じゃあ、どの役者さんに
目が釘付けになったか、
というお話をしましょうか。

しようしよう！

私はマント王子ですよ。

マント王子。

カルマ王子、森山未來さんだ。

マントさばきがすばらしい。

‥‥あなた前にも
マントのこと言ってなかった？

それは『メタルマクベス』のときです。
内野聖陽さんのマントさばきについては、
こちら（下を指さす）で語っております。

またー（笑）。

内野さんのマントは、
ゆったりとした長いマントでした。
森山未來さんは、短くて軽いマントを
いかに素早く動かすか、だったんですよ。

なるほど。

森山未來さんって、
すごくかっこいいんだけど、
コメディアンの成分がちょっとあって、
新感線ではそこも魅力的に出るんだよね。

そうそうそう！

なんちゃんは？

わたしは、だんぜん、ペドロとアビラ！

南蛮人のふたり組（笑）。

ずーっと最後の最後まで、面白かった（笑）。
なんかふたり、よく動くし。

あれはきっとすごい練習量ですよ、
もうダンスだったじゃないですか、ぜんぶが。

ねえ。

全力投球ですよ。
いちばん体力を使ってた気がします。

で、その真逆で主役なのにわりとこう、
どっしりしてたのが、古田新太さん。
よく見ると
あんまり動いてないぞみたいな（笑）。

力の抜き方をよーく知ってるんですよねー。
どしっと構えて、抜群の存在感で。

まさに主役の貫禄。

そうそう。
あの「ドロドロ〜ン」ってやつも、
てきとーにやってて超面白かった（笑）。

ああ、「ドロドロ〜ン」ね（笑）。

「ドロドロ〜ン」っていうのは、
つまり「変装」から戻るときの音なんですが、
これは観てのおたのしみですね。
この「変装」が
大きな爆笑ポイントになってます。

そうくるか！っていう（笑）。

山下さんは南蛮人のもうひとり、
アビラに夢中だったじゃない？

ああー（笑）、最高でした。
股引にサスペンダーですよ（笑）。

右近健一さんですね。

そうそう、右近健一さん。
いちばん笑わされたのが
右近さんなんですが、
登場を心待ちにしていたのは、
新感線の劇団員のおさんかたでしたねー。

というと、
高田聖子さん、
橋本じゅんさん、粟根まことさん。

はい。

そうですね、さすが劇団員という感じで。

セリフの心地よさみたいなのもあるし、
舞台でのびのび演じることの
経験値がものすごいというか。

橋本じゅんさんなんかは、
スケールの小さい男を演じてるのに、
なんだかケモノじみてるし。

うん（笑）。

その妻の役を演じた濱田マリさんも、
よかったですねー。
おもしろさと、怖さがあって。

うん、いちばん怖いのは
濱田マリさんの役だったかもしれません。

武井さんは？誰がよかった？

ぼくは、そりゃあ、
ひとり選ぶなら北大路先輩ですよ。

目ヂカラ！！

豪華なキャスティングの中でも
やっぱり、ね。

あたしは北大路先輩の
動きがすごいと思った。
あの、なんて言うの？
お年は召してるわけじゃないですか。

そうですね。

だから殺陣とかではそんなに
動いたりしてないんだけど、
ものすごく効果的に
「魅せる動き」をしてたのがすごい。

達人の域の、無駄のない動きを。

時代劇で鍛え上げられた男っていう
気配がありましたよ。

その意味では江口洋介さんも、
鍛え上げた力を発揮してましたよね。

江口さん！よかった！
突然ギターを弾いたりして。

あれは舞台がパーッとなりましたよねえ。

ロックの中で、
フォークソングをパーンと歌って、
一気に「さわやかー」ってなる。

ちょっと能天気な役で、
でもお役人ならではの一途なところもある。
これってもう、江口さんの世界ですよね。

