第2回 歌舞伎ものたちの、     スカッとする娯楽大作
山下
というわけで、ここからは思う存分、
『五右衛門ロック』の感想を
語りましょう!
ナンコ
語ろう語ろう!
モギ
もう、新感線らしくて、
けれん味いっぱいで、
おもしろかったよねー。
山下
そう、むずかしく考え込むような
舞台じゃないから
みんなでわあわあ騒ぎながら観れたのも
すっごいたのしかったです。
シェフ
でも、お芝居の本番、
ぼく、みんなと一緒に観てないんだよね。
ナンコ
あ、そうか。
モギ
ああー、そうだわ。
山下
そういえばそうでしたね、
去年の夏のことだから
すっかり忘れてました。
シェフ
新宿コマでの本番中は、
ちょうどフィンランドに取材に行ってたので。
モギ
それで、ああー、武井さんは
本番を観れないんだーと思っていたら‥‥
シェフ
大阪まで観にいきましたよ、帰国してから。
山下
新幹線に乗って新感線を(笑)。
自腹で。
シェフ
自腹、とうぜんです。
だって観たかったんだもん。
モギ
えらい!
シェフ
だからぼくは、みんなが観た本番と
ちょっと違う
『五右衛門ロック』を観たわけです。
モギ
やっぱり雰囲気ちがうの?
シェフ
うん。
新宿コマで収録した
「ゲキ×シネ」とくらべると、
大阪での公演はもうちょっと
はっちゃけた感じだった気がする。
モギ
へええー。
シェフ
「劇団☆新感線」は
もともと大阪の劇団だから、
地元での公演なんですよね。
だからお客さんの反応も違うし、
役者さんたちの、のびのび加減も
やっぱり「ホーム」な感じがしました。
モギ
へええー。
シェフ
もちろん東京公演の良さもあるんですよ。
歌舞伎町のコマ劇場という場所で、
石川五右衛門というテーマで、
あの「歌舞伎もの」たちが
大暴れっていうのは、
なにもかもドンピシャじゃないですか。
モギ
うん、ドンピシャだった。
演劇って、その町に行くところから
もうはじまってるもんね。
ナンコ
歌舞伎町で『五右衛門ロック』、
ドンピシャだー。
山下
ぼくとモギさんは
新宿コマで2回観たんですよ。
モギ
だから今回の「ゲキ×シネ」は3回目。
ナンコ
3時間以上の劇を3回(笑)。
モギ
そうか(笑)、
そそいでるわ、あたしたち。
山下
ねえ(笑)。
でもやっぱり、
「ゲキ×シネ」も面白かった。
モギ
これはこれでまた堪能いたしました。
山下
いろんな角度から観られるっていうのが、
快感ですよね。
「このシーンはあのあたりの席で観たい」
っていうのを、ぜんぶかなえさせてくれる。
モギ
そうそうそう、
常にシーンごとの特等席で。
シェフ
あと、何度も言いますが、
アップがすごい。
山下
あのかたの、目ヂカラ。
モギ
目ヂカラ!
ナンコ
目ヂカラ!
シェフ
北大路欣也さんの‥‥
モギ
目ヂカラ!!
シェフ
ねえ、それが映画館の
スクリーンいっぱいに。
山下
そもそも舞台用のメイクなので、
映画やテレビに比べると
濃いじゃないですか。
そこにもってきて、カメラが寄る!
モギ
殺陣のシーンに、カメラが寄る!
ナンコ
役者さんの汗までバッチリみえる!
シェフ
ギラン! と光る、北大路先輩の‥‥
モギ
目ヂカラ!!
