。
お店のご主人が「親孝行だねぇ」と目を細め、
その時くれたのがこれ。
碁石を抜いた後の日向蛤(たぶん)です。
穴に刺さっているのは
実験室で作ったイワシの透明標本です。

もう一枚の写真は隣に並べて置いてある
大学でもらったエミューの卵の殻と、
大相撲横浜巡業の土俵の砂です。


どれも父に見せて薀蓄を
語りたいものばかり(へんな娘です…)。
でも7年前に父は他界し、
なんと来年私も還暦になってしまいます。

所有者ネーム ゆうちゃん

エピソードを拝読し、感動がとまりませんでした。
素晴らしい家庭遺産です!
「碁石を抜いたあとの蛤」
そういうものがあるという事実は、
たぶんこの遺産を見ることがなければ
一生知らなかったかもしれません。
入手のいきさつも素敵ですね。
所有者さまの想いと、お店のご主人の想いが、
本来なら捨てられるはずの貝殻を
遺産にしたのだと思います。

しかも! 話はそれだけでは終わりません。
さらりと書かれてますが、
その穴に刺さっているのが、
イワシの透明標本という
誰も予想できない組み合わせ!
たしかに海つながりです。
でもなぜにそのようなマニアックな品が‥‥。
いや、亡きお父さまを忍ぶものだとしたら、
セカンド墓標的な意味合いもあるのでしょうか。
いずれにせよ、
お父さまにまつわるゆかりの品なのでしょう。

その隣に飾ってある品々も
いちいち驚かされるものばかりです。
エミュー、知ってます。
ダチョウを小さくしたような鳥類ですよね?
その卵の殻。
さらに! その隣には土俵の砂!
入れ物は透明なキティちゃん!
これほど行間の離れたモノの陳列を
見たことはありません‥‥感動です!
ぜひ所有さまから蘊蓄と
なれそめを訊きたい気もしますが、
真相を知るよりも「なぜそうなった?」
という想像を楽しみたいと思います。
来年は還暦を迎えるという所有者さま、
さまざまな経験を積まれてきたであろう、
その人生の断片を見せていただいた気がします。
ありがとうございました。



いかがでしたでしょうか?
手作りの遺産にはどれも温かみがありますね。
そして、どの品にも
それが家庭にやってくるまでのストーリーがあります。
家庭遺産ではそのストーリーを、
所有者とみなさんで共有できればと思っています。

遺産をご紹介いただいた方には、
ここでご紹介する方をふくめて全員に
公式認定書を差し上げます。
くわしくは下記をごらんください。

なお「家庭遺産」は12月に静岡で開催予定の
「家庭遺産展」に向けた期間限定企画
です。
早めのご応募を、よろしくお願いします。



2013-10-27-SUN