お客さんが何を喜ぶのかっていうのを、
にくいほどに心得た演出でした。

真砂のお竜も、そう！

そうそう！

松雪泰子さんが演じたのは、
もう、あえて言っちゃいますけど、
「ルパン三世」の峰不二子でしょう。

ズバリそうでした、かっこよくて。
で、江口洋介さんは、銭形警部。

そうそう。
松雪さんは色っぽくて野心家で、
やばくなると裏切ったりするんだけど、
でも相棒をとても大事に思ってる、みたいな。
まさしく峰不二子ですよ。

「ルパン三世」へのオマージュというか、
あの世界観を堂々と遊びとして
演出に取り入れてましたよね。
で、松雪泰子さんは
その狙いをみごとに、
あでやかに、軽やかに、
演じられていたと思います。

うーん‥‥
やっぱり今回もＭＶＰを
決めるのは無理っぽいですな（笑）。

無理です（笑）。
出演者がすばらしすぎます。
あらためて、とてつもない顔ぶれですよ。

これだけの「濃い」出演者それぞれに、
見せ場をつくって
ストーリーを練り上げてる。
ものすごいバランス感覚の脚本ですね。

みんな歌唱力がすごいし。

あなたの歌もスゴイじゃないですか。
えー、みなさま、
こちら（下を指さす）の、
「北酒場」をぜひ。

わ、やめて！

新感線に、出演交渉してみましょうか。

や、やめてください！

「北酒場」で、ぜんいんがコケる。
毎回のお約束として、アリだと思います。

ひー。

ダメもとで交渉だけしてみましょう。

ぜったいに、やめてください！

‥‥そうですか。
じゃあ「ワハハ本舗」に交渉しておきます。

ひーー！

モギさんの「北酒場」の破壊力はともかく。

はい、それはともかく。

『五右衛門ロック』とは、
長いお付き合いになりました。

うん、去年の４月の記者会見からだから。

ずーっと追いかけさせていただいて。
その甲斐がありましたよね？

はい。ぼくらは何度かこうして
「ゲキ×シネ」をおすすめしてきましたが、
これはほんとに、
すてきなシステムだと思います。

舞台をつくる「劇団☆新感線」があって、
それを映像化する
「ゲキ×シネ」スタッフがいて。
両者の連携がすばらしいんでしょうね。

お互いにクオリティの高さを
信頼し合っているように見えました。

「ゲキ×シネ」、
広まってほしいですね‥‥。
あ、もうずいぶん広がってるのか。

うん、そう思う。

舞台を観たことがない人にとっては、
わかりやすい入り口として。

そうそう、「ゲキ×シネ」の広報の方が
おっしゃってました。
「初めて演劇を観る方は、
いろいろ起こっている舞台の
どこを観たらいいのか
混乱してしまうそうです。
その点、ゲキ×シネは編集されているから、
みどころがわかりやすいんですよ」と。

なるほど、
ナビゲーション機能もあるから
演劇入門にも適していると。

「ゲキ×シネで演劇の
みかたがわかったら、
ぜひ生の舞台も観てほしい」
ということも、おっしゃってました。

ああ、いいですねー。
「ゲキ×シネ」の普及を願いながら、
「生の演劇」を尊敬されているというのが。

はい。
というわけでぼくらは、
まるで宣伝のように
「ゲキ×シネ」のことを
何度かおすすめしてまいりました。

ほんと、コマーシャルみたいに（笑）。

でも、根本は、
「自分たちがおもしろかったから」
なんだよね。

最後にそこを確認しつつ、
今回の感激団をお開きにしようと思います。

みなさん「ゲキ×シネ」、
観に行ってくださいねー。

損はさせませんぜー。

それではまた、感激団でお会いしましょう！

ありがとうございましたー。

‥‥ええと、じゃあぼくは、
モギさんの出演交渉のメールを書きに（去る）。

や、やめろおおお！！（追う）

（おわりです！）