山下
その目ヂカラも、
真っ正面からとは限らなくて、
ときどき隣にいる人を見るような、
横方向の目ヂカラがあるんですよ。
そうするとね、こう、なんだか、
同じ舞台に立ってるような
錯覚におちいって‥‥。
シェフ
えー、それちょっと生意気ー。
モギ
(笑)
山下
え、錯覚でも? 生意気でしたか。
シェフ
えー。
山下
だってこう、
横に向けた役者さんの視線を
正面から観られることって
ないじゃないですか。
舞台に巻き込まれてるような
気がしたんですよ。
シェフ
あー、そういうことか、そうですね、
ほんとは入っちゃいけない
舞台にいるという感覚、
たしかにそれはありました。
山下さんみたいに、
「同じ舞台に立ってる」なんてことは
ぼくにはとても僭越で思えななかったけど。
山下
ああああ‥‥。
モギ
(笑)
シェフ
山下さんを
そんなに思い上がらせてしまうほどの
すごい映像っていうのは、
複数のすばらしいカメラの
おかげなんでしょうね。
モギ
はい、そのあたりのことは収録スタッフに
お話をうかがってきましたので。
山下
ぜひ、こちら(下を指さす)を
お読みください。
ナンコ
またー、テレビみたーい(笑)。
「くわしくはこちらー」って
テロップみたーい。
モギ
あと、あれですね、
こちら(下を指さす)の
記者会見なんですけど。
ナンコ
なんでー、
なんでモギコもやってんのー(笑)。
シェフ
‥‥もう、いちいちつっこみません。
モギ
制作発表の場で
みなさんが宣言していたことを
ちゃんと舞台でみることができて、
それがすっごくたのしかった。
山下
そうそう、演出家の
いのうえひでのりさんは、
「マンガみたいな舞台にしたい」
とおっしゃってて、その通りになりました。
シェフ
そうですね、あの舞台は、
良い意味で「マンガ」でした。
モギ
脚本家の中島かずきさんは、
「ビアガーデンでビールを飲んで
 帰るときのような気分にしたい」
と言われてたでしょ?
山下
まさしくそんな気分でしたよね。
モギ
ほんと。
劇場を出たら、スカーッとしたもん。
ナンコ
川平慈英さんは、
「森山未來くんとのタップ対決をお楽しみに」
って予告してたけど、それもちゃんと。
シェフ
やってましたねー、タップ対決。
山下
川平さんは本番ではっきりと、
「まいりました」と言ってました(笑)。
モギ
あとほら‥‥山下さん、
古田さんが言っていたことを、言って!
山下
え?
モギ
だからほら、アレが出るといいなっていう。
山下
ああ(笑)、わかりました、言いましょう。
古田さんはあのときこうおっしゃいました。
「これだけ豪華絢爛なキャストなのに、
 舞台のどこかで
 “う○こ”が登場するといいな」と。
モギ
ははははは。
モギ
この約束も、ちゃんと守ってくれました。
山下
守ってくださったのは高田聖子さん。
なんかね、もう、
ぜんぜん関係ないシーンで、
黒板にその絵を描くんですよ(笑)。
ナンコ
あれは笑ったー(笑)。
シェフ
描いてたね(笑)。
山下
まったくそこでやらなくていいところで、
流れるような
一連の動作の中におりまぜて(笑)。
モギ
みごとな「ソフトクリームの上の部分」を
黒板に描き上げてくださいました(笑)。
ナンコ
面白かったー(笑)。
モギ
拍手喝采だよ(笑)。
山下
ま、そういう楽しみもありましたね。
モギ
ね。
シェフ
そして毎度のことながら、
音楽が、歌がよかったですよー。
モギ
北大路さんの、あの歌!
山下
歌い始めたときにはドキッとしました。
ナンコ
ちょっとムード歌謡みたいなんだよね。
シェフ
生バンドが入って、
みーんなが歌うんですよ。
山下
歌いますね。
シェフ
でも、ミュージカルじゃない。
モギ
そう。
あのちがいはなんなんでしょうね。
シェフ
状況や心理の描写ではあるんだけど、
決して「説明のセリフ」じゃない
ってことかなあ。
そこで歌うのが不自然じゃないんだよね。
モギ
ロックだから、かっこいいし。
山下
で、舞台美術が堀尾幸雄さんです。
シェフ
そうそうそう!
今回は書き割りがメインでしたね。
山下
そう、書き割りでした。
一枚の板に背景とかを描いて
様々な空間を表現するという、
あえてシンプルな手段できました。
モギ
あの書き割りは、
たぶん「ブレヒト幕」の変形なんですよ。
モギ
おおー。
シェフ
なんかわれわれ、プロっぽい解説してる?
山下
成長しましたかね?
モギ
堀尾幸雄さんに「ブレヒト幕」のことを
うかがってましたからね。
それを知ってただけで、すごく楽しかった。
シェフ
そういう大胆な演出も含めて、あれもこれも、
いやはや、痛快無比でしたね。
モギ
うん。
スカッとするっていう意味では
今までの新感線でいちばんかも。
ナンコ
そうかも。
山下
ほんと、娯楽大作ですよ。
モギ
うん。
ナンコ
‥‥ねえねえ、
みんなはどの役者さんがよかった?
モギ
お、その話をしますか。
ナンコ
しようしよう!
 
(つづきます!)
協力:(株)ヴィレッヂ
2009-05-16-SAT

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